
不動産業界の低迷が続く中国で、習近平政権がこれまでの不動産政策を転換させる新たな方針を打ち出した。長引く不動産不況からの脱却につながるのだろうか。また、経営破綻した中国の不動産大手、恒大集団の創業者に無期懲役の判決が言い渡された。中国不動産業界の今後は?
【画像】恒大集団の創業者・許家印被告 粉飾決算や違法な資金調達などの罪に問われていた
「予約」販売から「完成後」販売へ
まずは、不動産政策の大転換について見ていく。不動産不況は依然として深刻な状況だ。
中国国家統計局が15日に発表した統計では、1~8月の新築住宅の販売額は前年の同じ時期と比べ13.1%減っていて、前年割れが続いている状況。こうした不況の背景に「予約販売」という販売モデルがあるという。
これまで中国の不動産開発では、地方政府が不動産開発業者に土地の使用権を売却し、開発業者は購入者に対して建設中の段階で住宅を「予約販売」する。
購入者は住宅ローンを組んでその代金を支払うという構図。建物の完成前から住宅ローンがスタートするという形が多かった。
これを業者の視点で見ると、前払い資金を建設費に投入できるため、自己資金が少なくても事業を急拡大できるメリットがあった。
ただ、このモデルの場合ひとたび資金繰りが悪化すると建設が止まり、住宅を受け取れず、返金もされないというケースが相次ぎ、2022年には陝西省などでマンション購入者らが抗議活動を行った。
中国メディアによると、当時18の省の100以上のマンションでローン支払い拒否の動きが起きた。
こうしたことから中国人民銀行と国家金融監督管理総局は先月28日に新たな指針を公表した。今後、住宅は完成した後に販売し、住宅ローンは住宅完成後に支払いを開始するルールとした。
販売形式を変えて、購入者の不安を和らげる狙いがあるとみられる。
開発業者の資金繰り悪化?
ただ、この方針転換で資金繰りが悪化する企業も出るのではと言われている。
ロイター通信によると、これまでの「予約販売」モデルでは、前払いされた代金が次のプロジェクトの開発などにも充てられ、開発に使う資金全体の40%を占めていたという。
一方で、買い手側の動向にも変化が生まれているという。新華社傘下の中国メディアによると、中国の主要都市で中古住宅の販売数が増えているという。
中国指数研究院のデータでは、先月の主要20都市における中古住宅の成約件数は前年の同じ月と比べて7.4%増えていて、実際に内見した物件を購入できるということから、中古物件の成約が着実に増加しているという。
恒大集団創業者に無期懲役 影響は?
中国の不動産不況を象徴するのが恒大集団だ。
恒大集団の創業者・許家印被告は、粉飾決算や違法な資金調達などの罪に問われ、先月20日に1審判決で無期懲役を言い渡された。
恒大集団は中国各地でマンション開発を進め一時最大手となったが、中国政府が不動産業界への引き締めを強化したことなどで2021年に債務不履行に陥り、不動産不況の引き金となり、負債額はおよそ50兆円ともされている。
経営難に陥っているのは恒大集団だけではなく、中国の不動産大手「碧桂園」は2023年に一時、債務不履行に陥り、ロイター通信によると、新規の土地購入を停止しているという。
また、万科企業も去年、資金繰りが悪化し、経営陣の大部分が国有企業の幹部と入れ替えられたという。
ロイター通信によると、調査会社コンファレンス・ボード・アジアのシニアエコノミストは民間不動産企業の大部分が債務不履行に陥ったため、今や国有不動産会社が市場を支配していると指摘しているという。
市場関係者は不動産部門が今後、国家の管理下に置かれる度合いが強まると予想しているという。
(2026年9月16日放送分より)
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