日独首脳会談 次期戦闘機の共同開発にドイツも参画か 日本への影響は?

日独首脳会談 次期戦闘機の共同開発にドイツも参画か 日本への影響は?
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 ドイツのメルツ首相が28日、首相就任後初来日し、日独首脳会談が行われた。国外からのサイバー攻撃を念頭にAIや安全保障などの連携を強化することで一致した。

【画像】日独首脳会談の中身は?

 日本・イギリス・イタリアが共同で進めている次期戦闘機開発に、ドイツが参画する可能性があるという。

サイバー防御 先端AI活用を検討

メルツ首相「超大国や最強国以外にも活動の場がある世界を作れる」
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 日独首脳共同声明によると、安保・防衛分野においては、両国部隊間協力の深化に役立つ枠組みの検討、防衛産業分野の協力を推進していくことで合意した。

 また、経済安保分野でも、重要鉱物の供給源多角化や代替供給源の開発を含む、サプライチェーンの強靭化で合意した。さらに、長期的なサイバー協力を補強・強化する決意を表明した。

 共同通信(8月9日)によると、サイバー防御において日本はAIの活用を検討しているという。現行の制度では、電気、石油、鉄道、放送、金融などの基幹インフラ事業者はサイバー攻撃を受けた際、被害を政府に報告することを義務化している。

 政府は攻撃の兆候がないか監視し、攻撃に使われているサーバーなどに対し、無害化措置を行うとしているが、今後、ここに先端AIを活用することを検討している。

 こうした中、日本とドイツは外国からの情報操作や干渉による情報環境に対する脅威に直面する事態を踏まえ、「経済安保協力に関する共同宣言」を発表した。

 この共同宣言には、AIに関するハイレベル対話の設置や両国のAI能力の向上、共同研究・開発の促進などが含まれている。

 メルツ首相は「ドイツは日本を真のプレミアム・パートナーとして重視している」「協力すれば超大国や最強国以外にも活動の場がある世界を作れる」と語った。

ドイツでも…サイバー攻撃の被害増加

「AfD」も「キリスト教民主同盟」もサイバー攻撃を受けた
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 その背景には、ドイツもサイバー攻撃の脅威にさらされている事情があるといい、政治団体がハッキング被害に遭うケースが相次いでいる。

 tagesschau(20日)によると、先月、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」はサイバー攻撃を受け、42万件以上のメールのほか、身分証の写真、請求書、党員名簿などがオンライン上に流出した。

 tagesschau(17日)によると、今月16日には、メルツ首相が党首を務めるキリスト教民主同盟の支部のアカウントが乗っ取られ、およそ6500通の詐欺メールが送信された。

 また、ドイツの産業団体Bitkomの調査(8月26日)によると、過去12カ月間でサイバー攻撃の被害が増加したと答えたのは調査したドイツ企業のうち63%に上った。

 産業スパイなどによる損害を含め、中国やロシア国内から攻撃を受けたことのある企業は、およそ半数を占めるという。

 今月8日、イギリスとドイツの首脳会談ではロシアなどを念頭に破壊工作とサイバー攻撃などを組み合わせた「ハイブリッド攻撃」の抑止に向けて協力することで合意したばかりだ。

EV規制で日本企業への打撃も?

高市総理も、日本製も優遇措置の対象に加えるよう求めたという
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 日本にとってはEV(電気自動車)の規制緩和も焦点となった。

 ロイター通信(14日)によると、EUではEVを中心とする自動車産業で中国メーカーが急速にシェアを拡大している。中国のプラグインハイブリッド車のヨーロッパでの販売台数は2年でおよそ15倍に急増している。中国国内でEVの価格競争激化や販売鈍化に直面している中国メーカーにとって、ヨーロッパは重要な成長市場だという。

 こうした中、EUは域内での生産や調達を促し、欧州の産業基盤を強化する「メイド・イン・ヨーロッパ」規則を検討している。ユーロニュース(16日)によると、今月16日、フランスとドイツが合意した案では部品の70%をヨーロッパで生産し、バッテリーの10%をヨーロッパ産にしたものに関しては、優遇措置が得られるとした。

 この規制が実現すれば、日本企業への打撃も想定されるため、28日に日本とドイツが行ったビジネスサミットで赤沢亮正経済産業大臣は「日本で生産されたEVがEU加盟国と同等に取り扱われることは日本とEUの産業の競争力にとって極めて重要」と発言。高市早苗総理大臣が、日本製も優遇措置の対象に加えるよう求めたという。

GCAP ドイツ参画の場合 懸念も

今回の共同声明には盛り込まれなかったが…
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 ドイツが参画するかが注目されているのが、日本・イギリス・イタリアが進めている次期戦闘機の共同開発「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」だ。

 28日、日独首脳会談の共同記者会見でメルツ首相は、「次期戦闘機製造における協力の可能性についても探ってみたいと考えている」と述べた。ただ、共同声明には盛り込まれなかった。

 フィナンシャル・タイムズ(25日)は、すでにGCAPに参画しているイギリスのBAEシステムズの幹部とドイツのエアバス幹部が、エアバスが次期戦闘機開発にどう参画できるかを来週協議する予定だと報じている。

 このイギリスとドイツの両企業は、ヨーロッパを代表する戦闘機の1つ「ユーロファイター」の開発を共同で行った実績がある。

 さらに、朝日新聞(28日)によると、財政難のイギリスには、ドイツが参画すれば開発費用を抑えられるメリットがあるという。

 一方で、ドイツが参画するとなると懸念もあるようだ。

 共同通信(19日)によると、エアバスの防衛宇宙部門のCEOは、ドイツ経済紙のインタビューで「GCAPに参加する場合には多額の資金を投じる」「作業規模だけでなく、技術開発でも公平な役割分担が必要だ」と話した。

 朝日新聞(28日)によれば、「ドイツの参加により開発計画に遅れが出ることを、日本は嫌がっている」という。

開く中国との航空戦力の差

日本の取り分が減る懸念も
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 日本には、開発を遅れさせたくない事情があるという。

 2026年版の防衛白書によると、中国軍が持つ新型戦闘機は1838機。これに対し、日本の新型戦闘機は344機と戦力の差が開いている。

 さらに現在、自衛隊で運用されているF-2戦闘機の退役が始まるのが2035年。そのため、次期戦闘機の配備を2035年に開始することを目指している。

 また朝日新聞(28日)によると、素材などの技術に強みを持つ日本とドイツは得意分野が重なるため、ドイツの参画により日本の取り分が減る懸念もあるという。

(2026年10月29日放送分より)

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