1月8日(日)、インターネットテレビ番組『偉大なる創業バカ一代』(AbemaTV)が放送された。MCはキャイ~ンの天野ひろゆきとグラビア系アナウンサー伊東紗冶子が務めるこの番組は、強い信念を貫いて一代で会社を大きくした創業者たちをスタジオに招き、体験談を紐解いてタメになる教訓を引き出していくというビジネスバラエティ。
第1回の放送では日本のカレー専門店チェーン最大手である「カレーハウスCoCo壱番屋」の創業者、宗次德二氏が登場した。「カレーハウスCoCo壱番屋」は現在1451店舗。カレー専門店の全国展開の先駆けで、その店舗数はギネスにも登録されている。
創業者として成功を収めた宗次氏だが、その人生は波乱万丈だった。終戦間もない1948年に生まれた宗次氏は親がおらず、施設に入れられていたのだそう。その後、宗次氏を引き取った養父となる人物は競輪狂いとなってしまい一家は夜逃げ。雑草を食べるなどして飢えを凌いだという。宗次氏は「草食系男子」というと天野から「意味合いが違います」とツッコミを受けていた。
15歳で養父は他界し、その後結婚。不動産業を営んでいた宗次氏だったが、夫人とともに始めた喫茶店がきっかけで、飲食業に一気に目覚めてしまう。多忙過ぎて踏切で夫婦で寝てしまうこともあったのだそう。宗次氏はお客様第一なのだとして「お客様 笑顔で迎え 心で拍手」と標語を披露した。
夫人の作っていた家庭のカレーがきっかけで始めたカレー専門店の運営について、宗次氏は「(誰かに)相談していたら、1号店出店は無かったです」と明かし、立地も悪く、素人のカレーで挑む勝負が如何に無謀だったかをふり返った。
宗次氏は53歳で社長を引退し、今でも街を華やかにしようと通りに花を植えるボランティアをしていることや、毎朝3時間かけて1000通のアンケートハガキを熟読していること、社長時代には1軒しか店を撤退していないことなど、驚きのエピソードを次々と披露していった。また、引退については「経営者人生で最大の喜びです」と、信用のできる後継者に事業を託せる喜びを語った。
宗次氏は現在、私財27億円を使って建てたコンサートホール「宗次ホール」で、音楽での社会貢献を行っており、会場では一番後ろで折りたたみ椅子を使って観るのだという宗次氏に、天野が理由を聞くと「困っている人多いから、そちらに使いたい」と語った。
最後に起業を目指している若者に一言と求められた宗次氏は「起業をやめましょうよ、不幸になりますよ」と発言。これに天野が驚いていると「人生一度だけですから、本気でやり続ける覚悟があるんだったら、明日でもやりなさい」と付け加えた。
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