【報ステ】アート&教育でスラムを変える“電子ごみの墓場”で挑戦するアーティスト

【報ステ】アート&教育でスラムを変える“電子ごみの墓場”で挑戦するアーティスト
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電化製品などの廃棄物『電子ごみ』は、地球上で年間6200万トン、一般的な冷蔵庫で換算すると約9億台分が廃棄され、年々増加しているといいます。そんな中、世界最大と言われる電子ごみの集積地があるのが、西アフリカのガーナ共和国です。そこでは、リサイクルという名のもとに命を削るように働く人々がいました。

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スラム広がる“世界最大”の集積地

ガーナ アグボグブロシー
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蛭間鉄平
「私は今、ガーナのアグボグブロシーという場所にいます。ここは世界最大の電子ゴミの墓場と言われていて、あたり一面が電子ゴミで埋め尽くされています」

首都近郊にあるスラム街。一面に広がるのは、スマートフォンにエアコンなど、電子機器の廃棄物『電子ごみ』。そのほとんどが先進国からやってきたものです。

スラム街の住民の多くは、集まった電子ゴミの処理で生計を立てています。持ち込まれた電子ゴミを分解して“再利用できるもの”を取り出します。

アグボグブロシーの男性
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アグボグブロシーの男性
「これは状態がいい。スクリーンを取り出して、別のテレビにつけるのさ」

野焼き現場
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再利用するのは、まだ動く電子部品。また、家電製品の金属部品は、取り出せば買い取ってもらえます。一方、ケーブルで覆われた銅線などは、野焼き現場に運ばれます。ケーブルを炎で溶かすことで、銅線を取り出してから売りさばきます。燃やす際に出る煙は、吸い込めば人体に有害。それを浴びながら、彼らは働き続けます。

イブラヒムさん(30)
「寝る時は常に体が熱い。朝8時から夜6時まで、いつもいつも炎のそばにいるから」

アブドラさん(32)
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アブドラさん(32)
「きつい仕事だ。でも他に仕事はない」
(Q.多くの人は30歳ほどで健康を害しているが)
「私もそうだ。常に神に祈っている」

命を削るように働いて、1日に得られる賃金は1000円ほど。それでも町場で働くよりも高い賃金だといいます。

アートでスラムを変える挑戦

このスラムの住民を約10年前から支援している日本人が、長坂真護さん。ガーナと日本を行き来しているアーティストです。約10年前に、このスラム街の存在を知り、ガーナを訪れた長坂さん。

アーティスト 長坂真護さん
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アーティスト 長坂真護さん
「なんかこの現実を見て、本当に僕らが慣れ親しんだ、たくさんの電子ごみが、ここに信じられないように無象にあって。この真実を知って、知らぬ顔してやれないなと思いました」

真実の湖
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以来、日本からこの惨状を伝える作品を作り続けています。『真実の湖』と名付けられた作品。今は電子ゴミが堆積する場所は、かつて豊かな湿地帯でした。その真実を知らず、スラムに育った女の子が、ごみのフレームの中央に描かれています。ガーナを描く長坂さんの作品の多くは現地の電子ゴミを使用していて、中には数千万円以上の値段がつくものもあります。

働く若者達にマスクを提供
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その売上金から、長坂さんは野焼きで働く若者達にマスクを提供。それだけでなく…。

アーティスト 長坂真護さん
「彼らがサステナブルに、健全に働ける仕事を提供しないと、本質的な問題解決にならない。それで始めたのがリサイクル工場でした」

EV(電気自動車)
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工場では、電子機器から出たプラスチックゴミを機械で砕いて、それをタイルや家具に加工して販売。さらにEV(電気自動車)をガーナ国内で組み立てる事業も行っています。

EV工場 従業員 ジョナスさん(22)
「この仕事の一番好きなところは、先輩から私が技術を学んで、将来ここにくる後輩に教えることができること」

現在、102人のスラム街出身者が、長坂さんの事業のもとで働いています。しかし、地味な作業にやりがいを見出せない人や、日々手にする目先の収入を求めて、結局は野焼きへと戻ってしまう人もいます。

生活を根本から変える“新プロジェクト”

「この現状をかえたい」電子ごみのスラムを根本から変えるため、長坂さんが新たに始めたプロジェクトは“教育”です。

アーティスト 長坂真護さん
「この土地に『オアシススクール』という学校を提供しようと思っています」

幼い子ども向けの寺子屋
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長坂さんはすでに、この地域に幼い子ども向けの寺子屋を設立しています。しかし、今回取り組むのは“若者の生活を根本から変える職業訓練校”です。

アーティスト 長坂真護さん
「完全無料で教育を提供し、専門性を学べ、この土地の大きな問題というのが学校へ行くお金がない。学校をタダにしたらいいのかというと、そうじゃなくて。学校をタダにしてもご飯を食べるお金がない。それを解決するってことで、勉強しながら2コマ出席できたら、それがフードチケットになって、ご飯が食べられる」

しかし、長坂さん個人の力には限界があります。この日、彼が訪れたのは政府の機関でした。

アーティスト 長坂真護さん
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アーティスト 長坂真護さん
「私は2017年にガーナに来ました。そしてスラム街の惨状を知った。私たちの目標は1万人以上をスラム街から雇用することです。そのために、あなた方の支援と協力を必要としています」

彼の行動で、国も動き出そうとしています。スラム街の惨状を伝える作品を作り続けたことで、アーティストとしての自分を成長させることができた。スラム街に恩返しのできる日が近付いています。

アーティスト 長坂真護さん
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アーティスト 長坂真護さん
「いよいよ前人未到のスラム全員雇用の頂上が見え始めた。色々な人がいるのは仕方がない。ただ、経済格差がそこに起こってはならないと思う。その差を少しでもなくすためのチャレンジ、方法を、この街に返していきたいなと思っている。あともう少しだと思う」

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