10月26日、AbemaTVの報道番組『AbemaPrime』では、25日に来日し安倍総理大臣との首脳会談に臨んだフィリピンのドゥテルテ大統領の過激な発言の真意や外交政策、今後のフィリピンとの関係構築について言及した。
大統領に就任して4カ月のドゥテルテ大統領は「オバマは地獄に堕ちろ」「麻薬密売人、誘拐犯、強盗犯を捜し出せ!」など過激な発言を繰り返しているが、フィリピン国内では高い支持率を誇っている。大統領は「日本はわが国にとって最大の支援者だ」と謝意を表明したが、アメリカに対しては「私は戦いを臨んでいるわけではないが、あいつら馬鹿な米国人は弱い者いじめをする。厄介な害虫だ」と毒づいた。一方、南シナ海の領有問題を棚上げした中国とは、経済協力の合意をし、友好関係を築くなど、したたかな外交をすすめている。
中国をはじめアジア諸国の関係性に詳しい東京財団政策研究調整ディレクター 兼 研究員の小原凡司さんは、日本とフィリピンの首脳会談については「大統領は日本が大好きですし、会談自体はなごやかに行われたと思います。安倍首相とも合意できるところは合意したのだろうと思います。安倍首相が、フィリピンとの関係を『日本とフィリピンは、自由・民主主義・法の支配といった基本的価値を共有する大切なパートナー。協力関係を高いレベルに引き上げることで一致した』と人権問題について触れずに発言したのは、フィリピンとアメリカに気を使ったのでは」と指摘した。
ドゥテルテ大統領の過激な発言の真意について、小原さんは「戦略では無いと思います。フィリピンの研究者に聞いても。全くのポピュリスト(大衆の人気取りばかりする政治家)であると言っています。社会の支持でどうにでも態度を変えると言われてます。中国にとってもやりにくい相手です」とし、今後のフィリピンとの関係構築については「中国からフィリピンへの支援は巨額なので、日本は金額では敵わないが、東南アジアの国々が今後、自分たちの力で発展できるように支援するなど、中国とは違う支援の仕方があると思います」とコメントした。
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