23日夜、"安倍総理に最も食い込んでいる"ジャーナリストの山口敬之氏が『AbemaPrime』に出演、森友学園の籠池理事長の証人喚問、そして日本外国特派員協会での会見について解説した。
山口氏は「個人的な感想をあえて言えば、心がすさむやりとりだったなと。結局刑事訴追されかねないのでと証言を断った箇所以外は、少なくとも一度は籠池さんのことを応援しようとした人、あるいは籠池さん側が学校設立のために依頼した人たちの名前を次々と言い続けた証人喚問でしたよね」と指摘。「手のひらを返す」「ハシゴを外される」といった表現を何度も使ったことに対しても、「結局、今まで頼りにしていた保守政治家の人たちに梯子を外されたから出てきたと言う。相手の政治家を"忖度"と言う形で追及しようとするスタイルに違和感を覚えた」と籠池氏を批判した。
また、「まず、政治と口利きは切っても切り離せない。"学校を設置したい"と政治家に相談することそのものがいけないのであれば、それを違法となるような立法をしなければいけない。彼が偽証罪のリスクを押してまで出てきたという背景を解き明かさなければいけない」とし、籠池氏の証言を検証するとともに、証人喚問出席の意図を分析した。
■昭恵夫人のコメントと一致
昭恵夫人が人払いをし、二人きりになったところで100万円を渡したという籠池理事長の証言。山口氏は「当時昭恵さんには、経産省から来ていたキャリア官僚の谷さんという方が随行していた。彼女は昭恵さんがどういう会話をしたかメモを起こす役割で、その場を外すことはない。官邸が聞き取りをしたところによると、谷さんも、その場にいたもう一人も、昭恵さんに3年間仕える中で"席を外してくれ"と言われたことは一度もない、と証言したという。籠池さんとはまったく正反対」と話す。
また、籠池理事長が明かしたFAXについても、「昭恵さんの携帯を鳴らしたけど、留守電になって反応しなかったから、谷さんに書面を出した。谷さんは、知り合いに相談をして、お力になれません、できませんとFAXでお答えし、後で昭恵さんに報告した。つまり昭恵さんは関与していないけど、報告はしたというの話で、これも籠池さんの証言とは食い違う」とし、籠池氏側が谷氏に送った封書の写しを披露した。
これらの山口氏の解説は昭恵夫人がFacebookに投稿したコメントの内容とも一致する。
■大阪府の監査を先延ばしする意図が?
では、偽証罪のリスクを冒しても証人喚問に臨んだ籠池理事長の狙いはどこにあったのか。
山口氏は「籠池さんは、昭恵さんや政治家の協力があったから神風が吹いたというストーリーを作ろうとしている。沢山の人の名前を出して、証人喚問に呼んでくださいと言った。実は3月21日、森友学園には大阪府の強制監査が入る予定だったが、証人喚問によって延期になった。籠池さんとしては、証人喚問のゲームが続く限り、企業経営者として"死刑宣告"を受けることが先延ばしできる。また野党を見方に付けられるという戦略がなければ、ここまでのことはしないのではないかという見立てもできる」と指摘。「昭恵さんを巻き込もうとする籠池さんと、16日に面会した野党の4議員の安倍政権倒したいという利害が一致した。実際、今日の証人喚問で、昭恵さんと親しいということが野党の人とのやり取りで強調された」とした上で、「他にも国会で語らなければならない問題がある中、このまま証人喚問を繰り返してGWまで行くというようなことがあると国会のあり方が問われる思う」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)