
選挙で支持しなかった首長の自治体について、「予算を大幅にカットした」との発言が報じられた簗和生農林水産大臣(47)。午前の会見では「コメントは控える」などと20回繰り返しましたが、午後に再び会見に臨みました。
“コメント控える”20回繰り返す
渦中の簗農水大臣。この後、集中砲火を浴びることになります。
簗農水大臣
「(Q.大臣の道路予算を巡る発言について)大臣就任前の一議員としての活動に関わる事柄についてですので、大臣としてのコメントは控えたい。そのように考えています」
「(Q.調査に対しては)コメントは控えたいと思います」
「(Q.大臣がということではなく、一般的な話として伺いたい)農林水産政策の所管外の話については、回答は控えたいと思います」
午前の会見で質問が相次いだのは、週刊誌報道についてです。
「デイリー新潮」と「文春オンライン」は簗氏が今年5月、地元・栃木3区の自民党支部の会合で衆議院選挙で自身を支持しなかった首長がいる自治体の道路予算を「大幅にカットした」と発言したと報じました。さらに、「私がこの選挙区からいなくなったら、予算が完全に切られる」などと発言したとしています。
簗農水大臣
「(Q.この場で説明ができないなら、今後どういう場で説明する予定)繰り返しになりますけれども」「繰り返しになりますけども」
「回答は同じであります」
「同じコメントでございます」
「繰り返しになります。大臣就任前の一議員としての活動については、大臣としてコメントは控えたいと思います」
番組が数えたところ、簗農水大臣はおよそ20分間の会見で20回、回答を控えました。
簗農水大臣
「(Q.公平公正で偏りのない予算を編成する大臣として、自身は適任だと思うか)前段の今おっしゃったことがどういう関連があるのか理解できませんが、農林水産政策をしっかり前に進めるようにと総理から任命を受けておりますので、さまざまな地域農業、全国の農業を巡る課題にしっかりと向き合って、さまざまな政策を打っていきたい、その職もしっかり全うしていきたい」
「(Q.偏りのない予算を編成すると国民に誓いますか)今おっしゃった文言について、そういう質問をする趣旨が理解ができません」
「(Q.今後、予算編成の方針について伺ってます)しっかりと我が国の食料安全保障の確保等に向けて、この政策を前に進める。そのように考えています」
簗農水大臣の人物像は?
およそ2週間前に初入閣したばかりの簗農水大臣とは、どのような人物なのでしょうか。
当時33歳の簗氏は、自民党が民主党から政権を奪還した2012年の衆院選で初当選。いわゆる「安倍チルドレン」の一人で、旧安倍派に所属していました。
その後も当選回数を重ね、文部科学副大臣や国土交通大臣政務官を歴任してきましたが…。
簗氏
「使途不明、不正な目的等を意味すると推察されるいわゆる裏金といわれるものはありません」(2024年)
自民党派閥のいわゆる裏金事件を巡っては1746万円の不記載があり、党から役職停止6カ月の処分を受けていました。
今年の衆院選では…。
高市早苗総理大臣
「とにかく私の大事な簗ちゃん、私の知恵袋の簗ちゃん。いなかったら大変、本当に大変です」(2月)
高市総理も応援に入りましたが小選挙区で敗北。比例復活しました。実は簗氏、この選挙戦でも、予算に関する発言が。
簗氏
「遠慮なしに予算を削れる」(2月公開)
そもそも、簗氏に道路の予算を削る権限があるのでしょうか。
過去にも予算に関する発言
簗農水大臣
「行政において、その地域からのさまざまなニーズ等に応じて、的確に適切に予算を執行していくと。これ行政においての基本というか、当然の姿であると思っています」
週刊誌で、過去に問題発言があったと報じられた簗農水大臣。2月の衆院選でも、予算に関する発言をしていました。
簗氏
「政権与党の議席がなくなった地域への予算はごっそり削られます。だってそうですよね、民意が“もう与党の議員いらない”って言っているんですから。与党の議員がいらないんですから。役所も官僚も何にも遠慮いらないんです。遠慮なしに予算を削れる」(2月公開)
今回“道路予算が減らされた”と報じられたのは、栃木3区の那須烏山市と那珂川町です。
それぞれの自治体に番組が確認したところ、前年度に比べ今年度は那須烏山市がおよそ63%、那珂川町がおよそ54%、道路予算が減っています。
その一つ、那須烏山市の川俣純子市長(65)は、先の衆院選で簗氏とは別の候補を支持していました。
道路予算が削減
那須烏山市 川俣純子市長
「簗大臣がそういうことを言ったのか真実が分からないので、ただ発言だけだとしても、我が市の市民や那珂川町の町民の生活には影響がある。道路の予算が減らしていますので(報道が事実なら)そういうことを、わざと口に出すこと自体が理解できない」
道路事業を管轄する国土交通省は…
発言はあったのか、野党も問題視しています。
国民民主党 榛葉賀津也幹事長
「事実だとすると、これは大問題だね。これが本当だったら違う意味で“やな大臣”だね。事実関係をまずご自身が説明するべき」
一方で、簗大臣はおよそ2週間前に初入閣したばかり。発言があったとされる5月時点で、一国会議員だった簗氏に道路の予算を削る権限があるのでしょうか。
国の道路事業を管轄する国土交通省は…。
井林辰憲国土交通大臣
「社会資本整備総合交付金(道路予算)の配分につきましては、限られた予算の中で、地方公共団体の要望や事業の進捗(しんちょく)状況、重点配分の対象の有無などを総合的に勘案して行っている。報道されているような、ご指摘の発言のような形で、道路予算が削減された事実はないと報告を受けております」
予算を削減する権限がなかったとしても、専門家は報道が事実なら発言自体が問題だと指摘します。
元東京地検特捜部 若狭勝弁護士
「市町村関係者、あるいは有権者に対しての“だまし”か“おどし”になると思うので(事実なら)問題発言だと思う」
「関与できないにもかかわらず、このようなことを言うのは、自分の影響で削減をさせることにしたんだということがウソ(だまし)になる」
「仮に、削減することが事実上できていたとすれば(発言を)聞いたほうは簗氏のいう通りにしないと『予算が削減される』と恐れおののく形になるので、その時には一つの脅迫(おどし)になると思います」
政府は「事実関係を調査中」としています。
(2026年10月2日放送分より)
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