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■街の声は「石破総理」、専門家からは「小池総理」「岸田総理」との意見も

 2017年度予算が27日に成立、後半国会に突入する中、「森友学園」をめぐる問題は終息の兆しを見せない。

 安倍総理の退を求める声や、解散・総選挙というワードも飛び交う中、先週末に行われたANNの世論調査では、森友問題での答弁に関して8割の人が「納得しない」と答えた一方、内閣支持率の低下はわずか4%にとどまり、50.5%以上の人が「支持する」という結果になった。

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 仮に安倍総理が退陣した場合、"ポスト安倍"は誰がふさわしいのだろうか。街で聞いてみると、

 「希望は橋下さん。自分は大阪出身だが、大阪の時も言っていることは間違いなくやっていた」

 「麻生さん。経済が要になってくる中で、今経済担当の、麻生さんが発言力を持ってくるのではないかと思う」

 「石波さんなんかが面白いと思う。与野党関係なしに自身の考えや国のためを思って言ってくれている」

 「小池百合子さんに頑張ってもらいたい。バサバサ言いたいことを言ってくれるから。この調子で首相になって悪を糺して欲しいなと思う」

 といった声が上がり、「石破茂衆議院議員が最もふさわしい」という声が最も多い結果になった。

 では、専門家が考える"ポスト安倍"の有力候補は一体誰なのか。

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 「準備ができているという意味で言えば、石破茂。過去に立候補した経験もあるし、地方の自民党支持もあり、政策経験、あるいは政策を考えるということを含めて一番可能性がある」。そう話すのは慶應義塾大学大学院の曽根泰教教授。防衛大臣など、閣僚を歴任し、鉄道オタクとしても知られる石破茂氏が、今イチオシの総理候補だという。

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 駿河台大学の・成田憲彦教授は「小池さんは非常に才能ある人であることは間違いない」と小池都知事を絶賛。今までいくつもの党を渡り歩いてきた小池百合子氏だが「感性的、感覚的に国民が求めているものとか、それを見抜いて、それを形にするとか。必要な時に決断をするとか、行動するとか、そういうところでは今の政治家の中、国会議員、地方政治家を合わせて超一級」と語った。

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 政治ジャーナリストの千葉科学大学・小枝義人教授は「岸田さんを推したい。例えば外交、それから安全保障、それから環境、こう言った問題をあなたはどう考えますか?と聞かれた時に、何も見ずに1時間ぐらいは自らの見識をきちんと語れる」と、平和を愛するハト派として知られる岸田文雄外務大臣が有力だ話した。

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 日本大学法学部の岩井奉信教授も、岸田氏が有力だと話す。「外務大臣としての実績、派閥を率いているということ。そして、ハト派としてひとつの外交理念を持っているということ」がその理由だそうだ。しかしながら「まずは"ポスト安倍"は安倍氏自身だというのが一般論だと思う」と指摘、最も有力な"ポスト安倍"は安倍、というのが一般的な認識だろうと言い切った。

■"ポスト安倍"はやはり安倍なのか

 長期政権が続く理由について、前横浜市長の中田宏氏はこう説明する。

 「金融緩和で経済をそこそこ安定させている上で、安全保障法制など、自身のやりたかったことをやってきた。今までそこに踏み込んだ政治家は日本の中にほとんどいないから、そこが積極的評価になっている。また、菅官房長官が安定している。目配り気配りが利いて、あっちこっちに先回りをして手をかけていく。そういうことをやっているから、安倍さんがある意味でスターとして表舞台で踊っていられる」とし、内閣が"チーム"として安定していることを理由に挙げた。

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 政治評論家の有馬晴海氏は「安倍さんは憲法改正をどうしてもしたいというような思いがある。そうなると半年や1年の話ではなく、3年くらい後までみてやろうと。あと東京オリンピックをもってきたというのも自分がやりたいという思いがある。籠池問題も乗り切っていくのかなということを踏まえて言うと、それなりにいくのだろう」と話す。

