映画『ReLIFE リライフ』が4月15日(土)から全国公開される。原作は、人気No.1マンガアプリ「comico」で連載中の同名コミック。社会に絶望した27歳のニート・海崎新太が社会復帰実験プログラム「リライフ」に参加し、1年間限定の高校生活を送るうちに、友人と出会い、想定外の恋をし、“今”を精一杯生きるようになるまでの姿を描く。
17歳を再び経験することとなる27歳の主人公・海崎を演じるのは、若手注目株の俳優・中川大志。海崎のクラスメイトで不器用な女子高生・日代千鶴役は女優の平祐奈が演じる。撮影当時、主人公たちと同じく現役高校生だった彼らは、どのように『ReLIFE リライフ』と向き合ったのか。話を聞いてきた。
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世話好きの主人公・海崎に共感
ーー演じた役とご自身に共通点はありましたか?
中川:海崎は人の世話を焼きがち。よく言えば面倒見が良くて、「おせっかい」と言われることも多々あるし、人に何かをしてあげたいという気持ちが強い。僕もその気持ちは分かります。人に何かをしてもらうよりも、何かをしてあげたいと思う気持ちが強いです。
ーー海崎は転校生ながらも、クラスの中でリーダー的な存在になっていましたが、中川さん自身は現場では?
中川:どうでした?(笑)
平:そうですね。主演ということもあって、ムードメーカーというか、明るい感じで。現場を引っ張ってくれました。
平祐奈は「明るさ」を人にした感じの人
ーー人と壁を作りがちな日代役に、平さんをキャスティングしたことに意外性を感じました。平さん自身に驚きはありましたか?
平:意外ですよね!
中川:僕も驚きました!
平:私が一番驚きましたよ!何で私にきたんだろう?って、私、大丈夫かな?って、不安でしかなくて(笑)
ーー日代と共通点は?
平:ないですね!日代は人に興味がないタイプなんで。私は人に興味しかないです。
中川:僕、中学2年生くらいから彼女と知り合いなんですけど、映画は3回目で、朝の番組も2年間レギュラーを一緒にやっていて。(平は)「明るさ」を人にしたらこんな感じって人なんです。「楽しい」「明るい」「面白い」みたいな。そんな人なのに、日代役をやるんだって。
撮影に入る前も、一生懸命「大志くん。私今回日代さんだから、現場でもなるべくはしゃがないようにするね」って神妙な顔で言ってきて。けど現場入って2時間くらいで、もう楽しくなっちゃって(笑)
平:だって楽しんだもん!
中川:現場入ったら一生懸命集中して気持ち作っている姿が、僕、もう、面白くて(笑)普通に絡みに行くとすぐのってくるんで、ちょっかい出していました。
平:それで、私がのると「ダメだよ日代さん、そういうの」って(笑)
平祐奈が見た「中川大志の18歳らしい一面」
ーー今回の共演で、改めて知ったお互いの一面はありますか?
平:私はあります!13歳から知っていて、同い年なんですけど、今まで同い年だって思ったことが1度もなかったんです。落ち着いているので、ずっと大人っていうか、お兄さんのように感じていて。でも、今回『ReLIFE リライフ』の現場で可愛らしい一面をたくさん見られて、18歳なんだなって改めて思いました。初めて。
中川:初めてかよ!
平:大人っぽいんですけど、こんな可愛らしい一面を持ち合わせているんだなって。ギャップを感じました。
中川:どちらも持ち合わせているんです(笑)
平:ねー!すごいと思う国宝級イケメンは(笑)
ーーギャップ萌え的なことが?
