「ゴッホより 普通に ラッセンが好-きー!」で、お茶の間に爪痕を残し、芸能界でも数多くの熱狂的ファンを抱える超個性派ピン芸人・永野。もはや「カルト芸人」とは呼べないほどの大活躍を見せる永野が洋楽ミュージックビデオをセレクト。「CURATED VIDEOS: 永野’s PLAYLIST」として、AbemaTV内「MTV HITS」チャンネルで8月20日22時よりオンエアされる。「ニルヴァーナは僕の人生のサントラ」と語り、膨大な洋楽知識から紹介される曲に対しての思い出、そして洋楽愛を永野が語ってくれた。
■NIRVANA 「Heart Shaped Box」
ニルヴァーナを初めて聞いた時期は、高校一年くらいですかね。ニルヴァーナのせいで暗くさせられたというか、悪い意味で。それまでの人生、楽しかったんですよ。
ジャッキー・チェンの映画とか『グーニーズ』とか観て楽しく育っていたのに、ニルヴァーナの暗い世界が衝撃で。ずっと長嶋みたいな時代だったのに、突然変化球が飛んできたみたいな。
■NIRVANA 「Smells Like Teen Spirit」
とにかく音楽が暗いんですけど、時代にマッチしていましたね。今だったら絶対売れないですよ!僕の10代、20代、売れていなかった時代の永野自身のサントラみたいなもので、自分を支えた闇の音楽ですね。だから今、ニルヴァーナをしみじみと聞くと、嫌な気分になるんですよ。それと別に暗くもない人たちが、皆で暗くなっていた時代でもありますね。
■SOUNDGARDEN 「Black Hole Sun」
これとスマパンは自分が上京した時に、専門学校の友だちが見せてくれたミュージックビデオが印象に残っていて、それで選曲しただけですね。もはや好きとか嫌いではなく、けっこうインパクトが強くて。とにかく危ないカンジの中毒性があるMVなんです。アイスクリームがダラダラ垂れるような気持ち悪い映像が続いていいですよね!ティム・バートンみたいな不思議な印象を受けました。
■THE SMASHING PUMPKINS 「Today」
この頃のスマパン、ビリー・コーガンしか作れない曲ですよね。今41歳ですが、こういう曲が「また出てきてもいいよ」って思っちゃう。こういうの、今ないっすよね? 今考えると、グランジを利用して出たバンドいましたよね?
■HOLE 「Miss World」
このやさぐれた感じの声がいいんですよ。もう今、すっかり変わってしまいましたが、カート・コバーンみたいでかわいいんですよ。こういう生の音が流行ったんですよね、90年代は。リアルを求めていこうみたいな、そういうムーブメントがありました。新宿リキッドルームのライブ、行きましたもん。でも、ニルヴァーナのつきあいで聞いていたんですよね。
■EMINEM 「Berzerk」
これエミネム、40代ですよ!?こんな元気な歌、歌うんだ!って。やっぱりスタローンの『ロッキー』シリーズが大好きなんで、エミネムみたいなストーリーがないとダメすね。自分自身がストーリーを求めていくタイプなんですよ。
2013年頃、自分が全然ダメだった時期ですが、帰郷した時に兄貴とたこ焼き屋でたこ焼きを待っている時、この曲をカーステレオから流していたんですよ。ヒマだから歌詞カード読んでいたら、なんかフツフツと・・・いつか、やってやろう!って思って。
でも、同時に30代後半にもなって兄貴のたこ焼きを待っている自分が虚しくて、悔しくて。だから聴くと、たこ焼きも思い出すし、エネルギーにも変わる歌ですね。
■RED HOT CHILI PEPPERS 「Warped」
メンバー間とか、いろいろあったから一番暗くて重い時期の曲で、でもこの曲やその時代があるから今のレッチリがあるわけですよね。皆この曲を否定しますけど、超カッコいいですよね!? 嫌な時代なので、彼らは一曲も今はやらないけれど、尖ってましたよね。
■RED HOT CHILI PEPPERS 「Scar Tissue」
レッチリは聴き込んだから今でも新作を買っていますけど、もう付き合いで聞いていますよ。若干、我慢して聞いています。知っている人だから、世話になっているから聞いてるって感覚ですよね。今回のアルバムも我慢して聴いてたら結果ハマりました。ハマれて良かったです。
■PRINCE 「Batdance」
この曲はとにかくスゴい!って。プリンスはやっぱり天才だなって思いました。
この映画って、当時の日本人の子どもたちは面白くないって思って、そうとう不評だったんですよね。でも僕はどこか好きになって。
あとからティム・バートンが監督って知るんです。バートンの根暗感がよくて、この曲も単純に好きで、映画の本編では流れないんですけど映画を思い出します。
■THE CHEMICAL BROTHERS 「Setting Sun」
これは時代ならではですね。これとThe Prodigy。今観ても、カッコいい。革命的でした。当時、ビート革命みたいな感じでしたよね。口に出すと恥ずかしいけれど、やっぱカッコいい。最近は曲とかもですけど、変に意味とか説明があったりして、つまんないですよね。うるせえよ!って。ただ、カッコいいだけでいいんですよ!
