
フランスのパリで「トイレットペーパーがない」「椅子が足りない」など、教育環境の不満を訴える高校生たちのデモが激化しています。5000人以上が逮捕・拘束される事態となっています。フランスで子どもを高校に通わせる日本人の間にも不安が広がっています。
劣悪環境 高校生ら不満訴え
警官隊が催涙弾を放ち、逃げ惑うデモ隊。
パリ近郊のパンタンでは、若者が警官隊に花火を投げ込み、路上では、ごみ箱や椅子が燃やされ、黒煙が上がっていました。
フランス各地で、教育環境の改善を求めるデモが拡大。フランス南部のトゥールーズや、フランス北部のリールでも道路上でモノが燃やされ、抗議活動が激化しています。
デモのプラカード
「警官を減らして公立学校への予算を増やせ」
「警官がいなければ平和的な抗議」
プラカードを掲げ、学校の入り口の前で抗議の声を上げているのは高校生たちです。
一体、何に対して怒っているのでしょうか。
高校生
「1クラス32人いるのに、椅子が25脚しかありません。立ちっぱなしで座れない生徒もいて…」
高校3年生
「学校には窓がなく、仮設トイレでは水も出ません。トイレに紙すらなく、指導員にもらいに行く必要があります。校舎は老朽化していて、冬になるとプレハブ校舎内はマイナス5℃まで冷え込み、夏は40℃にも達します。こんな環境では勉強できません」
パリ郊外の高校では、椅子も、窓も、トイレットペーパーもない現状。その他にも、教員不足など教育環境への不満を訴えました。
6100人を逮捕
パリ市内では、大勢の高校生などの若者がシュプレヒコールを上げながらデモ行進。
大学生(19)
「どこにお金を使うか、政治的な選択なのよ」
大学生(19)
「私たちと未来を最優先にしてほしい」
一部の若者が警官隊に花火を投げ込み、追いかけられる場面も。
男が警察に連行されていきます。警察官に石を投げた模様です。
これまでに逮捕された人の数は6100人。5日時点で589校が休校やオンライン授業への切り替えを余儀なくされています。
在仏日本人が語る現状
小中高にそれぞれ娘を通わせるパリ在住の女性は…。
パリ在住 3人の娘を持つ母親
「彼女(高校生の娘)の通ってる学校は公立学校なんですけれども、例に漏れず生徒のみんなが(デモ)活動してて」
高校生の娘には、学校から、学校閉鎖と“危険なので近づかないで”という連絡が送られてきたといいます。
さらに、幼い娘を抱えるからこその不安も…。
「(小学生の)娘を迎えに行って、帰ってくる途中でデモ隊が行進してて、警察とぶつかってたりする。煙が所々で上がってたりする。そこまで危険な状況ではないにしろ、もし何かあったらすぐ(娘を)守れるような体勢と気持ち」
破壊行為する若者 正体は
デモの原因となった、学校の環境悪化はフランスの財政状況が大きく関わっていると専門家は指摘します。
慶応義塾大学 大嶋えり子准教授
「元々フランスはあまり財政状況が良くないので、教育予算も全体的には減っている傾向だったということもあり、正規雇用の教員のコストも削減されています」
来年、1500人以上の教員を削減する案が議会に提出され、学生や教師を中心に今回のデモは起こりました。
教師(32)
「私たちは彼ら(高校生)を全面的に支持しています。この暴力は緊縮財政措置という背景があると捉える必要があります」
大学生(18)
「教師の給与引き上げと教育施設の改修を求めます。天井が崩れ落ちる心配がなく、授業を受けられるように」
デモが過激化する一方で、ほとんどの高校生は暴力には反対しているといいますが…。
大嶋准教授
「ブラックブロック(無政府主義集団)って、顔を隠して破壊活動やってるような人たちは出てきていたので、インターネットを通じて破壊行為をしていこうみたいな、その呼びかけに比較的ゆるく参加していく」
そんななか、パリでは思わぬ事態も…。
パリ市内のある高校では、授業が始まる前に突然若者の集団が現れて、校舎に物を投げつけ放火しました。この高校の生徒ではなかったということです。
校舎の入り口の前には、焼け焦げたごみ箱や椅子、自転車などが散乱。窓ガラスも割られた状態に…。
5日、パリ市内の高校に15人ほどの若者の集団が押し寄せ、破壊行為を繰り返しました。
当時、校内にいた生徒およそ100人と教職員30人にけがはありませんでしたが、安全確保のため急きょ休校となりました。
(2026年10月7日放送分より)
この記事の画像一覧
