韓国・朴槿恵大統領の退陣を要求するデモがますます参加者を増やして展開されているが、これからの韓国はどうなるのか?11月26日に放送された『みのもんたのよるバズ!』(AbemaTV)では、コリア・リポート編集長の辺真一氏と自民党参議院議員の青山繁晴氏が登場し、展望を分析した。
一連のスキャンダルで野党は朴氏に対して反発するのは当然としつつも、辺氏によると、本来朴氏を支えるはずの与党議員も分裂し始めているという。与党・セヌリ党の国会議員は130人いるが、多くが脱党することになるとの見方を示した。
今後、朴氏が弾劾決議されることになれば40人が造反すると見られている。辺氏は、「国会では弾劾の可能性が高くなっています。12月9日に決議が採択され、(採択の条件である)3分の2の200人は軽く上回るのでは」と展望を述べた。与党議員の28人が弾劾に賛成すれば、採択になるという。
また、番組では朴氏を裏で操っていたとされる崔順実被告を2年前から、テレビ朝鮮が独自調査していた様子も報告。同社の李鎮東部長の「コ・ヨンテ氏が2014年に私を訪ねてきた。そして崔被告に関する色々な話をしてくれた」というコメントを紹介。コ氏とは、崔被告の愛人とされる元ホストの男性で、崔被告が朴氏の着用する服を選ぶ様子や、大統領秘書を顎で使う様子などが納められた動画を紹介した。
李部長によると、当時コ氏は側近だったものの、崔被告と疎遠になって不満が募っていたのだという。結果的に今回のスキャンダルは、愛人と言われた人物の裏切りから発覚した形だ。番組MCのみのもんた氏は、「元恋人だとか、洋服を選ぶとか変な方向に行ったんだね…」と呆れ顔。
青山氏は「そのくらいだったら問題なかったのですが、企業の金を出させるとかになったから問題なんですよ」と今回の問題の本質について言及した。そして、辺氏は朴氏が「弾劾」される方向に向かっているとの見立てを語る。
「野党がその手続きに入っています。早ければ12月2日、遅くとも9日に本会議に提出します。議席の300の内200は確保しているでしょう。投票は無記名なんですよ。だから、党則が利かないんです。与党は40人ぐらいが造反すると見られています。国会で可決した後、憲法裁判所で弾劾決議から180日以内に罷免するかどうかを判断します。大統領罷免から2カ月で大統領選挙があります。弾劾が通ると大統領は職務停止。2カ月間最高裁の判断があるわけですから、4カ月も大統領不在の状態となります。そこまで空白状態にはできないので、憲法裁判所が棄却するのでは、とも言われています」
あまりにも影響が多いため、朴氏は罷免にはならないのでは、という見方もあるようだ。こうした状況に青山氏はこう意見する。
「アメリカの最高裁でもそうなんですよ。大統領制ってこうなるんですよね。日本みたいに議院内閣制だとしっかりしていると別です。韓国は大統領制が向いていない国なんです。議員内閣制にすればいいです」
これにはコメンテーターのコラムニスト・吉木誉絵氏も「大統領の権力に群がる傾向があるこれまでの状況を考えると議員内閣制がいいです」と語り、辺氏も同意。
「崔一派が力を持っていたのですね。この一派が朴氏を大統領にさせてあげた。当然おこぼれをもらってしかるべき、となったのです。歴代大統領全部がそうです。側近が悪さをする。『誰のおかげであなたは大統領になれたの?』という考えを持ち権力を持つのです」(辺氏)
青山氏は、果たして弾劾から半年もの間国民がデモを毎週し続けられるか? という疑問も述べた。そして、辺氏は朴氏側が時間稼ぎをしたいという考えを持っており、「今、誰よりも北朝鮮に核実験をやってもらい、ミサイル撃ってほしいのは朴氏です。そうすれば世論がそっちに行く」という笑えないジョークのような状況もあると解説した。