
簗農林水産大臣が5日、就任前、特定の自治体の道路予算をカットしたと発言したことを認め、謝罪しました。高市内閣は、不安材料を抱えたまま、5日からの臨時国会に臨みました。
【画像】簗大臣「コメント控える」から一転…“圧力疑惑”を謝罪 臨時国会召集“経済”最優先
音声認め撤回 辞任は否定
会見を行った簗大臣。このような謝罪から始まりました。

簗和生農水大臣
「国会の開会にあたり、“改めて”おわびをいたします。“改めまして”、この度の私の発言を撤回し、皆さまに深くおわびをいたします」
繰り返したのは「改めて」という言葉。しかし、おわびをするのも、発言を撤回するのも、この会見が初めてです。

簗和生農水大臣
「(Q.『改めての謝罪』と言ったが、今回が初めての謝罪だと思う。このタイミングでの謝罪の理由は)前回、会見をして、皆さまから『もう少し説明をせよ』という話と、『おわびをしっかりしろ』というご意見をいただきました。私の方でも、会見の内容が不十分だと考えていたので、しっかりといま『おわび』という言葉で、明確に申し上げた次第」
簗大臣をめぐっては、先週、次のような音声が報じられていました。

簗氏の発言とされる音声
「那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については、大幅にカットしました。これは当たり前なんですね。首長が『自民党の国会議員はいらない』という行動を取ったわけですから。自民の議員に頼って、インフラ予算が必要だというところに、多く回すのが当たり前の話ですから、それをやりました」

簗和生農水大臣(2日)
「(Q.選挙に協力しなかったら予算をカットするという政治化の利益誘導と取れるような行動をやっていいことだと考えているのか)農林水産政策の所管外の話については、回答は控えたいと思います。(Q.選挙で支援しなかった自治体の予算を恣意的に削減したのが事実であれば、省庁のトップとして、一議員の発言でも資質を問われると思うが)繰り返しになりますが、一議員としての活動に関わる事柄については、コメントを控えたいと思います。(Q.今のお経のような回答をずっと続けるつもりか)回答は同じであります」
この翌日、3日に熊本地震の被災地を訪問した簗大臣には、予算措置を求める声が相次ぎました。

簗和生農水大臣(3日)
「(Q.被災者の方々から『予算をつけて』との声があった。予算の発言が問題となるなか、大臣はどのように捉えた)きょうは、熊本の被災された皆さまからお話を聞くということで、お話をうかがってきた。そういった心情面に配慮して、私の個人としての政治活動に関わる部分について、きょうは発言を控えたいと思います」
高市総理に謝罪 維新も批判

そして、5日、総理官邸では、所信表明演説の内容を決めるための臨時閣議が開かれ、簗大臣も出席しました。部屋を後にする際には、当選同期の笹川環境大臣が駆け寄り、そっと背中を押す様子もみられました。
臨時閣議は、午前9時7分に終了していますが、簗大臣が官邸のエントランスに姿を見せたのは、12分後の9時19分です。この時間、簗大臣は高市総理と面会し、一連の事態について謝罪をしていました。
午後には、連立を組む日本維新の会から、謝罪を求める声が公然と上がります。

日本維新の会 藤田共同代表
「かなり調子に乗った発言だったんだろうと。そこについては、真摯に謝罪をされたらよろしいかと思います」
「コメント控える」から一転
こうして外堀を埋められ、本会議終了後に謝罪会見を開いた簗大臣。大きく、2つのことを述べました。
1つは、道路予算の削減には関与していないということ。もう1つは、関与していないにもかかわらず、自分の力によって削減されたかのような発言をしたということです。

簗和生農水大臣
「私が担当省庁に予算削減の働きかけをしたという事実はございません。私の意向によって、予算が左右できるかのような発言をしたことは、極めて不適切であり、公の立場にあるものとして、発言には、より一層、慎重であるべきところ、このような発言をしたことは、不徳のいたすところであり、深く反省をしております」

簗大臣は、今後も農水大臣の職を続ける考えです。高市総理からは「農林水産行政の推進に向けて、職責を全うするように」という言葉を掛けられたといいます。
臨時国会召集『経済』最優先
出だしから火種を抱えて臨時国会を迎えることとなった高市総理。所信表明演説で最優先課題に挙げたのは『経済』でした。

高市総理
「私が貫く志は『経世済民』です。『世を経め、民を済う』。高市内閣の最優先課題は『経済』の力で、国民の暮らしを守り、『希望ある未来』を切り拓くことです。『誰もが明日への希望を持てる日本』を創り上げてまいります。成長なくして、賃上げは続きません。成長なくして、税収も上がりません。成長なくして、社会保障の充実もありません。いまこそ『責任ある積極財政元年』の幕開けです」

今国会最大の論点と目されるのは、来年4月から2年間の食料品消費税の減税に向けた法案です。
与党は、衆議院では4分の3の議席を持ちますが、参議院では野党が多数を占めていて、可決するには、野党の理解が求められます。

高市総理
「そもそも、消費税減税は、野党のこれまでの主張にも多くみられた。財源確保に関しては、市場の信認を得られるよう、特例公債(赤字国債)に頼らずに確保する。ご心配には及びません。共に前に進んでいこうではありませんか」
野党に協力を呼びかけた高市総理。減税で失われる財源をどう確保するか、今後の論戦で具体策が問われることになります。
国民 玉木代表「全省調査を」
簗大臣の問題をめぐっては、予算の配分が適切に行われたかどうか、政府全体の調査を求める声も出ています。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「簗大臣の選挙区だけではなくて、他の地域でも同じようなことがないのか。あるいは国土交通省だけでなくて、農林水産省や厚生労働省など、他の役所でもないのか。行政がゆがめられたのではないかという疑念ですから、全省調査をやるべき」
