
ロシアで、ウクライナ全土への侵攻以降初となる下院議員選挙が行われた。注目されたのが、軍人出身の候補者だ。また、ロシアはヨーロッパを分断するために、各国への“ハイブリッド攻撃”を激化させているという。
【画像】“ハイブリッド攻撃”か 欧州でロシアの関与が指摘される主な出来事
侵攻後初の下院選
まずは、ロシアの下院選から見ていく。ウクライナ侵攻後、初の下院選挙となった。
今月18日から20日にかけて行われたロシアの下院選では、小選挙区と比例代表それぞれ225議席あわせて450議席が改選され、投票はロシアが一方的に併合を宣言したウクライナの東部と南部の4つの州でも実施された。
そして今回の下院選では、一部の野党を排除する動きもみられた。反戦を訴える野党ヤブロコについて、「選挙運動のSNSなどで著作権を侵害した」などの理由で、最高裁が比例名簿の登録取り消しを行った。
さらに独立系メディア「メドゥーザ」によると、小選挙区でも「失格」とされる候補が相次いだといい、ヤブロコから立候補できたのは99人にとどまったという。
元軍人は「新たなエリート」
一方、今回の選挙で目立ったのが、ウクライナ侵攻に参加した元軍人の存在だった。
AP通信などによると、今回の下院選には、ウクライナ侵攻に参加した元軍人およそ200人が複数の政党から立候補し、うち82人は与党から立候補しているという。
プーチン政権はウクライナ侵攻に参加した軍人を「新たなエリート」と位置づけ、政界進出を後押ししてきた。その理由について、アメリカの戦争研究所は、ロシア連邦議会の軍事化を進め、ロシア大統領府の攻撃的な政策を支持する忠実な退役軍人の幹部を育成する狙いがあると分析している。
こうした戦時体制を強化したプーチン政権の次の一手はどうなっていくのか。
前線で兵力不足 大量動員の布石か
ウクライナのゼレンスキー大統領は先月27日、「プーチン氏は選挙後、少なくとも30万人を動員する可能性が高い」と警告した。その背景には、前線での兵力不足があるのかもしれない。
アメリカの戦略国際問題研究所の今年6月までの推計では、ロシア軍の死者などの数は月3万人から3万4000人に上るのに対して新規の採用はおよそ2万7000人と、死傷者数が採用数を上回っている状況だ。
プーチン大統領は追加動員について否定しているが、AP通信によると、徴兵への恐怖などを理由にすでに一部のロシア人が国外へ逃亡していて、ロシア国外へ逃れる市民を支援する団体への先月の問い合わせ件数は、5月と比べておよそ8倍に増えたという。
欧州での“ハイブリッド攻撃”?
ロシアはヨーロッパを分断するために、各国への“ハイブリッド攻撃”を激化させているという。
ロシアの関与が疑われる破壊工作がヨーロッパ各地で相次いでいる。
先月から発生している、ロシアの関与が指摘されている破壊工作などを抜粋した。
その中で例えば先月4日、ドイツのライプチヒ空港では着陸予定だった貨物機がドローンと衝突した。また、別の機体の近くでは爆発物を搭載したドローンが発見された。
このことについてドイツのドブリント内相は「ドローンの分析結果からロシアが関与していたことが証明された」と発表したが、プーチン大統領は自国の関与を否定している。
また、ドイツでの事案を巡ってフランスのマクロン大統領は18日の記者会見で、「ここ数週間、ロシアによるヨーロッパ諸国に対する“ハイブリッド攻撃”が激化している」と警告している。
このハイブリッド攻撃とは、破壊工作やサイバー攻撃などで圧力をかけることによって、敵対国を不安定化させる攻撃のことを指す。
(2026年9月21日放送分より)
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