
首都直下地震や南海トラフ地震など、大規模災害のリスクを抱える日本。災害対応を一貫して担う防災庁が、2日、発足しました。
【画像】省庁の“縦割り”解消へ…防災の“司令塔”防災庁発足 重点「事前防災の徹底」とは?

高市総理
「避難環境の抜本的な改善に加え、ワンストップ窓口として、復旧・復興まで被災地に伴走してください」
司令塔設置で“縦割り”解消へ

防災庁のミッションは、国難級の大規模災害においても、国民の生命・身体・財産を守り抜くため、防災体制を強化することです。
細野豪志防災大臣
「平時における事前防災の推進の徹底。事前防災から事態対処、復旧・復興まで、一貫した体制をつくる」

2年前に起きた能登半島地震。
道路の寸断や孤立集落の発生により、物資を届ける難しさが浮き彫りになりました。
国道や県道、市町村道、農道など、道路の種類で関係する省庁などが異なるため、被災した自治体にとっては、どこに相談し、どの機関と調整すればよいのかわかりにくくなる場面もあったといいます。

細野豪志防災大臣
「防災庁ができた以上は、縦割りというのは許されません。どこの省庁が担当するかわからないなかで、課題が抜け落ちるということは許されません。そういう体制をつくる」
問われる避難所の“支援”
また、新たな理念の一つに掲げているのが、被災者の良好な生活環境の確保です。
今年、熊本地震の被害にあった氷川町。
私たちが目にしたのは、介護が必要な高齢者や障がい者など、配慮が必要な人を受け入れる福祉避難所の様子です。

当時、避難所では、医療や福祉の専門スタッフによる支援はあったものの、日々の運営は、別の部署から集められた町の職員が中心でした。
また、泊まり勤務をしていた職員は、こう話していました。
氷川町職員(8月)
「これから仕事です。通常業務です。(Q.ずっとこういう生活)休む時間もありますけど、でも、どうにかやります」
直面していたマンパワーの不足。
氷川町の災害対応の責任者は、当時を振り返り、こう話します。
氷川町災害対応責任者
「避難所の立ち上げ当初は、地域の事情を知る町職員の対応が欠かせない。そのうえで、外部からの応援を受け入れ、役割分担しながら連携することが重要」
専門人材の派遣や応援職員の調整など、防災庁の役割に期待を示しました。

また、細野大臣は“緊急要請”として、国民に向け自助の必要性を説明し、水や食料に加え、携帯用トイレの備蓄などを呼びかけました。
各省庁に改善求める『勧告権』
これまで、国の防災対策を担っていたのは、内閣府の一部局でしたが、2日から内閣直轄の新たな防災庁が誕生しました。

これまで災害が起きると、道路などのインフラは国土交通省、医療や福祉などは厚生労働省と、各省庁ごとに対応が分かれていました。今後は、防災庁が司令塔となり、各省庁のやりとりをスムーズにすることを目指します。
また、各省庁の取り組みが不十分だと判断すれば、改善を求める『勧告権』も持っていて、行政の縦割りの解消も期待されています。
重点「事前防災の徹底」とは?
細野大臣は、大きな災害が起きたときに被害を最小限に抑える「事前防災を徹底する」と話していました。

事前防災の一つとして挙げられているのが、地域の弱点をあぶりだす“定量的弱部分析”です。これまでの都道府県などによるシミュレーションは、被災者や負傷者などの数字を出すのにとどまっていました。
そこで、防災庁は一歩進んで、発災時に、例えば、必要な医療従事者の数や、救急車の台数など、1700あまりある自治体の状況を事前に把握して、優先順位をつけます。そのうえで、自治体が対応できる限界を示し、対応できないところは、民間に頼るなど、より現実的な対策ができるようにするということです。
防災庁は、これまでの1.6倍の職員を配置し、その中から各都道府県にそれぞれ担当をつけて対応するということです。

防災庁の担当者は「これまで都道府県や、市町村と十分に向き合うことができていなかったが、今後は自治体と協力し、スピード感を持って対策を進めていきたい」と話します。