■BLACK EYED PEAS 「My Humps」
前の事務所辞めて闇の4年間の1年目くらいで、マジでヤバい時期の曲。その時、このPVが、すごく楽しそうに見えたんですよね。黒人のポップスみたいなものにも初めて触れて、クールな感じにも惹かれました。めっちゃ名盤ですよ。お笑い的にも影響受けているんですよね。クソ真面目に賞レースとかじゃなくて、明るくてノリだけでもいいじゃんか!って。
■LIMP BIZKIT 「Rollin'」
調子に乗ることの大切さ、ですね。見事に花火のように消えていったじゃないですか。でも、特に評価しなきゃいけないんですよ。一生、自分たちの天下が続くと思っているような奴らで。でも、それって人間には大切なような気がするんです。そして超ダサい、だから好きっすね!リンプは90年代最重要バンドだと思いますね。今のミュージックシーンとかはシリアスすぎて、全体的にリンプが足りなすぎる!
■BECK 「Loser」
当時、トム・ヨークとかベックとか、いなくなったカート・コバーンの代わりをマスコミとかメディアが探していたんですよね。そんな人、いるわけないんですよ。それで代わりに挙げられた奴らなので、言ってみれば被害者ですよね。で、間違って皆このアルバムを買っちゃうんですよ。セカンドから評価上がっていくんですが、僕はこのゴミみたいなファーストが好きですね。その後、普通に成長して僕はがっかりしましたけど、僕はこのゴミみたいなファーストが好き!
■R.E.M. 「What's the Frequency Kenneth?」
わりと静かなフォークっぽい感じが、急にノイジーなギターのアルバム作ったんですよ。今考えると良いも悪いもないけれど、R.E.M.好きになったもんだから、レッチリの「The Getaway」的にお世話になったから付き合いで聴きましたね。それも青春ですわ。R.E.M.としては異色アルバムなんですけど、すごくいいんですよ。カート・コバーンもR.E.M.が大好きだったんですよ
■MARILYN MANSON 「The Beautiful People」
これはショックですよね。ただ、衝撃的でした。批判されていたことが面白かったですね。めっちゃ嫌われていましたよ。でも、これが売れるアメリカって病んでいますよ。だから信用できますよね。そういう意味では、日本は100年遅れていると思いますね。
■U2 「Unforgettable Fire」
兄貴の録画したビデオで観て、聴けば聴く程どんどん曲が良くなっていくって経験を初めてしましたね。それでスルメソングって言っています。この時期のU2にはハマりました。
■BRYAN ADAMS 「Heat of the Night」
恥ずかしいけれど、大好きですね。この歳になって、「俺ってスタローンとかジャッキーが好きだったんだな」ってことを思い出させてくれる人。自分って、単純な人間だったんだなって。芸風とかひねくれていて、孤高のピン芸人とか言われていますが、元々はこういう人間なんだよなって。結局、この歳になって戻って来ますね。
■BJORK 「It's Oh So Quiet」
MVが単純に楽しかったんですよね。ビョークの天才感も好きで、このアルバムだけ聞いていました。これもロックだって言って、皆で無理していた時期ですよね。ニルヴァーナロスで当時の批評家のおっさんたちが背伸びしだした時期です。彼女とレディオヘッドが被害者ですね。
■PUBLIC ENEMY 「Fight the Power」
もう、ほんと大好き!僕、エネミーじゃなくて、エナミーって呼ぶほうなんですよね。ヒップホップの中で一番好きなんじゃないかな?ストレイトアウタコンプトンもいいけど、PUBLIC ENEMYの二人の掛け合いが好き!トラックもガチャガチャしてて好き!単純に!
■NINE INCH NAILS 「Wish」
これも上京した時の想い出。これ、なぜか母親にアルバムを買ってもらったんですよ。だから、思い出すんですよね、自分が何にもなってなかったことを思い出す。だから売れる前はこのアルバムを見ると、思い出して嫌でしたねえ、年月だけが流れて。
CURATED VIDEOS: お笑い芸人 永野's PLAYLIST
芸歴21年目にして大ブレイクを果たした、お笑い芸人 永野が「俺がやらなきゃみんな忘れる!」をテーマに洋楽ミュージックビデオをセレクト!上京したての頃、歌舞伎町のスクリーンで何度も観たという、NIRVANA「Heart Shaped Box」や手の届かない世界がある事を教えてくれたというPRINCE「Batdance」など、予測不能な選曲をお楽しみに!
■初回放送
8月20日22:00-23:30
■リピート
8月21日10:00-11:30、24:00-25:30
8月22日12:00-13:30、26:00-27:30 他
永野オリジナルDVD『Ω』(4000円+税/ポニーキャニオンより発売)好評発売中!