酒におぼれ、人生を棒に振ってしまう恐ろしい病気、アルコール依存症。最近では、女性のアルコール依存症が増えているという。SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』では、アルコール依存症をテーマに、当事者たちが赤裸々に語った。
就職を機にお酒にハマり、アルコール依存症を経験したOLの大久保麗子さん(仮名)は、病院へ受診し、“シアナマイド”という薬を処方してもらい、毎朝飲んでいたという。シアナマイドは、アルコールの分解過程が抑えられ、少量の酒を飲んだだけで不快な悪酔い状態となる薬だ。「薬を飲んでからお酒を飲むと救急車に呼ばれることになると先生に言われたので、断酒を続けることができた」と語った。
(画像:アルコール依存症を経験したOLの大久保麗子さん[仮名])
しかし、薬を処方されてもなかなか酒を立ち切れなかった人もいる。酒が原因で離婚を経験し、現在では全日本断酒連盟理事を務める宮田由美子さんは「酒を飲まないんじゃなくて、薬を飲まないほうを選んでいた」と、アルコール依存症患者だった当時を振り返る。さらに、薬を飲んだ日であっても我慢できずに酒を飲み、ときには幻聴や幻覚が見えることもあり、救急車を呼ばざるをえない状況に。アルコール依存症により、4年で5度の入退院をした。
SHELLYが「どれくらいの期間、入院するんですか?」と聞くと、宮田さんは「3カ月間です。救急車で運ばれて、目を覚ますと鉄格子のある部屋に閉じ込められていて……3カ月後、そこを出たらまたすぐ飲酒という生活。なぜ飲むのか自分でも分からなかった」と回答した。
(画像:全日本断酒連盟理事を務める宮田由美子さん)
最終的に酒をやめることができたのは子供のおかげだという。「最後に救急車で運ばれたとき、子どもが泣き叫びながら追いかけてきた。子供が『お母さんお母さん』って泣いて追いかけてくる中、救急車の扉がバタンと閉まって。救急車の中で『このままだと、お金も信用もなくなって、子どもまで引き離されてしまう』と思った」と話した。宮田さんは、これをきっかけにお酒をやめ、30年経つという。
アルコール依存症患者を診療し続けて30年のベテラン精神科医・堀川百合子先生は、アルコール依存症を脱するためには「本人がこのままではいけないと自覚することがもっとも大切」と話す。「病院だけに頼らず、同じ経験をしている者同士で話したり、家族の力も大切です」とし、周りからのサポートも重要だと語った。
(C)AbemaTV
(ライター/小林リズム)
『Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~』は毎週金曜24時から放送中