今年5月に東京都小金井市で起こったストーカー事件を覚えているだろうか。ファンの男に刺され、一時意識不明の重体となっていた女子大学生の冨田真由さんが先週金曜日、『警察への不信感』を綴った手記を発表した。

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 殺人未遂などの疑いで逮捕・起訴されたファンの男は今年1月頃からライブ終わりの冨田さんに連絡先をしつこく聞いていたという。その後、男が自身のTwitter上で冨田さんに関する書き込みを続けたことから、5月9日、「Twitterに執拗な書き込みがある」と冨田さんが警察に相談した。

 しかし、惨劇は起きてしまった。5月21日、男は冨田さんの首など20箇所以上も刺し、意識不明の重体に陥れた。冨田さんについて、代理人の高田沙代子弁護士は「手や首元や顔あたりの見えるところの傷を見えにくくする再手術をする予定。刺された際の出血がひどく、脳梗塞を起こしたので、視野の一部が見えにくくなっている」という。

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 事件後、警察は2度にわたって冨田さんと面会・聴取を行ったという。今回公開された手記の中には、

 「挨拶が終わった後の最初の言葉が『本当に殺されるかもしれないと言ったんですか』でした。その後も、私が『殺されるかもしれない』という言葉を言ってないのではないかと何度も聞かれました。でも、『殺されるかもしれない』という言葉を私は絶対に伝えました」

 「この事実を警察が認めないことに怒りを通り越して悲しみを感じています」

 「警察がどうして私の相談を真剣に受け止めてくれなかったのか」

 「警察には、命の危険を感じていることがわかる資料をいくつも持っていきました」

 「ひとつひとつ説明をし、『殺されるかもしれない』と不安や恐怖を訴えました」

 と警察に対する怒り、悲しみの感情が綴られており、

 「犯人の勝手な思い込みや都合、感情だけでなくなっていい命はどこにもありません」

 「警察がこの事件のことを本当に反省してくれていないと、また同じことが繰り返されるのではないかと心配です」

 といった内容で締めくくられている。高田弁護士は、「冨田さんは今後このような事件が起きてほしくないという強い思いがあった」と手記を公開した理由を明かした。

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 同じ日、警視庁はこの事件の最終報告を発表、冨田さんが相談した際の『殺されるかもしれない』という発言に対しては確認ができないとしながらも、「思いをくみ取ることができなかった」と、対応に問題があったことを認めた。

 実際にストーカー行為の被害に遭ったことがあるという芸人の村本大輔さんも「自分が警察に『ストーカー行為を受けている』という訴えをしてから警察が動くまで、2~3年もかかった」と、ストーカー事件に対する警察の"腰の重さ"を指摘、「このようなストーカー被害にあって恐怖を感じている人は世の中にたくさんいると思う。警察は影響力のあるタレントのような人物でないと手柄にならないため、対応しないのではないか」と話す。

 元千葉県警の田野重徳氏は「そんなことはあってはならない。警察は命を預かっているわけであるから、手柄を考えている警察官がいるとするならば、その方には今すぐやめていただきたい」と訴える。そして、「この事件に関して警察側を擁護するわけではないが、警察の人数が不足しているのは現状だ。警察がもっと多ければ、絶対にこういった事件はなくなり、絶対に治安はよくなる」とコメントした。

 来年1月3日、SNS上でのメッセージ等も規制の対象に加えられた改正ストーカー規制法が施行される。

(C)AbemaTV

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