
アメリカの中間選挙は、日本時間の3日夜から順次投票が始まる。選挙戦最終盤となり、トランプ大統領の戦略に異変が起きている。
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上下院で民主党が優勢か
共和党苦戦でトランプ大統領の“なりふり構わぬ”姿勢が鮮明になる一方、民主党に亀裂が。優勢が伝えられる民主党勝利なら、政権運営どう変わる?まずは、最新の選挙情勢を見ていく。
政治専門サイトが情勢分析している。
「クック・ポリティカル・レポート」によると、先月30日時点の中間選挙の情勢は、上院は、定数100のうち35議席が改選され、民主党13、共和党15、接戦が7と予想されている。全体では民主党47、共和党46となり、接戦が続いているが民主党がやや優勢とみられている。
下院は全435議席が改選されるが、民主党222、共和党195、接戦18、過半数は218だが、民主党が過半数の227から240議席を獲得すると予想されている。「民主党は下院で2009年以来、最大の議席数を獲得する可能性が出てきた」と分析している。
有権者もトランプ大統領の権力に歯止めを期待しているのか、「ウォール・ストリート・ジャーナル」が先月31日に行った調査では、トランプ大統領を監視・抑制する候補者を支持する有権者が60%、トランプ大統領を後押しする候補者を支持するが34%となっている。共和党支持者でも2割以上が大統領の権力に一定の歯止めを求めるという。
トランプ大統領は、造反や不祥事を起こした議員も称賛しているという。
トランプ大統領は1議席でも多く獲得するため、これまで距離を置いてきた候補を支持し始めている。例えば、フロリダ州候補のサラザール下院議員は、政権の移民政策を批判。トランプ大統領はサラザール氏の交代を求めていたが、中間選挙前の先月30日、SNSに「彼女はフロリダの人々のために素晴らしい働きをしている」と投稿し、支持を表明した。
また、オハイオ州候補のミラー下院議員は、家庭内暴力疑惑が浮上。トランプ大統領は、ミラー氏の出馬取りやめに同調していたが、中間選挙前の先月31日、SNSに「彼はオハイオの人々の擁護者だ!再選を全面的に支持する」と投稿した。
民主党議員が共和党支持も
一方で、民主党内部に亀裂が生じている。民主党議員が共和党候補を支持しているという。
上院選の激戦州のミシガン州では、民主党中道派のスティーブンス下院議員が、民主党内の予備選でガザ攻撃に反対するエルサイード氏に敗北した。
スティーブンス氏は、エルサイード氏に、イスラエル批判への謝罪を求めたが応じなかった。さらに、スティーブンス氏がエルサイード氏のイベントに招待されず、スティーブンス氏は、共和党議員の支持を表明したという。
「ワシントン・ポスト」は、「スティーブンス氏の方針転換は中間選挙に新たな展開をもたらした。この亀裂は個人の対立というだけでなく、民主党内でイスラエル政策が分断していることを表している」と伝えている。
民主党勝利なら影響は
下院選で優勢が伝えられる民主党だが、中間選挙で勝利した場合、さまざまな影響が予想されている。
まずは経済への影響について見ていく。
金融・経済メディア「マーケット・ウォッチ」は金融機関「バンク・オブ・アメリカ」のチーフ株式ストラテジストが「中間選挙で民主党が上下両院で勝利した場合、アメリカ株は下落する可能性がある」と分析していると伝えている。
民主党が上下両院で勝利した場合、企業への規制と課税が強化され、AI関連の設備投資に歯止めがかかり、アメリカ株が10%以上、下落するとの予想もある。
為替にも影響があるといい、朝日新聞によると、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、FRB/連邦準備制度理事会の人事は上院の同意が必要なので、上院・下院の両院で民主が勝利した場合、FRBへの信頼が高まり、ドル高、つまり円安に。下院のみ勝利した場合、FRBへの信頼が高まらず、ドル安、つまり円高になる、と予想している。
トランプ政権が進めてきた政策の見直しも予想されている。
AP通信によると、民主党は中間選挙で勝利した場合を見据え、優先する議題を準備しているといい、来年1月の議会招集後、100時間以内に発表する予定だという。
現在持ち上がっている案は「オバマケアの補助金復活」「イラン戦争への反対決議の実施」「トランプ関税の撤廃」などがある。
さらに、エプスタイン問題も再燃するかもしれない。
「ワシントン・ポスト」によると、民主党ガルシア下院議員は「(トランプ政権は)汚職や不正行為があまりにも多い。調査のために、民主党の下院議員全員の協力が必要になる」と述べている。
アメリカ議会は、民主党が上院か下院で過半数を獲得した場合、疑惑の調査のため、関係者に証言を求めることが可能になる。民主党が勝利した場合、トランプ大統領の数々の疑惑を調査する可能性があるということだ。
トランプ大統領の疑惑の1つ目は「エプスタイン問題」だ。
「ガーディアン」によると、少女らへの性的虐待の罪で起訴され拘留中に死亡した富豪、エプスタイン氏に関するファイル、司法省が保有する600万ページのうちおよそ350万ページしか公開せず一部に大幅な黒塗りがあった。
2つ目は「暗号資産事業」。去年、トランプ大統領個人で12億ドル、日本円で約1900億円以上の収益があったという疑惑だ。
民主党は追及する疑惑を選定していくという。
アラスカ州で裁判沙汰も
今回の中間選挙は、結果が出てもすぐに終わりそうにない。激戦が予想されるアラスカ州では、すでに裁判沙汰となっている。
アラスカ州の上院選は、共和党の現職ダン・サリバン氏と同姓同名の無所属のダン・J・サリバン氏、民主党候補のメアリー・ペルトラ氏など4人が争っている。
ロイター通信によると、司法省は、共和党のダン・サリバン上院議員が僅差で敗れたら、選挙結果の認定を阻止するよう求めたが、アラスカ連邦地裁は1日、訴えを退けた。
ただ、選挙結果を上院に報告する義務を負う共和党のダンリービー州知事はペルトラ氏が勝利しても、認定しない可能性を示唆している。
(2026年11月3日放送分より)
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