平:ナイターシーンの撮影があったんですけど、寒い時で、本当に火を焚いているストーブがあったんです。そしたら、大志くんが「ハッピーターン焼いたことある?」って言ってきて。「ない」って言ったら、みんなの分焼いてくれて。マシュマロとかもスーパーでわざわざ買ってきてくれて、それを焼いてくれるっていう。「これが1番いい焼き加減」って(笑)
中川:本当にみんな楽しい人しかいなかったんで、待ち時間をいかに楽しく過ごすかっていう。お腹は常に空いているので。
僕焼くのが好きなんですよ。結構現場でよく焼いているんですけど、それをみんなに広めたくて(笑)
平:私が結構せっかちなんで。ついついくるくる回してしまうんですけど、「祐奈、それがダメなんだよ。もっと気を長く持たないと」って注意されました。
原作をまとめた研究ノートを作成 平祐奈の真面目な役作り
ーー逆に平さんのギャップは?
中川:ギャップはないです。そのまんまです。
ただ、映画を3回一緒にしたんですけど、毎回思うのが、女優として毎回成長しているんですよね。僕が言うのも偉そうなんですが、毎回すごいなって思っています。一緒に仕事をするのに、そんな長い時間空いていないんですけど、いろんな現場でいろんな監督とやっているから、すごい吸収してきているんだなって。
平:去年2本一緒に撮ったもんね。去年の2月に撮って、去年の年末に『ReLIFE リライフ』を撮って。
中川:1年も経たないうちにすごく刺激を受けたんでしょうね。
日代役との向き合い方もすごくて。役作りにすごく真面目で、日代についてまとめたノートを作っていたんですよ。そのノートにブワーーーって分析した事を書いたり、漫画を切りぬいて貼って表情を研究したり。漫画へのリスペクトって、原作ファンの方は絶対に感じるところだと思うので。すごい研究していて、すごいなって思いました。表情とかも、すっごい練習しているんだろうなって感じなんですよ。日代の「ニタリ」っていう笑い方とか。
ーー笑いの研究をされていたんですか?
平:漫画を見ていると、「ニタリ」がたくさん出てくるんです。その中で、右(の口角)を上げるニタリとか左を上げるニタリとか、両方上げるニタリとか。狩野に向けてのニタリとか。いろんな種類があったので、それを切り取って1ページにまとめていました。カメラの位置によってニタリを変えてみたり、いろいろ考えてやっていました。
中川:練習したの?
平:しました。家で、鏡とにらみ合いっこして。
撮影1ヶ月間で青春を経験
ーー学園モノにたくさん出演されていますが、今回の作品で特に感じたことはありましたか?
中川:僕は実際に学生なのですが(※)、27歳の海崎として学生生活を送る役を演じたことによって、はたから学生時代を見ることができました。今までの学生役とは全く違いました。いつもは等身大で演じることが多いんです。でも、今回は学生としての感覚を排除して演じました。
大多数の人が卒業した後に「学生時代って一瞬で、濃くて、あんなにキラキラしているんだ」っていうのを、この役で感じることができました。
平:学園祭のシーンとか、お祭りのシーンもそうなんですけど、実際に「やりたい」と思っていながら経験したことがなかったので楽しかったです。自分の高校にはそういう学園祭がなかったので、今回の撮影1ヶ月間で青春を感じました。
(※)インタビュー時、2人は高校に在学中。
憧れの女優は宮沢りえ 「悪女役をやってみたい」
ーー今後出演したい作品や、演じてみたい役はありますか?
平:悪いことする役!悪役、悪女を演じてみたいです。
ーー憧れの女優は?
平:宮沢りえさんです。
ーー確かに悪女役もされていますね。
平:いろんな役をされてますよね。でもどんな役を演られても品があって。憧れます。
ーー中川さんは?
中川:憧れの俳優さんも、やりたい作品もいっぱいあります。一緒にやりたい監督さんもたくさんいるので、だから言えないです。「この監督の作品に出たい」とは。
今はいろんな役をやりたいです。今まで演じていない役や作品とたくさん出会いたい。
仲の良さがにじみ出るインタビューとなったが、それもそのはず。2人は『ReLIFE リライフ』の中でも共に青春を過ごしている。彼らが過ごしたかけがえのない日々は、スクリーンを通して観客の心にも響くことだろう。
インタビュー・テキスト:堤茜子 写真:長谷英史