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 「フェイクニュースと戦うメディアでありたいし、よりインターネットの信頼性が高まるように努力していきたい」

 先週、立ち上げから一周年を迎えた『BuzzFeed Japan』。政治・経済、動物ネタからクイズまで、様々なジャンルの記事を配信、1年間でサイトの月間訪問者数は1600万人を突破したという。今、飛ぶ鳥を落とす勢いのインターネットメディア『BuzzFeed Japan』は、いかにして"バズる"記事を制作しているのだろうか。編集部を直撃した。

 『BuzzFeed Japan』の編集部は、男女25人ずつの総勢50人で構成されている。昨年DeNAの「WELQ問題」を追及し、サイトを一躍有名にした記事を執筆した井指啓吾記者。医療系サイト『WELQ』に掲載された内容に不正確なものも多く、盗用も含まれていることを指摘、いちはやく関係者に取材した。その後、この問題はテレビや新聞等でも報道され、DeNAの経営が記者会見で謝罪するとともに、サイトは非公開に追い込まれた。

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 井指氏は「もともと話題になりつつあったものを改めて見てみたら問題があるなと思い、これを報じるために記事にした。これまでBuzzFeedを見ていなかった人にもあれは届いたと思うし、世の中を少しよくできたのかなと思う」と振り返る。

 熱いジャーナリスト魂の持ち主であるという石戸諭記者は、熊本地震の直後に現地入りし、大きな被害を受けた益城町などの状況を逐一記事にした

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 「僕の記事は長いんです。前職が新聞社だったんですけど、長いものはどうしても新聞には収まりきらない。『紙の枠』を外してみて、何ができるのかと1年模索した結果ここで働いている。自分のやりたいことを丁寧に出すことが大事」(石戸記者)

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 一方、柔らかい生活ネタで"バズる"記事を生んでいるのは、與座ひかる記者。與座記者が制作し、大ヒットを記録した記事のタイトルは「視力1.5と視力0.01の世界。どれだけ違う?再現してみた」。目のいい人がどう見えているのか、目の悪い人がどう見えているのか、画像加工で再現した。記事は瞬く間シェアされ、リツイートは約15000件に達した。Yahoo!のトレンドワードにもランクイン、多くの人に拡散した。

 BuzzFeed Japanの創刊編集長・古田大輔氏は「人の心を刺激して誰かと繋がりたい、と思わせるコンテンツがバズる。普段ニュースを読まないような人でも読んでくれるような形にする等、1年間かけて挑戦した結果、硬くて長い記事でも、若い人たちも喜んで読んでくれるものを少しずつ見つけることができた」と話す。

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 今月、大統領就任を直前に控えたドナルド・トランプ氏は、自身のスキャンダルを含むメモを未確認のまま公開したBuzzFeedを、CNNとともに名指しで批判した。

 先日来日したBuzzFeedのナンバー2、スコット・ラム氏は「トランプ大統領はBuzzFeedの特徴を誤って捉えている。我々はニュースのメディアとして事実を伝えてきた。ビジネスだろうが、政界だろうが、権力を持った人たちでも報道してきた。トランプ大統領についても過去の大統領と変わらず報道する」とコメント。「政権とメディアで緊張感が生まれるのは当然。トランプ大統領とホワイトハウスは今後もメディアと一定の距離をとっていくだろう」との見方を示している。

 アメリカの大統領に対しても真っ向から信念をぶつけるBuzzFeed。

 「あのトランプの発言でひるんだメンバーはいなかった。トランプがBuzzFeedに向かって言った『Failing Pile of Garbage(くそったれのゴミの山)』を記したグッズを製作して販売し、それで集まったお金をジャーナリストの団体に募金した」(古田編集長)。

 二年目を迎えて展望、そして課題について古田編集長は「1年で月間訪問者数が1600万人を突破したというのは、かなり早いペースの成長だと思う。Facebookで言えば、400万人に近い人が僕たちのページをフォローしている。しかし、これは成長の途中の段階にすぎないと思っている。もっと多くの人に、より信頼できる、より多様な記事を届けられると思っている」と語った。

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