
21日に就任から1年となる高市早苗総理大臣。節目を前に、内閣支持率は過去最低となっている。そんな中、総理「悲願」の消費税減税関連法案が20日に審議入りするが、野党からは新たな給付案も出ている。さらに、総理の出席などを巡る「国会改革」の議論が加速しているが、野党側は警戒を強めているという。
支持率が過去最低に
まずは最新の世論調査から見ていく。
ANNが17日、18日に実施した世論調査で、内閣支持率は先月から11.2ポイント下落し、47.1%となり、政権発足以来、最低となった。
また、簗和生前農林水産大臣を巡る問題については、「辞任は必要だったと思うか」という質問に対し、「必要だった」が76%、「必要なかった」が12%だった。
「簗氏を巡る高市総理の一連の対応が適切だったと思うか」という質問に、「適切だった」が43%、「適切でなかった」が38%だった。
そして、消費税減税法案について「賛成か反対か」という質問に、「賛成」が57%、「反対」が33%だった。
「財源が明記されず審議が進むことを問題だと思うか」という質問に、「問題だ」が68%、「問題ない」が23%だった。
消費減税法案 財源は?
では、消費税減税法案の中身を見ていく。政府は年内の成立を目指している。
来年4月から2年間限定で、食料品の消費税率を現行の8%から1%に引き下げるというもので、減税によって2年間で合わせて10兆円程度の税収が減ることが見込まれている。
財源について高市総理は、5日の所信表明演説で「特例公債(赤字国債)に頼らず確保する。心配には及ばない」としている。
政府は財源について「基金の見直し」などで賄うことを検討しているという。
また、減税による負の影響が大きい分野への支援も検討しているという。
例えば、中小の農林漁業者には年間売上高の5%程度に相当する給付金。他にも外食産業には、割引などができる「プレミアム商品券」やポイント還元などもできる「GoToEat」など。そして、地方自治体に対しては特例の「交付金」という形で、減収分を国が補填(ほてん)する制度の活用などが案として挙がっているという。
これらを実施すれば必要となる財源はさらに増える見込みとなっている。
減税とセットの新給付
消費減税の関連法案の中には新たな給付金も盛り込まれているという。
それが「就業者負担軽減支援金」だ。中低所得の現役就業者を対象に、所得に応じて給付し、給付対象者の消費税負担を実質ゼロにするという制度になる。
では、その対象者と金額はどうなっていくのか。政府内で浮上している一つの案は、「給付総額」は消費税率が1%に引き下げられる2年間については年間6000億円程度で、この額は食料品消費税率1%分に相当する。
「給付対象」は、現役で働いている人の約3割にあたる2000万人程度で、「対象となる所得水準」については、所得分布を基に政府が試算したところ年収100万円から350万円の人が当てはまるという。
1人あたりの年間「給付額」は所得に応じて変動するが、単純計算すると、平均で約3万円になる見通しだという。
また、政府は消費税率を8%に戻す2029年度以降、この支援金の規模を拡大する考えだという。
野党は「給付案」で連携も?
野党からは給付を中心とした対案が出ている。政府の消費減税法案では賛成できないとしている。
国民民主党は政府案について反対ありきではないが、現状では認められないとしている。対案として「給付付き現役世代減税法案」を国会に提出するという。
これは現行117万円の「住民税がかかる最低の基準年収額」を2028年度以降、恒久的に178万円に引き上げるなどして、1人あたり5万円程度の負担を軽減し、それまでのつなぎとして低所得の勤労世帯に5万円程度の給付措置を行うという。
財源について玉木代表は「税収の上振れが毎年発生」していて、「国民に返すべき」だと税収の上振れ分などを活用するとしている。
そして、公明党は政府案について修正次第で賛成もあるが、現状のままでは賛成できないとしている。「減税より早く確実に家計に届く物価高対策」として、2年間で全国民に1人あたり8万円を給付するという案を示している。
この8万円という額は、政府が2年間の消費減税で減収すると見込む約10兆円を、国民1人あたりに換算したもので、財源としては「基金見直し」や「税外収入」を想定しているという。
給付で一致している野党の間では連携する動きも出てきている。
国会改革に野党側は懸念
高市総理の委員会への出席などを巡って「国会改革」の議論が加速しているが、野党側は警戒を強めているという。
7月26日の時事通信によると、7月に閉会した特別国会で、高市総理が予算委員会の集中審議に出席した時間は約35時間。
過去5年間の総理と比較してみると、それぞれ集中審議の日数などが異なるため単純には比較できないが、高市総理は比較的短いことが分かる。
野党からは「国会軽視ではないか」という声も上がっていた。
そんな中、高市総理から国会改革を目指す姿勢などを評価されて、自民党の国対委員長に抜擢された村井英樹氏は、これまでも「審議の効率化を進める」などと発言してきたが、先月23日にSNSで「予算委員会を含む各委員会への総理出席は原則不要」とする民間シンクタンクの提言を紹介した。
野党側はこうした動きに懸念を示していて、立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長は「国会改革という名のもとで国会軽視がさらに進んでいくのでは」と懸念を示している。
党首討論の形骸化
過去にも総理の国会出席時間が問題になり、その時に生まれたのが「党首討論」だという。
1999年、小渕政権下で「国会審議活性化法」と呼ばれる法律が成立した。当時、総理大臣の国会への長期的な拘束が問題になっていて、予算委員会などで総理が出席する範囲を減らす代わりに、党首討論が導入された。
ただ、党首討論は「原則、会期中の毎週水曜日に開催する」とされていて、導入当初の2000年は8回開催されたが、徐々に形骸化し、過去10年で見ると年に1回から2回の開催の年もある中で、全く開催されなかった年もあるという状況になっている。
(2026年10月19日放送分より)
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