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2020年、東京五輪の費用が適切かどうかを判断する都政改革本部が調査結果を報告した。調査では計画通り続けると、招致段階の予算7340億円を大幅に上回る3兆円を超える可能性もあると指摘された。

たとえば、ボート・カヌーの会場・海の森水上競技場の費用は当初69億円の予定だったが491億円に膨れ上がることとなり、宮城県の長沼ボート場などに変更するプランも出た。東北開催であれば、「復興五輪」の側面も見込まれる。しかし、本来は「コンパクト五輪」がキーワードだっただけに、都内の選手村からは遠すぎるという意見も。

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森喜朗・組織委会長は「遠い。IOCの理事会で決まり、総会で決まったことを日本側からひっくり返してしまうことは極めて難しいと(小池百合子都知事に)申し上げた」と両者がぶつかり合う状況に。小池氏は「いずれにせよ負の遺産を都民に押し付けるわけにはいかない」と語った。

この問題について、1日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)に出演した建築エコノミストの森山高至氏は、ボート・カヌー会場整備費が何故ここまで上がったかというと、会場のある場所が埋立地ということで、基礎の杭が50メートル必要など様々な費用の高騰が要因であると語った。

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また、バレーボール会場の有明アリーナは当初予定の176億円が404億円に上がる。そのため、パシフィコ横浜など既存施設の活用も今後検討されるかもしれない。森山氏は費用の高騰については「よく分からない。施設を作るなら、周辺のインフラ整備が必要とかいう。元から『新築ありき』なんですよ。ただし、ボート、カヌー会場については、『東京五輪』と考えると、都内で見つけるべきかと思います」と述べた。

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森山氏は、長さが足りないものの、既存の江戸川競艇場と平和島競艇場の活用を提案した。ギャンブルのイメージが強い競艇場ではあるものの、五輪に協力することで、アマチュアの支援というイメージ作りができる利点も説明した。

有明アリーナの代わりにするための中心は浅草を提案。江戸川区、台東区の区民センターとかを3ヶ所使うのはどうかと説明した。

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これに対し、両国を地元とする東京都議・川松真一朗氏は「僕の地元は浅草から近いです。だから一つでも多く五輪を呼ぼうと思ったんです。でも、広い会場がないんですよ。何度も提案したんですけどね……。ただし、この辺の体育館は、練習会場に指定されています」と浅草案については、難しいのではとの見解を示した。

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◆「IOCが…」と言うが、都民の気持ちはどうなる?

また、水泳会場のアクアティクスセンターは当初見込みの321億円が683億円に上がった。これに対し、東京辰巳国際水泳場の改修も提案されている。だが、川松氏によると、時間をかけて研究した結果、辰巳はデザインの問題があると説明。柱が邪魔になるなど、大勢の観客を招き入れられない状況に。そのため新しい物を作らなくては、ということになったそうだ。

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しかし、こうした見直しについては2つの問題点があるという。1つは、工事契約済みで、これまでの工事がムダになること。もう一つがIOCや国際競技連盟の承認が必要な点だ。AERA前編集長の浜田敬子氏は「ロンドン五輪の時は見直しています。『IOCが……』といいますが、都民の気持ちはどうなんですか?」と疑問を抱くと漫画家・倉田真由美氏も「税金をジャブジャブ使ってて……」と同様に疑問を投げかけた。浜田氏はさらに「北京五輪のメインスタジアムほぼ使われていないと言いますよね。負の遺産になるかもしれないじゃないですか」と語った。

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これに対し、川松氏は当初よりは減らしている現状があるという。そして「3兆円」という衝撃的な数字ではあるものの、これは施設整備費だけでなく、テロ対策なども含めた金額であり「道半ばの状態なので力を貸してほしい。都議会も動いています。これでも金額は落としてきた。ボートは1000億円だったんですよ」と理解を求めた。

番組キャスターみのもんた氏は「『千葉、埼玉、神奈川に『協力して!』と言ったら解決するのでは? 森田健作知事(千葉)に言ったら『青春だ!』となるのでは?』と周辺の自治体も巻き込むべきと提言。すると川松氏は「幕張メッセ、さいたまスーパーアリーナとかも使う。我々やってるんですよ!」とこうした案はすでに実施済みだと力説した。

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