安倍総理大臣は6日朝、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、北朝鮮による弾道ミサイル発射は「重大な脅威だ」という認識で一致した。
電話会談は午前6時半ごろから約35分間、行われた。この中で、安倍総理は6日から行われる米中首脳会談に関連して「北朝鮮の問題で中国がどのような対応をしていくか注目している」と述べ、北朝鮮に対する中国の圧力が十分ではないという認識で一致した。
また、トランプ大統領は北朝鮮に対して「すべての選択肢がテーブルの上にある」と軍事的圧力も念頭に対応する考えを示唆したうえで、「アメリカは日本を100%支える」と強調。
アメリカの国防当局はAFP通信に対し、5日に北朝鮮が発射したのは改良型の弾道ミサイル「スカッドER」だったと報告。アメリカの太平洋軍は発射直後に「新型の中距離弾道ミサイル」という分析結果を出したが、これを修正した形になった。アメリカの国防当局は「弾道ミサイルは固定された発射台から打ち上げられ、約60キロ飛行した後、不具合が起きて日本海に落下した」との見方を示している。
一方、北朝鮮メディアは5日の弾道ミサイル発射について一切報じていない。韓国の国防省は、ミサイルの種類は「北極星(プッククソン)2型」という見方を変えていないものの、飛行距離や高度、速度などから、追加で分析をしている。
■アメリカ本土に向けてのテストか
これについてコリアレポートの辺 真一(ピョン ジンイル)編集長は「(ミサイル発射は)失敗ではないのでは」との見方を示している。辺氏によると新型ミサイルの最初のテストはいつも短い距離であり、今回はアメリカ本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)に向けてのテストだった可能性があるという。また、辺氏は次のテストでは日本の本州越えを狙う可能性が十分あると指摘している。
北朝鮮のミサイルが日本の本州を超えたことは過去に2度ある。1度目は1998年8月、テポドン1号が三陸沖に着弾した。2度目は2009年4月にテポドン2号が約4000km飛んで太平洋上に着弾した。
必要あらばアメリカや韓国を先制攻撃すると繰り返し宣言していた北朝鮮。先月26日には北朝鮮の対外宣伝サイトにアメリカ本土をターゲットにした動画がアップされていた。この挑発を受けてトランプ大統領はどのような対応に出るのだろうか。
テレビ朝日前アメリカ総局長の名村晃一氏は「対話ではなく、強硬策もありえる」と話す。6カ国協議など対話で解決策を模索してきたオバマ前大統領に対して、トランプ大統領は対話ではなく、武力行使に出ることも考えられるという。
(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)
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