2月5日、ディファ有明で開催されるパンクラスのメインイベントに、女子ファイターの朱里が登場する。
【プロレスと格闘技をあえて区別せず、貪欲に闘い続ける佐藤光留。】
もともとプロレスラーとして活躍していた朱里だが、並行して格闘技にも進出。立ち技格闘技イベントKrushでは初代女子王者となり、MMA(総合格闘技)ではUFC参戦を目指し、パンクラスで3連勝。
まだキャリアは浅いものの、他ジャンルでの実績はあり、試合ぶりも堂々としたもの。大手プロモーションも注目しているというから、今回メインでフィンランドのミナ・グルサンダーを下せば大きなステップアップになりそうだ。UFC、さらにRIZINと女子MMAへの注目度が上がっている中、朱里はその“本命”になりうる存在だと言っていい。
また、この大会にはもう一人、プロレスラーが出場する。佐藤光留だ。パンクラスに入門し、パンクラスでデビューし、今もパンクラス(MISSION)に所属するパンクラシスト。しかし同時に、鈴木みのるに厳しく育てられた、生粋のプロレスラーでもある。
DDTではKO-D無差別級タイトルを獲得し、総選挙の1位にも。現在の主戦場である全日本プロレスでも独自の存在感を示し、アジアタッグ、世界ジュニアのベルトを巻いた。“U系”のプロレスイベント『ハードヒット』でも注目を集めている。
その一方で、現在の佐藤はゆっくりとしたペースではあるがMMAにも登場。プロレスラーとして成功したのに、ではなく、プロレスラーだからこそMMAで闘う必要があると佐藤は考えている。なぜなら「僕は今でも、プロレスが最強の格闘技だと信じてますから」。
パンクラスだけでなく、2014年にはDEEPの大晦日興行にも参戦。また2015年は立ち技格闘技シュートボクシングのリングにも上がっている。プロレスラーとして強さを求め、強さを示す。その最前線にいるのがこの佐藤なのだ。
2.5パンクラスで対戦するのはジョナサン・アイビー。キャリア90戦近い40歳のベテランで、勝利の大半がサブミッションによる一本勝ちだという。体重は約120kg。佐藤は80kg台だから、かなりの体格差だ。とはいえプロレスラーである佐藤は、ヘビー級との対戦も臆するところはないだろう。
プロレスラーは毎週のようにリングに上がり、観客の前で闘いを見せている。その場数、経験値によって得られる強さもあるというのが佐藤のスタンスだ。プロレスと格闘技は分けて楽しむのが当たり前の時代に、あえて枠を取っ払う佐藤。MMAでの勝利を、2月17日から始まる全日本プロレスのリーグ戦『Jr.BATTLE OF GROLY』につなげたい。
文・橋本宗洋