アメリカのトランプ次期大統領は1月11日、ニューヨークのトランプタワーで大統領選後初めての記者会見に臨んだ。会見でトランプ氏は、会見前日に「トランプ氏が性的なスキャンダルを抱えている」と報じたCNNの記者に対してケンカ腰で非難した。CNNの記者はその後トランプ氏の報道官から「会場から締め出すぞ」と恫喝されたという。また、記者を取り囲むように動員されたスタッフや支援者から異例の拍手がおこる一幕もあった。
CNNは会見前日「ロシアがトランプ氏に不利な個人情報をつかみ妥協を引き出そうとしている」と報じていた。BuzzFeedによればその個人情報とは「トランプ氏はホテルの一室に売春婦を呼び寄せ放尿させた。ロシアがその情報をつかみ妥協を引き出そうとしている」というもの。国際情勢に詳しいジャーナリストの小西克哉氏によると「そのホテルはロシアのリッツカールトンのオバマ大統領も宿泊したスイートルームと言われている。そこで放尿させるということは完全にオバマ大統領へのあてつけでは?」と推測する。
CNNはBuzzFeedの報道を受け「BuzzFeedが報じている」という文脈で報道していた。トランプ氏は「全部でっちあげだ。BuzzFeedが書いていることは紙くず同然だ!」と激しく非難。一方でBBCニュースは「素晴らしい局だ」と褒め称えた。
メディアに対し強気な姿勢のトランプ氏。トランプ氏はどのようなメディア戦略を目論んでいるのだろうか。小西氏によると「今回の会見は “トランプスタイル”。メディアを分断するという、トランプの術中にはまっている」と分析する。マスメディアに対する反感が高まっているアメリカで、トランプ氏は既存メディアの分断を目論んでおり、今回の会見は戦略的な演出だったのではないかと分析する。さらに今回のトランプ氏の会見では、記者を取り囲むようにスタッフや支援者が動員され、時折、トランプ氏に対して拍手をする一幕もあった。小西氏によれば「そんなことは前代未聞」だという。
20日に迫った大統領就任。トランプ新大統領とメディアの対立は当面埋まりそうもない。
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