
今年は関東、そして西日本を中心にクマの目撃情報が相次いでいます。冬眠を控えたクマが活動を活発化させ、被害も増える中、東京都は『緊急銃猟』の訓練を初めて行いました。
都内で初…クマの『緊急銃猟』訓練
東京・奥多摩駅の周辺には、ハイキングを終えた登山客の姿がありました。
50代
(Q.西東京でもクマが出始めているが)
「看板見ました。すれ違った人が鈴を持っていたりして」

60代
「鈴。必須というか常識じゃない。今、川で釣りしていた人いたけど、午後4時半過ぎたらちょっとやばい」
行楽のハイシーズン、関東ではクマの目撃情報が相次いでいます。

池乘輝紀
「秦野市内の登山道ですが、クマの目撃情報が多数寄せられているため、閉鎖されています」
東京・八王子市では今月に入り、クマの目撃が相次いでいて、17日も『東京マラソンの森』近くのセンサーカメラにクマが写っていたといいます。

八王子市は先月、体長70センチほどのクマを箱ワナで捕獲。都内で初めて『緊急銃猟』を実施しました。
さらに19日、奥多摩町では市街地にクマが出没した際の対応訓練が行われました。地元の猟友会と自治体、そして東京都と警視庁も参加しました。いつ出て来るか分からないクマにどう備えるか。都は関係各所とのスムーズな連携を図る狙いです。

役場担当者
「ただいま、町長と電話確認で緊急銃猟の指示が出ましたので」

猟師
「発砲!」
去年で見ると、10月は最もクマによる人身被害が多い月。冬眠前に備えて“ハイパーフェイジア”と呼ばれる過食期で、食欲だけでなく獰猛さもピークとなる時期です。ただ、街中での緊急銃猟には限界もあります。17日夕方、山梨県大月市で対応にあたっていた猟友会は…。

地元猟友会
「これ(花火)の効果もはっきりしないが、当面これしかやることがない。緊急銃猟は(クマが)住宅に入っても条件がある。だから(猟銃での駆除は)法的には難しい」
愛知県では去年比5.5倍以上

鋭い爪で威嚇するクマ。映像が撮影された場所は山口県岩国市です。さらに、近付く車に動じないクマが撮影されたのは、岐阜県飛騨市。今年は中部や西日本でもクマの目撃情報が相次いでいます。中でも愛知県のクマの出没情報は4月~10月11日時点までで67件と、去年の同じ時期と比べて5.5倍以上まで増加しています。
養蜂箱のハチミツを狙う大きなクマ。今月11日に愛知県新城市で捉えられた映像です。執拗(しつよう)に蜜のにおいを嗅ぎまわります。

愛知県豊田市でも11日、自宅の玄関前で大きなクマと遭遇した、会社員の男性(59)が右目の眼球が破裂するなどの大けがをしました。被害に遭った男性の母親が当時の状況を明かしてくれました。
被害男性の母親(80代)
「ぎゃーって声がしたわけ。外に出ようかなと思ったら(息子が)飛び込んできた、玄関へ。119番へ電話をして救急車だけ頼んだけど、クマにやられていたので血だらけだった」

ただ、愛知県のホームページを見ると、クマのエサとなる木の実は押しなべて「並」。つまり山にエサがある状況だとされています。ではなぜ人里に降りてくるのか。岐阜大学で野生動物の研究を進める淺野准教授は。

岐阜大学 岐阜県野生動物研究センター長 淺野玄准教授
「県全体では『並』ぐらいですが、地域によって、あるいは木によって(実りが)決していい状況ではないというのが地域によって差がある」
山にエサがなければ、次に取る行動は人里への出没です。
岐阜大学 岐阜県野生動物研究センター長 淺野玄准教授
「少し危険をおかして里の方に近付いて、簡単にたくさん“おいしいエサ”が手に入る成功体験をすると、“ここは格好のエサ場”と認識しやすい」
