今、日本の遅れた性教育が問題となっている。果たしてその実態とは……? SHELLYがMCを務める『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』。第7回の放送では、性の現場を知る当事者たちが赤裸々に語った。
産婦人科医で、積極的に性教育の講演も行っている河野美代子さんは「今はAVが教科書になっている面がある」と日本の性教育の現場を指摘。自身が中学生に教える際は「あれは演技の世界の娯楽であって、セックスの仕方とは違うんだって教えている」と話した。実際に河野さんのところにも、セックスのなかで指を入れてひっかきまわされ、膣内が大出血し病院に訪れる女性も多いという。「膣内で出血するとウイルスに感染するなどの危険も多いです。セックス中に膣内を指でかき回されて、男性の爪で膣内がぱっくり切れてしまった女性もいます。膣内で出血するとナプキンをつけてくる患者さんがいらっしゃいますが、その女性はバスタオルを足の間に巻いてきて……もうそのバスタオルも血でビショビショでした」と実際のエピソードを語った。
また、過去にAV男優の加藤鷹さんと講演で話す機会があった河野さんは「加藤鷹さんは爪がないくらいに短くて。女優さんを傷つけないようにしているんですね。でも、通常AVの中では『爪を切りましょう』なんてことは紹介しません。AVは教科書にすると、とても危険です」と、問題点を指摘した。
(青少年に向けて性問題の講演活動を行っている総長ダリアさん)
一方で、過去にAV女優を経験し、現在青少年に向けて性問題の講演活動を行っているタレントの総長ダリアさんは「今は性教育について教えてくれる人がいなくてもネットで簡単に検索できる」とコメント。その際に「子どもは“性教育”なんて検索に入れない。”エロ”って検索にいれるから、出てくるのはAVなどの動画」だと説明した。
続けて、ダリアさんは「『顔に(精液を)かけられるんですけどこれって正しいですか?』って聞いてくる子もいる」と話し、「日本のAVは女性は美しいから大切にするのではなく、美しいものを汚したいという作りになっている。だから精液を顔にかけたりだとか……、美しいものを汚していくっていうAVを観て、それを真似していくわけ」と語った。
産婦人科医の河野美代子さんは、自身が性教育についてバッシングを受けたことを告白。裁判に発展した過去を明かした。「私が『避妊をちゃんとしなきゃ』って教えていたことを『河野は若者たちにセックスをそそのかして家庭を崩壊させ、革命を狙っている』って裁判で言われたんです」と話し、SHELLYをはじめ出演者たちから驚きの声があがった。
さらに「セックスという言葉も使ってはダメ。今では中学生に避妊を教えることはタブーです。昔はよかったのですが、今教えると学習指導要領のはみ出しになります。教科書にも載っていません」と話し、日本の性教育への現場に疑問を投げかけた。
また、トークの中で河野さんは、妊娠し堕胎可能である22週を過ぎてしまった小学生の女児を診察したエピソードを紹介。「相手は同い年の男の子ではありませんでした。年上の男性ですね。誰も小学生の我が子が妊娠してるなんて思いません。でも、お父さんがいて、お母さんがいて……ちゃんとした家庭の女の子です。例えば小学校4年生や5年生で2回くらい生理がきて、小学生だったら生理が不順であることは当たり前ですから、後で考えると『ああ、あれはつわりだったんだ』となります」と、受診時にはもう手遅れだったケースもあるという。河野さんの患者だった女児も中絶が間に合わず、赤子は特別養子縁組で引き取られたと話した。
河野さんは「これだけは覚えておいてって伝えるんですね。エイプリルフールである4月1日に性交をして、子供ができると、その子が生まれる出産予定日はクリスマスイブである12月24日。いつまで子供が堕胎可能なのかというと、だいたいお盆までなんです。性交してからではなく、最終月経開始から22週未満じゃないと堕胎はできません。これを知ってもらうために、セックスだとか性交だとかいう言葉を使わないと、学校で教えられないんですよ」と辛い胸の内を語った。
これにダリアさんは「『まさかうちの子が』という考え方は、みんなが共通してて『まさか私が妊娠するなんて』って思って中絶するの」と、中絶の多い日本の現状をコメントした。
バースコーディネーターの大葉ナナコさんも「中絶したくて妊娠する人は誰もいない。だったら『しまった!』じゃなくて、『うれしい!』で妊娠を始められるように、小学3年生4年生くらいで教えても遅くない」と、性教育のあり方を語った。
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(ライター/小林リズム)
『Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~』は毎週土曜23時45分から&毎週日曜17時から放送(17時は再放送)