
警察を訪れていた男性に突然、一本の電話が。相手はなんと警察官を名乗る詐欺師です。本物の警察官も加わった緊迫のやり取りです。
「警視庁のカトウ」詐欺電話
今月上旬、男性Aさんは仕事の関係で福井県警の生活安全企画課の窓口に来たところ、携帯電話に何者からか電話がかかってきました。
男は「警視庁捜査2課のカトウ」を名乗り、話し始めます。
警視庁を名乗る男
「●●●●さんに対して被害届が出ております」
Aさん
「僕に?」
警視庁を名乗る男
「本日、博多にある福岡県警察本部のほうまでお越しいただきたいという要請が出ておりますが」
Aさん
「ちょっと行けないですね」
Aさんは福井県警にいるので福岡県警には行けません。
さらに男は「Aさんの口座がオレオレ詐欺の振込先として使われている」「福岡県警に出頭できないならば電話をつなぐ」と話します。
Aさんは「だまされたふり」を始め、すぐに録音を開始します。
警視庁を名乗る男
「ペンとメモのご用意はいいですか?」
Aさん
「はい、いいですよ、どうぞ」
警視庁を名乗る男
「『樋口グループ資金洗浄事件』です。洗浄というのは、洗う洗浄ですね。事件番号が令和7と書いていただいて、かっこの中にひらがなの『わ』を置いてください。数字3桁『562』です」
架空の「事件番号」を伝えてきました。元埼玉県警捜査1課の佐々木成三さんは、このやり取りに…。
佐々木さん
「(Q.(番号など)近いものがあるのか)ないです、全くないです。実際、警察で被害届を受理すると受理番号が発生するが、こういった番号ではない」
事件番号はでたらめで、福岡県警から警視庁に捜査協力を依頼することはあるが、同じ捜査本部を立ち上げるため電話でつなぐことはないといいます。
信じ込ませようと話をすすめる偽の警察官。
福井県警の警察官
「ちょっともう一回どこの警察の人か言ってもらっていいですか?福岡県警?」
福岡県警を名乗る男
「福岡県警」
問い詰めるのは本物の警察官です。反撃開始です。
不自然な発言の意図は?
警視庁を名乗る偽の警察官。不自然なのは、被疑者であるはずのAさんに福岡県警と話す際のアドバイスまで送ります。
警視庁を名乗る男
「しっかりと時間を作って身の潔白を証明してください。『今回お電話で対応していただきありがとうございます』と言っていただければ捜査員の心証も変わるかと思いますので、それもしっかりと伝えてください」
不自然な発言、その意図は?
佐々木さん
「全く関係ないです。警察官に感謝することを警察も求めていないですし、警察が求めることもないです。『身の潔白を証明してください』と、そのなかであなたの資金調査が必要だ、こういった形でお金を振り込ませていくというのが最終手口ですね」
そして偽の警視庁の警察官から、偽の福岡県警の警察官にバトンタッチです。
福岡県警を名乗る男
「もしもし、転送を受けました。福岡県警2課のヨコタと申します。今回ですね20日間の勾留で出頭要請されているんです」
Aさん
「それ逮捕じゃなくて任意ですか?」
福岡県警を名乗る男
「強制力はないです」
佐々木さん
「まずあり得ないです。勾留とは逮捕してから勾留するもの。勾留は裁判官が決める」
本物の警察官が反撃開始
ここで、Aさんも電話を本物の警察官に変わります。
福井県警の警察官
「もしもし、もしもーし」
福岡県警を名乗る男
「はい、はい」
福井県警の警察官
「ちょっともう一回どこ警察の人か言ってもらっていいですか?福岡県警?」
福岡県警を名乗る男
「福岡県警」
福井県警の警察官
「なんていう人なの?お名前は」
福岡県警を名乗る男
「捜査2課のヨコタケンスケ」
福井県警の警察官
「そんな人いないけど、福岡県警には」
福岡県警を名乗る男
「福岡県警のほうに電話していただいて」
福井県警の警察官
「なんでオレが電話せなあかんの?」
ここで電話は切れました。
福井県警は音声などをもとに捜査中で、電話で犯罪の疑いを口にすることはなく、犯罪の嫌疑をかけられたらすぐに電話を切るように呼び掛けています。
(2026年10月28日放送分より)
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