台風30号接近も「願うことしか…」2ヶ月断水続く10階建てマンションの現実

台風30号接近も「願うことしか…」2ヶ月断水続く10階建てマンションの現実

大型の台風30号は、この後東へ進む見込みで、あす~あさってにかけ九州に上陸する恐れがあります。台風の動きに伴い、本州付近に停滞する秋雨前線が活発化。週明けにかけて関東などでも警報級の大雨に注意が必要です。(10月24日OA「サタデーステーション」)

台風30号で秋雨前線活発化

報告・黒島剛 (沖縄・石垣市)
「街全体が停電して、真っ暗な状況です」 

大型の台風30号が接近した沖縄県石垣市。各所に大きな爪痕が残っていました。道路の真ん中には、大きなコンテナ。大木は根本付近で折れています。鉄骨が飛んできたのでしょうか、窓が突き破られる被害も。強い風が吹いたことを物語っています。24日、9時過ぎには、最大瞬間風速35メートルを記録。竹富町では、24時間で観測史上最大の402ミリの雨が降りました。 三重県の紀北町では、10月史上最大の猛烈な雨に。13年ぶりの台風30号。ある地域では、特に警戒を強めています。

広い範囲で大雨警戒 備えは 

2か月前、記録的大雨に襲われた石川県では…。 

報告・若林奈織ディレクター(石川・羽咋市)
「この地域は浸水被害があった場所なんですけれども2カ月ほど経った今でも雨が降る中復旧作業が行われています」 

泥出し作業など、いまだ20件ほど残っているそうです。当時、1000年に一度を超える非常に稀な大雨が降ったと言う、羽咋市。その要因となったのが、秋雨前線でした。今回も台風と前線が一体化して温帯低気圧に変わりながら大雨をもたらす危険性があります。自宅前の道路が冠水し、浸水被害を受けたこちらのお宅。藤岡さんは24日、2カ月前の教訓から1階の家具を2階に運んでいました。 

藤岡重則さん(石川・羽咋市)
「前回もみるみるうちに水位が上がってきたんで、二度と繰り返さないように少しでも準備しておこうかなと思います」

雨の中…11年ぶり東京湾に花火

雨が降りしきる中、午後5時半から始まった東京湾大華火祭。11年ぶりの開催となりましたが、直前まで文字通り「雲行きが怪しい」状況でした。

報告・朝倉有香ディレクター(東京・港区)
「雨脚が強くなってきて、観覧客の皆さんは急いで雨具の準備をされています」

日中も17℃ほどまでしか上がらず肌寒い1日に…。花火大会の会場に駆け付けた人たちはレインコートを着て、身を寄せ合いながら打ち上げを待っていました。ちょうどその頃…

屋形船「晴海屋」安藤慎一さん
「降ってますね、予報通りですね」

屋形船の船頭・安藤さんは、不安そうな表情を浮かべていました。

屋形船「晴海屋」安藤慎一さん
「この船の真上に打ちあがる花火を最高の特等席でご覧いただけると思うので…、乾杯!」

この屋形船は、お寿司やカニなどの豪華料理に、アルコール飲み放題で料金は1人あたり15万4000円。14人が参加しました。

屋形船の利用客
「素敵な思い出になったらいいなと思います」
「雨、天候なんでこればっかりはしょうがないですけどね」

屋形船が出航した後は、たとえ花火大会が中止になっても返金されません。参加者らが祈るような思いで見つめる空は、暗雲が垂れ込めていました。

花火上がるも観覧客「最初のほうは見えたけど…」

そして午後5時半…。

報告・朝倉有香ディレクター(東京・港区)
「いま雨が降る中、花火大会がスタートしました」

花火大会は無事に開催されたのですが、花火の一部が欠けたり、ボヤけてしまったりする場面も…

観覧客
「見えないね、さすがに。最初の方は見えたけど、いまは全く見えない。」

落胆の声が聞こえています。一方、海の上の屋形船からは…

屋形船の利用客
「ものによっては見えにくいものもあるんですけれど特等席でキレイに見えているので満足」

打ち上げが始まってから雨はずっと降り続けていました。それでも大人から子供まで、レインコートに身を包んだ多くの観覧客は食い入るように花火を見つめていました。そしてグランドフィナーレでは会場から拍手が巻き起こりました。

屋形船「晴海屋」安藤慎一さん
「ちょっと天気が心配でしたけど、どうにか無事ね、いい花火大会になったと思います」

2か月以上も断水続く10階建てマンション 住人の疲弊ピーク

台風30号の接近を前に、復旧が間に合っていない場所も多くあります。 

報告・中村恵ディレクター 
「こちらは、千葉豪雨の影響で2か月以上断水が続いているマンションです。給水袋がバケツリレーのように、マンションの上層階まで運ばれていきます」 

千葉豪雨で浸水被害を受けた、千葉県松戸市のマンション「サンクタス新松戸」。 地下にある共用部の電気設備や排水ポンプが浸水。エレベーターの停止と断水が2か月以上も続いているといます。

