もし急に何かを思い出せなくなったら。ある日突然、何か一つのことに執着するようになったら。それは洗脳の兆しかもしれない。
CIAの超極秘プロジェクトに「MKウルトラ計画」というものがある。政治評論家の落合浩太郎氏によると「1951年に始まったと言われている。薬などを使って人の心を操作するマインドコントロール」だという。
「きっかけは朝鮮戦争が始まって、アメリカ兵が捕虜になる。すると、どうも彼らがソ連や中国でそういうことをされていると。薬を投与され、洗脳されて"アメリカは間違っている、資本主義は間違っている、社会主義は正しい"と。それに対抗して始まったようです」。
落合氏によると、計画には外国の指導者をマインドコントロールするという目的があり、その最大のターゲットはキューバのカストロ議長だったという。敵国の指導者を暗殺するため、人を洗脳しようとしていたとも言われている。最初は動物実験から始まり、次に研究者自らが被験者になった。そして、さらにデータを集めるために一般の人へと広げていったという。
CIAは人間の行動を操作するために、薬や電気ショックなどを用いた洗脳実験を繰り返していたという。そこで度々使われていたのが、LSD。陣痛の促進や分娩後の止血剤として使われていたこともあるという幻覚剤だ。無臭、無味、無色で微量でも効果がある。落合氏によると、実験でLSDを投与されたのは、囚人や精神病院の入院患者だったという。「被害者、LSDを使われた人はモルモットに近い扱いで、(本人の)同意がなかった」。本人や家族が訴えて補償金を得られたが、それはごく例外的なケースだったという。
「大学や製薬会社、政府とか州の機関とか医者が協力して、80の機関、185人の民間研究者が参加したと言われています。しかし、80の機関の大部分は現存しない。つまり、CIAがダミーで作った機関だったりする。今でもちゃんと残っているのが、メリーランド大学やジョージワシントン大学。ただし、CIAとは知らずに協力している。知っていたら協力しなかったでしょうね」。
オカルト作家の白神じゅりこ氏は「朝鮮戦争でアメリカ軍の兵士が中国に捕虜として捕まった時に、共産主義者になって帰ってきた。実際にやっていたことは、アメリカ兵に"タバコをやるからこの紙に共産主義は素晴らしいと書いてごらん"と。他にはみんなの前で共産主義はすばらしいと言わせる」と、洗脳の様子を語る。それを興味を持ったCIAが「MKウルトラ計画」を立ち上げたのだという。
白神氏によると、リンダ・マクドナルドという女性が知らないうちに被験者にされた例があるという。彼女は妊娠後のうつを治すために病院に行ったところ、電気ショックを与えられたり、薬を飲まされて過剰に眠らされた。結局、自分の夫の名前も子どもの名前も思い出せなくなり、トイレのやり方も分からなくなったのだという。
一般的には失敗したと言われている「MKウルトラ計画」だが、実は成功例はひた隠しにされている可能性があると白神氏は指摘する。
「1960年代で打ち切られたことになっていますが、場所を変え、時を隔ててまだ続いているという陰謀論もある。ケネディ大統領を暗殺したオズワルド、レーガン大統領の暗殺を企てたジョン・ヒンクリー、ジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマン。彼らには共通することがある。ライ麦畑でつかまえて、という小説を携帯していたという話がある」とし、その作者・サリンジャーがCIAと太いパイプでつながっており、CIAにMKウルトラ計画の一環としてその小説を書かされていたという説もある」と持論を展開した。
謎のベールに包まれる「MKウルトラ計画」。その真実が明らかになる日は来るのだろうか。(AbemaTV/AbemaPrimeより)