11月5日深夜に『AbemaTV』AbemaSPECIALチャンネルで放送されたトークバラエティ『ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT #17』で、MCのウーマン・村本と深い親交があるという、二人の人物が登場。視聴者の間で大きな注目を集めている。
この日の序盤、村本は「(AbemaTVの)藤田社長に直談判して」ようやくその出演が実現したというゲストについて紹介。その人物は、「おそらく皆さん知らない方です。おそらくというか絶対に知らない方です。素人です。まったくの。一般の方です」とのことで、その後、実際に登場したのは、テレビプロデューサーの平松茂生氏と、村本の元相方で、現・カフェオーナーだという森純野氏という異色のペア。
まず平松氏は、数年前、まだ村本が若手中心のローカル番組に出ていた頃の担当プロデューサーで、「親父と二個上だから、子供いらっしゃるっていうのを聞いて、親父から見た子供の話を聞けるから」と、ある日、酒席に誘った際に村本が人生相談などを持ちかけ、平松氏もまた、そんな村本の相談に対して、親身になって答えてくれたことがキッカケで親交が深まった人物なのだという。
しかしそんな同氏は、「僕は腎臓癌で腎臓を1つ摘出して、それがちょっと肺の方に転移して…」と、癌を患い、現在、闘病生活を送っているとのこと。そのため、「今日も実は足痛かったりとか…」「(薬の影響から)絶好調で(顔が)パンパン。もっとええ男だったんですけど」と、どこか冗談めかした様子で語りつつも、やはりというか体調が優れない様子であった。
一方、かつて村本と2~3年コンビを組んでいたことがあるという森氏もまた、「僕は直接、命には関係のない病気」としつつも、「脊髄小脳変性症っていう病気。たぶん皆さんご存知ない方いらっしゃると思うんですけど、昔、『一リットルの涙』っていうドラマがあったのをご存知でしょうか。あれで沢尻エリカさんが演じてた病気なんですよ」と、実は平松氏と同様に現在闘病中で、「ゆくゆくは立たれへんかったり、寝たきりですよね。体が一個も動かれへんかったりだとか、言語に障害が出てしゃべらへんようになる」のだという。そこで「宣告されたとき、そりゃあショックで。うーん、なんていうのかな、残りの人生まとめに入ろうと」考えたという彼は、自分に残された「自由に動ける時間」を使う形で、村本と共に過ごした経験を元に、ボランティアで漫才教室を開いたことを明かすことに。
実はこの日、村本が彼らを呼んだのは、「残された時間を知った人は何を考えるのか?」ということを、実際に病と今まさに向き合っている彼らから聞こうと思い立ったからのようで、同時に「自分の中で感動ポルノ的な、泣かせにかかるようなやつはイヤやったんですよ。病気なんです、かわいそうでしょう?みたいなやつはイヤで、そういうことじゃなくて」と、あくまで“村本流”の内容にしたいという強い想いがあった。
そのため、村本は序盤から言葉を選びつつも、その内容としては、歯に衣着せぬストレートな質問を彼らにぶつけ、彼らもまた、そうした村本に対して、変に気負うことなく、また飾ることもなく、自分の言葉で応じることとなった。
まず、自分に残された時間を知った際の気持ちを、村本から訊ねられた平松氏は、「死ぬの怖くないんですわ。何が怖いって、家族残すのが怖いんですわ」とキッパリ。その言葉に対して「マジで言うてます?」と、どこか信じ難い様子を見せた村本をよそに、同じく妻子持ちの森氏もまた「そう、それ!本気やねんて」と同調。
平松氏は自らの胸中について「独り者でこのまま消えられるんならば、薬もやめて・・・もしそれで癌がデカくなっても、きっと僕、怖くないかなって思うんですけど、実際、家族がいて、子供がいて、この子たちどうなるのやろ?それを置いていけないっていうそっちの怖さがある」、「今まで元気なときって、ホント、生きてることを感じないで平々凡々と過ごしていた。生きていることは事実なんですけど、こんなに一生懸命生きてるのかなーって感じるのは、やっぱり病気になってから」と続けた。
それに対し、「僕、まったく逆なんですよね。この宣告をされて怖くてしょうがない」という森氏は「むっちゃ怖いねん。怖くて怖くてホンマ泣いてしまいそうになる」というが、「でもやっぱり子供やね。子供残して働かれへんようになるとか。子供が大きくなるのを見てあげられへん可能性があるから」と、平松氏と同様に、自らの症状よりも家族のことが気がかりであると語った。
その後も、村本によるストレートな質問に対して、彼らなりの言葉でストレートに応じることとなったこの日の放送。村本自身、「MCモードにならない。テレビ的にしたくなかった」という2時間にも及ぶトークを振り返り、「人の数だけ、僕は本があると思うですね。そう言った時に、僕は本を読まない人間なんで、たとえば素晴らしい人の本でも、僕は読めないんですね。でもここにある二冊の本を手にとって、ちょっと今日、読んでみたいと思うんすよ」としめくくった村本。
「人間てね、ずっと夏休みがあるかように過ごしますけど、でも平松さんよりも先に僕が交通事故とかで亡くなることもありますし、いつどこでどうなるかわからないじゃない」と村本が語るように、誰もがいつか直面する事象でありながらも、日々の暮らしの中でその思考をついつい止めてしまいがちなものであるだけに、村本のみならず、多くの人々にとって 、この日彼らが語った内容は、実に大きな意味を持つものであったと言えるのではないだろうか。
■ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜The NIGHT #17
放送チャンネル:AbemaSPECIALチャンネル
放送日:11月6日(日)01:00~03:00(※オンデマンド視聴可)