そのため、週に1度、 住人とボランティアが協力。24日は、10階建てマンションの36世帯に18リットルずつ、水を運びました。住人の男性は、階段を使って水を部屋まで運ぶことが日課になっていると言いますが、住んでいるのは8階でした。 

8階の住人 
「(Qもう2か月以上も )厳しいです。正直厳しいです」 

10階に住んでいる女性は… 

10階の住人 
「洗濯も手でやれば大変、運んだりするのも大変。ネットのお買い物が一切できなくなった。運んできてもらうのはちょっと気が引けるので全部我慢している」 

2か月以上も続く生活。いつまで続くのか見通しも立たず、心が折れかけているといいます。 

10階の住人
「大変大変っていうけどもっと大変な人がたくさんいるし、私が力になれることがあったらなりたい」 

このマンションで生活さえできていない住人もいます。 

1階の住人 西澤修二さん(60歳) 
「いきなりドーンと(水が)きて、(胸の高さまで)20秒くらいだった」 

1階部分は床上1.8メートルまで浸水。1階の住人は全員、戻れていない状況だといいます。管理組合員の1人でもある西澤さん。一番の悩みは、このマンションが水害に対応できる保険に加入していなかったことです。

1階の住人 西澤修二さん(60歳) 
「(保険に)加入していたら相当額が私たちの負担にはならずに済んだと思うんですけど。修繕積立金で全部賄わなければならない」 

復旧費用は、およそ2億5000万円。現在の修繕積立金は1億円程度にとどまるため、コストカットの方法を模索中だといいます。台風30号の接近については… 

1階の住人 西澤修二さん(60歳) 
「正直私たちの対策としては、願うことしかできない」 

千葉豪雨で地下1階が浸水した八千代市(やちよし)の病院は、完全復旧まであと半年かかる見込みです。被害額はおよそ3億円。そのうちの2億円ほどを占めたのが、たった1台の医療機器でした。

セントマーガレット病院 朝戸晴美 事務長 
「もう修理は難しいということで、新しい装置に入れ替えを決定しまして」 

8年ほど前、およそ1億2000万円をかけて地下1階に導入した、MRI(エムアールアイ)と呼ばれる機械が浸水で故障し、修理不能に…。磁気を使って体の断面を撮影することが可能で脳梗塞などの検査に使われるこの機械。病院は新規購入を決めましたが、2か月以上が経った今でも壁が湿っている地下1階は避け、1階に設置する予定です。しかし、床の補強工事などを含め、約2億円の費用がかかるといいます。一方で、台風30号の接近を前に新たにできた備えもありました。 

セントマーガレット病院 朝戸晴美 事務長 
「浸水被害があるかどうかをスマートフォンでチェックできるようにしています」 

病院は先月、新たにカメラを設置。スマートフォンで状況を把握できるようにしました。しかし、具体的な対策は土嚢を積むことしかできないのが現状です。

セントマーガレット病院 朝戸晴美 事務長
「雨・台風となると職員みんな敏感になりますし、対策をしつつも、不安は以前よりずっと大きく感じます」 

台風25号から1カ月 まだ復旧の見通しが立たない国道も

報告・富樫知之ディレクター 
「こちらの県道では、台風25号で土砂崩れが発生 1か月以上が経った現在も通行止めに」とか 

およそ1カ月前、 台風25号の被害を受けた地域でも未だに復旧が進んでいない場所が多くあります。当時は千葉県が管理する道路、133区間が通行止めになりましたが、現在も、国道2路線を含む44区間が通行止めのまま。今後、復旧までには数か月程度かかる見込みです。復旧の見通しが立っていない国道もあります。台風25号の影響で、千葉県富津市の国道に面している高さ約60メートルの斜面が崩壊。復旧作業にあたっているのは、ビルの解体工事などに使われる世界最大級の解体機です。搬入から組立まで約1週間かかりましたが、3日前に、斜面に残る土砂や損傷した落石防止ネットの撤去作業に着手できました。 

地下施設や暗渠 都市型水害に備えも

都内でも異例の台風に警戒を強めています。去年9月、記録的大雨に見舞われた自由が丘駅付近。こちらのゴルフスタジオは、その損害、数千万円。再起まで4か月かかったそうです。 

自由が丘ゴルフスタジオ 吉川高広代表(目黒区24日)
「ぐちゃぐちゃで全ての機材も壊れているし、全て水没で使い物にならない」 

あれから1年。都市型水害への備えが進んでいます。今年の4月にビルのオーナーが止水板を購入。 

自由が丘ゴルフスタジオ 吉川高広代表(目黒区24日)
「過去最大規模の雨量とか毎年更新してる。だから前回をどれくらい更新するかとか想像つかない」 

同じく去年9月に冠水による打撃を受けた東京都品川区の戸越銀座。所々の排水溝を水が流れやすいタイプに変えたそうです。 

戸越銀座商店街 防災担当 遠藤利夫さん
「今回の30号の雨がそこまで降らないように祈っています」

外部リンク
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