投開票が31日に迫った東京都知事選の行方に注目が集まっているところだが、25日のAbemaTV『AbemaPrime』月曜コーナー「中2ニュース」では、政治や経済の世界に“未来のリーダー”を送り出している『松下政経塾』を取り上げた。
同コーナーは、話題となっている現場を中学2年生のリポーターが取材。素朴な疑問をガンガンぶつけていこうという企画。今回、中2リポーターを務めたのは上野結菜(ゆうな)くんと、岸田海音(みおん)さんだ。
■「松下政経塾」とは
「松下政経塾」とは、日本を代表する実業家・松下幸之助氏が未来のリーダーを育成するため、70億円の私財を投じて1979年に設立した政治塾だ。これまで、野田佳彦前総理大臣や高市早苗現総務大臣、前原誠司元外相、自民党の小野寺五典政調会長代理、元横浜市長・中田宏氏など、多くの政治家を輩出してきた。



■松下政経塾に入るには?
この日スタジオには、「松下政経塾」職員の西野偉彦さんが登場し、話を聞いた。
西野さんによると寮に住むのは義務付けられ、兼職は禁止。塾生の生活は朝6時に起床後、ラジオ体操、敷地の掃除をするところから始まる。ただし在籍期間のうち、後半2年間は自分で研修を組み立てることができるので、(地方に行く場合などもあることから)毎日寮で寝なくてはいけないということではない。
応募資格は、塾がスタートしたときは22歳から25歳と、ほとんど新卒がメインだったが、社会人経験者もいれていこうということで、ここ20年くらいは35歳までということにしているそう。学歴は関係なく、熱意と志があればOKとのこと。

■実際、何をしているのか? 塾内に潜入
そんな松下政経塾では、“未来のリーダー”を育成するために、どのような指導を行っているのか。2人は、神奈川県茅ケ崎市にある、松下政経塾へ。松下政経塾の研究員、西野偉彦(たけひこ)さんが案内してくれた。
まず向かったのは、研修を行っているという講堂。この日、入塾1年目と2年目の塾生が行っていたのは、プレゼンの研修だ。まとめた資料をわかりやすく説明する必要があるが、厳しい意見が飛び交う。プレゼン力を身に着けることも、“未来のリーダー”には必要なのだ。
次に行われたのは、3つのグループに分かれ、30年後の日本を考える、グループ討論。こちらも、1年目と2年目の塾生が行う研修の1つ。松下政経塾の塾生は、在籍期間の4年間、全寮制で寝食をともにしながら“未来のリーダー”となるべく勉強に励む。
設立からおよそ40年。このようにして、政治家など様々なリーダーを輩出してきた。

■なぜ、ここまで懸命に勉強するのか? 松下政経塾の塾生を突撃取材
中2リポーターが話を聞いたのは、慶應義塾大学出身、元航空自衛隊の経歴を持つ、小甲顕史(こかぶあきふみ)さんと、一橋大学出身で、三井住友信託銀行に勤めていた、福井里佳さん。ともに仕事を辞め、この春、松下政経塾に入塾している。
――上野)でもせっかくいい大学出て就職したのに、もったいなくないですか?
小甲さん「確かに、今までやってきた仕事を辞めるというのは大きな決断だったんですけど、それ以上に政治家になって日本を良くして自衛隊を良くしたいとそういう気持ちが勝って、政経塾に入りました」
福井さん「私は元世界銀行副総裁の西水美恵子さんの志に触れて、私も世界から貧困や差別をなくせるようなことをNPO団体に入ってやってみたくて、入塾を決意しました」
そこで気になるのが、松下政経塾卒業後の“進路”。中2リポーターは、松下政経塾の塾長に話を聞きに。

塾長を務めるのは、河内山哲朗さん。2期生として、松下幸之助氏の指導を実際に受け、卒業後は、山口県柳井市の市長として16年間活躍してきた。そんな“リーダー経験”のある塾長に、話を聞いてみると…。
――岸田)松下政経塾を卒業した人って、だいたい政治家になるんですか?
河内山さん「今まで263人が卒業したんだけど、政治家とか政治分野で仕事をしてる人は、だいたい100人、40%ぐらい。この日本を良くしていく、あるいは世界の平和に役立つような人を創っていく。これが松下政経塾の目的ですから」
――上野)松下政経塾に入ったら、僕も政治家になれますか?
河内山さん「政治家になるためには色々運も必要だし、それから努力も必要ですけど、ここを作った松下幸之助さんというのはね、運というのと愛嬌というのが大事だと(言っていた)」
取材を終えた中2リポーターは、
「大人たちが日本を引っ張っていくために頑張っていたので、僕も日本を引っ張っていけるように頑張りたいです」(上野)
「政治家って最近汚いイメージもあったんですけど、ここに来て勉強をしっかりやっている人たちもいてまだまだ日本も捨てたもんじゃないなと思いました」(岸田)
とそれぞれコメント。何らか学ぶところがあったようだ。
この記事の画像一覧

