各地でイノシシ増加 突進でけが人も 「コメ売れない」農家悲鳴 豪雨影響でエサ不足か

各地でイノシシ増加 突進でけが人も 「コメ売れない」農家悲鳴 豪雨影響でエサ不足か
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 全国各地でイノシシによる被害が相次ぎ、愛知県の豊田市では4人がけがをしました。そして、千葉県の館山市では人里に姿を見せるイノシシが増えて、捕獲数が例年の1.5倍になっています。

【画像】各地の市街地で目撃されるイノシシ

全国各地でイノシシ増加

長野県上田市に現れたイノシシ
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 今月20日、長野県上田市。市街地のど真ん中に現れたのは、イノシシです。

 捕獲部隊は、音を鳴らしながら空き地へと誘導。最後は麻酔銃で眠らせ、捕獲。けが人はいませんでした。

 イノシシの出没が、今全国で相次いでいます。

宮城県富谷市では10頭以上の大群が出没
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撮影者
「すごくいっぱいいる」

 宮城県富谷市では、10頭以上の大群が出没。茨城県土浦市には、民家を横切る6頭のイノシシが…。

撮影者
「あれだけの数が群れをなして歩いているっていうのが一番怖いですよね」

広島市内では街灯がともる中堂々と歩く
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 さらに、広島市内の住宅地では街灯がともる中、堂々と歩く様子も。

生息域2倍に けが人も

 市街地で相次いで目撃されるイノシシに、専門家は…。

東京農工大学大学院
小池伸介教授

「過疎高齢化が進んだり、あとは耕作放棄地が進むに従って、イノシシの分布も人の生活圏に近づいてるんですね。イノシシが突発的に人の生活圏、あるいは都市の真ん中までポンと現れる機会が増えているのは間違いないと思いますね」

イノシシの生息域 約2倍に拡大
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 イノシシは、1978年から40年ほどで生息する地域をおよそ2倍に拡大。人の生活圏にまで入り込んできています。

 福岡市の住宅地でも…。突進され、跳ね飛ばされる歩行者の男性。その後もイノシシは執拗に男性を攻撃。襲われた男性は、太ももなどをかまれ、13針を縫うけがを負いました。

突き倒されてしまう
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 今年7月、愛知県豊田市の駐車場では、男性めがけて猛スピードで襲い掛かるイノシシ。男性はかごで必死に抵抗しますが、突き倒されてしまいます。

 事態に気付いた別の男性が台車で応戦し、イノシシを追いはらいました。警察によると、4人がかまれるなど軽いけがをしました。

館山では2日に1頭捕獲

 時に、人に大けがをさせることもあるイノシシ。その捕獲数が急増しているのが、千葉県館山市です。

撮影者
「分かる?これ、イノシシ」

娘
「あれがイノシシか」

地元の農家17人でつくる「布沼イノシシ捕獲隊」
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 街中でもイノシシの出没が相次ぐ館山市では、地元の農家17人でつくる「布沼イノシシ捕獲隊」が日々、捕獲活動に取り組んでいます。

 捕獲隊が仕掛けたわなの見回りに同行すると…。

布沼イノシシ捕獲隊
早川満隊長

「逃げられてます、うまく掛からなかった」

掘り返された跡など
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 最初のわなは空振り。しかし、周りには掘り返された跡や足跡も。そして、次のわなへ向かうと…。

わなにかかっていた成獣のイノシシ
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 わなにかかっていたのは、1頭のイノシシ。体長87センチ、体重およそ16キロの成獣です。

 8人で連携し、無事捕獲に成功しました。

 全員がわな猟の免許を持つ捕獲隊は市内のおよそ150カ所にわなを仕掛けています。

イノシシの捕獲を記録するノート
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 これは早川さんがイノシシの捕獲を記録するノート。今月は16頭、2日に1頭のペースで捕獲されていました。

早川隊長
「毎年のように道に出てきているのが普通になってきたって感じです」

食害被害も…農家に影響

 影響は、農家にも。

イノシシが入って掘り起こしてしまう
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農家 和泉慎太郎さん
「稲刈りが終わった後の田んぼになりますけど、イノシシが入って掘り起こしてしまいます。栄養が豊富なので、ミミズや微生物を食べにくる。イノシシの臭いがつくとコメの販売価格に響いてくるし、買い取ってくれない場合もある」

 電気柵を設置するなど対策は講じていますが、稲刈り前にコメが食べられるなど、被害は数十万円に上るといいます。

 イノシシの穴掘り被害は、食害だけではありません。

農業用水のパイプが破壊
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 地面を掘り返され、露出した農業用水のパイプが時に破壊されてしまうこともあるといいます。さらに…。

早川隊長
「(土手が)大雨で流されて弱くなったところが(イノシシに)掘られていくと、(道路に)ひびが入って割れていく」

大雨が降れば川の氾濫を招く恐れ
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 川沿いの道路を支える地盤が弱くなり、道路が壊れ、そのうえ、大雨が降れば川の氾濫を招く恐れもあるといいます。

急増 異常気象が関係か

 なぜ館山では人里に下りるイノシシが増えているのでしょうか?

館山ジビエセンター
沖浩志代表

「こちらの方でイノシシを精肉しているので、よかったらのぞいてみてください」

館山ジビエセンター
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 館山ジビエセンターは、館山市や南房総市で捕獲された動物をジビエとして加工・販売する施設です。

 今年は、運び込まれるイノシシの数が異例の多さだといいます。

「急に10月に入って増えだして、(今月は)大体60頭ぐらいですね」

 日頃からイノシシの生態を研究している沖代表は、近年の急増には異常気象が関係しているのではないかと指摘します。

「ここは9月の豪雨災害の時に土砂崩れをしていて、山全体がごそってなくなってしまって。元々栗畑が生えていたんですけど、恐らく栗(の木)も何本か流されてしまって」

栗の木が豪雨によって流される
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 かつてこの場所には栗の木が立ち並んでいましたが、豪雨によって林ごと流されたといいます。そこで懸念されるのが…。

「もともと栗をエサにしていたイノシシがさらにここのエサの量が減ってしまうので、その分(人里に)下りてくるって状態はあるのかなと思います」

 実は、過去にも同じような現象が起きていました。

「特に酷かったのは2019年に房総半島、台風15号が来たんですけど、その時は顕著でしたね」

館山市の年度別 イノシシ捕獲頭数
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 ゴルフ場の鉄柱が倒れるなど、甚大な被害をもたらした2019年の台風15号。2019年度、館山市のイノシシの捕獲数は899頭でしたが、翌年度には2357頭と、およそ2.6倍に増えました。

「昔と比べて異常気象になる年がすごく増えてきていて、それで野生動物の動きが変わる。(今年のイノシシの捕獲数は)個人的には過去最多になるんじゃないかなと」

(2026年10月28日放送分より)

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