
台風25号の大雨で冠水した千葉県酒々井町の住宅街では、10日以上が経っても水が引かない状態が続いています。原因の1つとみられているのが、過去に民間業者が放置した『盛り土』の崩落です。規制する法律がありながら、なぜ行政は防ぐことができなかったのでしょうか。
排水進まず…12日間続く冠水

人口約2万人の千葉県酒々井町。その一部地域は12日間も冠水したまま。上空から撮影すると激しく崩れた場所が。冠水の原因とされるのが盛り土。一般的に住宅の建設などを目的として積み上げられたり、外部から運ばれ積み上げられた土のことです。
所村武蔵
「かなりの範囲が水に浸かったままです。奥にあるカーブミラーも半分以上、水に浸かっています」
この地に40年住む、鎌田英助さん。

鎌田英助さん
「くぼ地だったが、崩落した土が覆いかぶさり、堰(せき)を造った状態となり、池の状態になっている」

本来、住宅地にたまった雨水は、排水路を通り、その先の高崎川に流れる仕組みになっています。ところが、台風25号で盛り土が崩落。排水路が塞がってしまったといいます。その結果、住宅街に水が溢れだしました。
過去にも崩落 町が指導するも…
長年、放置されてきた盛り土の存在。
鎌田英助さん
(Q.(盛り土は)いつごろから?)
「平成10(1998)年くらいから始まっています。搬入する範囲が広がってきたということ」

実は2016年以降、4~5回崩落していたといいます。町は、土を運んで積んだ事業者に複数回、復旧するよう指導しましたが「資金面で対応できない」と言われたということです。
今年2月、町は一部の盛り土を撤去する行政代執行に着手。今回、崩落した箇所も予定していました。

鎌田英助さん
「今回の被害で床上浸水が9件くらい。避難所生活を強いられている人がいる」
現在も避難する人は約20人。一方で、自宅の2階で暮らす人も。

自宅が床下浸水 保科勇太さん
「一日一日が、この水位を見て始まって水位を見て終わる生活なので、ちょっと疲れは出てきた」
1階にある浴室は、周辺が冠水しているため、排水することができません。消防のポンプ車による排水作業が続いていますが、連日、降りしきる雨で水位はなかなか下がらないといいます。

所村武蔵
「台風から12日目、いまだに残っている水の排水作業を消防が続けています。まだ、ボートが浮くほどの水位が残っています」
まだまだ全国に点在する盛り土の問題。専門家は、もともと建設現場などで土を排出した業者の責任を指摘します。

盛り土問題に詳しい 桜美林大学 藤倉まなみ教授
「法律・条例に違反して土を積んでいるなら、その土を積んでいる業者が最大の責任。(ただ)現在の法律では、土を出した業者(元請け)に強く責任を求められる仕組みになっていない。頼んだ方にも責任があるようにしないと、いつまでたっても安いところばかり選ばれて、問題がなくならないのではないか」
