
フランスで、学生たちから始まったデモが全土へ拡大し、これまでに2000人以上が逮捕される事態となっています。教育環境の改善を求めるだけでなく、物価高への不満なども重なり、デモはヨーロッパ各国へと波及し始めています。
【画像】「政府への不満」で拡大…フランス“大規模デモ”一部が暴徒化 欧州各国へ拡大
衝突激化 略奪も横行

パリにあるマリアンヌ像には黄色いベストが着せられました。マリアンヌ像は自由・平等・友愛を象徴し、黄色いベストは持たざる者たちの抗議と抵抗の意思を示します。週末、多くの人たちが路上で声を上げました。
辻村周次郎
「パリ市内の大規模デモ行進の現場です。お金はどこに行ったと、政府に疑問を投げかける声が上がっています」
その一方で。
治安部隊は催涙弾を乱発し、実力行使による鎮圧が行われました。

デモ参加者
「私は何もしていません。5人の警官に襲われたんです。私は何もしていません」

衝突が激しくなればなるほど、一部は暴徒化していきます。全身黒ずくめの服装で顔を隠し、デモに乗じて破壊活動を行う『black bloc』の姿もありました。警察の手が及ばない所で、彼らを含む暴徒が行ったのは、駐車されていた車だけでなく、緊急車両までも燃やし、襲撃は富の象徴であるハイブランドの店に留まりません。一般的な商店や飲食店、スーパーマーケットなども略奪の対象としました。
55万人参加 歴史ある市庁舎も…

破壊行為はさらにエスカレートし、歯止めがかかりません。140年以上の歴史があるリモージュ市の庁舎。歴史的建造物でしたが、その時計塔は暴徒による放火で無残な最期を迎えました。
リモージュ市民
「全てに大きな衝撃を受けています。この国は何もかもが上手くいっていない。それに気付く警鐘になるはずです」

毎週のように起きているフランスのデモ。元々は先月、教育環境の改善を訴える高校生たちの抗議活動が始まりでした。それが今や全国規模に。燃料価格の高騰や生活苦への不満を背景に、一般市民や労働者を巻きこんでいった形です。17日のデモに参加したのは、政府発表によるとフランス全土で55万人に及びます。

デモ参加者
「予算の配分が間違っています。若者の声は届かず、人々は貧困にあえぎ、超富裕層だけが豊かになっている。間違っています」
「もはや不満を聞くのではなく、暴力を目の前に突きつけられている。でも根底にあるのは『もううんざり』という正当なメッセージなんです」
沈静化対策打てず…混乱収まらず
支持率が低迷しているマクロン大統領は今のところ、デモを鎮静化させる対策を打てていません。

マクロン大統領
「デモの参加者は物価と燃料の高騰を訴えました。その原因であるペルシャ湾の紛争に関与せずとも影響を受けています」
半年後には大統領選が行われるフランス。極右政党はここぞとばかりに。

極右政党『国民連合』ルペン前党首
「今回の暴力は決して突然生まれたものではない。何十年にもわたる移民流入によって、影響はあらゆる分野に及んでいます」
物価高などを背景にしたフランスの反政府デモは、ヨーロッパ各地に波及し始めました。イタリアやアルバニアなどに加え、今週末はさらに国が増えそうです。
大規模デモ翌日のフランス。

市民
「デモのたびに、この有り様では。店のガラスが割られ、荒らされて。こんなデモが続いていいはずがない」
混沌の先には何があるのでしょうか。

市民
「未来に希望を持つ人たちと、希望を捨てた人たちとの分断です。2つの若者層の分断が心配なんです」
