■「気持ち悪くなって吐いた」体に変調をきたしている人も

 ドナルド・トランプ氏の次期大統領就任が決まり、世界に激震が走る中、タブロイド紙の紙面にはホワイトハウスの写真に「ハウスオブホラー」という"お化け屋敷"を意味する見出しがつけられるなど、アメリカ国内はメディアを含めて異常な反応を見せている。

 トランプ氏の次期大統領就任が決定した瞬間の移民の感情は、「驚き」だったという。それから落胆、怒り、不安、失望へと変化していった。「朝、起きられない」「気持ち悪くなって吐いた」など体に変調をきたしている人もたくさんいるという。

 トランプ氏が選挙戦演説で不法移民を強制送還させメキシコとの国境に壁を作ると発言していたことから、多くの移民が暮らす"国境の街"カリフォルニア州でも衝撃が広がっている。カリフォルニア州では反トランプ派のデモ隊がたびたび暴徒化しており、今後のトランプ氏の発言次第でメキシコ系移民による大規模デモに発展する可能性もあるとして、当局は最大限の警戒を続けているという。

 「アメリカの歴史上で最悪の決断だ」と住民は肩を落とす。

■在米ジャーナリスト「アメリカ社会の混乱は続く」

 開票から一夜明けた国内では、少なくとも10カ所で抗議デモが行われ、ニューヨークでは、若者やマイノリティー、ヒスパニック系の人たちを中心に約5000人が「私たちの大統領じゃない!」と叫びながら連呼。トランプタワーへと続く数キロの道のりを埋め尽くした。

 ニューヨーク在住24年のジャーナリスト・中村英雄氏が、話を聞こうとメキシコ系、南米系の移民が多く働いているお店に行ったが、皆固く口を閉じてしまっているという。

 移民が感じている一番の不安は何なのだろうか。「デポテーション(強制送還)だろう。どういう形になるかはまだ分からないが、国境周辺、カリフォルニアなどを襲う不安がじわりとニューヨークにまで流れてきている。」と中村氏。移民をベースにしている国で移民を排斥する公約を打ち出したという最大の矛盾がアメリカの混乱を生み出しているようだ。

 トランプ氏は選挙を通して生まれてしまったクリントン氏支持者との溝を埋めようとしているが、中村氏は分断されたアメリカを元に戻すことは「難しい」と話す。「今は、クリントン氏支持者はトランプ氏本人への批判で盛り上がっているためトランプ支持者とクリントン支持派が直接ぶつかることはないが、いずれは直接対決する日がくるだろう。そうなると解決の糸口は見えない」と、アメリカ社会の混乱は続くと分析した。

(C)AbemaTV

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