 ANNの世論調査と同じように、共同通信の調査でも内閣支持率は52.4%と50%以上をキープ。さらに日本経済新聞とテレビ東京の調査では2%アップの62%という結果が出ている。

 森友問題に関する安倍総理の答弁に関しては多くの国民が不満を持っているにもかかわらず、一体なぜ内閣支持率には大きな影響が出なかったのか。

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 政治ジャーナリストの宮崎信行氏は、有権者に「他に選択肢がない。安倍さんが辞めて誰が総理になるのか。蓮舫総理というのはイメージが湧かない。具体的には安倍さんしかいない。日米首脳会談でのトランプさんとのあの握手、やはりG7のリーダーだなという感じがする。景気も悪くはない」という空気があるのではないかと指摘する。

 有馬氏も「政治の世界、日本の社会には忖度があるから、今回も"忖度があったのではないか"と思いながらも、致命傷になるような話ではない、やはり安倍さんが頑張った方が良い、というような数字ではないか」と話す。

 中田氏は「そもそも森友学園の籠池理事長側に信頼がないということ」「"これくらいでは影響はないだろう。引き続き頑張って欲しい"という安倍総理を支持する人たちの声があること」「消極的支持。対抗馬がいない、何よりも民主党時代の民進党が酷かったためそこに戻すわけにはいかないという考え方」の3つが背景にあると分析した。

■中田宏氏「現実的に橋本・小池はありえない。安倍総理がどういう辞め方をするかが鍵」

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 森友問題や国会答弁で、稲田朋美防衛大臣は"ポスト安倍"レースから一歩後退したとの見方も出ている。街の声で名前が上がった人の中で、"ポスト安倍"にふさわしいのは誰なのか。

 有馬氏は「党内からも名前が挙がっていない」としながらも、安倍総理の持病や小渕恵三元総理が突然倒れた過去を踏まえ「当然用意しておかなければならない」と指摘。「今、自民党が安倍さんではなくやっていこうとなれば、石破さんが国民的な支持の中で人気はあるのではないかなと党内は思うのでは。ただし、安倍さんはどうも岸田さんに気がある。国民の支持も選挙では大事だが、党内で総裁選をやった場合、自民党の国会議員の数で決まるから、岸田さんという選択もあるのではないか」とした。

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 一方、「野田聖子さんに関しては、この何年かで勉強されて成長されたと思う。ただし、安倍さんに対抗して出ようとしても20人の推薦人が集められなかったし、なかなか党内の支持を得られていない。小池都知事に関しても、基本的には自民党は、人気があるからといって戻してもう一度小池さんで勝負しようとはならないと思う」とコメントした。

 宮崎氏は「小池百合子さんだと思うが、東京オリンピックをやってからだと思う。4年後は誰が出ているか分からないが、小池総理が最有力だと思う」と話す。また、「来年の12月までには衆議院選挙がある。来年の9月には総裁選があるから、そこで自民党が負けそうになったとしたら、安倍総理も"負けるよりかはキングメーカーになろう"と思うかもしれない。その場合出てくるのは、野田聖子さんだと思う」とした。

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 「現実的に、橋下さん・小池さんはない」と断言するのは中田氏。「この2人がなるとしたら、自民党がもう総崩れになって、自民党がどっちかにお願いして担ぎ出すというくらいの状況にならないとありえない」とコメント。さらに「野田聖子さんもありえない。今までの行動と考え方からして自民党の中で支持が集まる人ではない」とした。

 その上で中田氏は「安倍総理がどういう辞め方をするか」がポスト安倍を考える際に重要だと話す。「安倍さんが惜しまれつつ辞める場合は、麻生さんかもしくは岸田さん。安倍さんが人気低迷して辞めるとなると、これは自民党の立て直しになってくるから、党内で野党的発言をしてきた石破さん。国民的人気で支持が集まる」と指摘した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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