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 アメリカ軍が北朝鮮を攻撃した場合、日本も報復の対象となる可能性がある。日本政府はアメリカに対し、軍事行動に踏み切る場合は事前協議をするように要請した。

 さらに13日、国家安全保障会議を開催した。菅官房長官は「北朝鮮の最新の動向や挑発行為の兆候について、我が国の対応の方針について議論を行った」と発言した。日本政府が特に警戒するのが、猛毒サリンを搭載したミサイル攻撃だ。安倍総理は国会で「サリンを弾頭につけて着弾させる能力について、既に北朝鮮は保有している可能性がある」と答弁した。韓国国防省によれば、北朝鮮が保有するサリンやVXなどの化学兵器は2500トンから5000トン程度だという。

 また、安倍総理は12日、「様々な事態が起こった際には拉致被害者の救出について米国側の協力を要請している」と発言した。

 Xデーのシミュレーションを政策研究大学院大学の道下徳成教授が行った。第一段階は「瀬戸際外交」だ。日米を譲歩させるため、在日米軍基地のある日本領海へ発射し、ミサイル攻撃能力を見せつける。第二段階は「朝鮮戦争再開」だ。アメリカが予防攻撃に踏み切れば、ソウルを長距離砲などで火の海にして報復する。これに対し、韓国軍は交戦規定による3倍返しで報復する。第三段階は「自殺攻撃」だ。金正恩政権崩壊寸前で自暴自棄になった場合、日本の都市をめがけて中距離弾道ミサイル「ノドン」数発を同時発射することが想定される。

 元防衛大臣・拓殖大学総長の森本敏氏は「事態に対して、日本が事態を認定し、必要な手続きをする。これは全部法律で決まっている」と有事の対応について解説した。さらに在韓邦人の救出については、「(最終的には)日本が艦艇や航空機を持っていって、ピックアップして連れてくることが必要だが、韓国との関係をどうするか、“重要影響事態”と認定されている場合には、アメリカの要請に基づいて行う」と説明した。

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 佐藤正久参議院議員は「(在韓邦人の救出について)日米では(演習を)やっているが、肝心の韓国を入れてやっていない」と状況を説明した。さらに「受け入れ国の同意がないと自衛隊は入っていけない。日本は憲法9条との関係で武力行使できない。あくまで自衛隊が韓国に入るというのは、警察機能で行く」と解説した。

 元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「肝心なことはそこ(有事)に至る前のことだ。5万人を救出することは物理的には逆立ちしても無理。日韓関係がどうであろうと。早めに避難してくださいというのは、韓国にいる日本人に仕事の中断をさせるなど大きな不便をかける。しかし命の危機がある程度明確になった時点で、政府はその不便さを乗り越えて、不要不急の人は帰国してくださいと言うべき。それでできるだけ減らしておくべき。さらにきな臭くなってくる。それでもまだ帰ってこられる。そして実際に火がふく時に、5万人いる人を対応ができる程度に減らしておくことが政治の役割であり、日本としてやるべきこと」と持論を述べた。

 森本氏によると、韓国が自衛隊を受け入れるケースは2つあるという。それは、韓国人を日本に避難させたい場合と重要影響事態でアメリカの要請を受け入れる、つまりアメリカに韓国を説得させる方法だという。韓国が自衛隊を受け入れない理由については「歴史的背景」だとした。さらに「長嶺大使が(韓国の)閣僚と会えない。次の政権とはもっと難しい関係になるかもしれない」と指摘した。

 佐藤氏は「色々な国が日本に(有事の際に自国民を)避難させてくれとくる。その時に韓国政府を色々な国が説得する。そうすると、自衛隊だけではなく、オーストラリア、アメリカ、カナダなどの多くの国が自国民を救うために協力しながら、日本に運びましょうとなる」と邦人救出の想定を話した。さらに「韓国には米国籍の人が20万人いると言われている。その方々に対してアメリカが避難をしなさいと言い始めたら、日本政府も間違いなく韓国にいる日本人に避難しなさいと言うと思う」と指摘した。

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 香田氏は「軍事的な状況になったことを想像すると、韓国で1番激しく戦うのはおそらく米軍。米軍の作戦は日本なくして成り立たない。韓国はその時に、はじめて日本の価値が分かる。今は過去のことで日本に対して厳しい態度を取っているが、それは日本が安全保障に直結する価値があるとまだ思っていないからだ」と持論を展開した。

 森本氏は「どの国もそうだが、国の安全、防衛について国民に知っておいて欲しいことと話せないことがある。手の内を他の国に知られることで、かえって国民の安全が脅かされる」と情報開示の難しさについて話した。また、「野党ももっとしっかりして頂きたい。きちんと質問をしないと。国会は質問があって、はじめて答える場所だ。宣伝をする場所ではない」と野党の行動を批判した。

 佐藤氏は「3万8千人くらいが韓国にいて滞在届を出している。その方々はどこにいて、どこに集まりましょうという連絡体制は結構できている。しかし、出張者、旅行者の把握は難しい」との現状認識を示した。佐藤氏によると、外務省による、「たびレジ」という在外公館などから情報提供を受けることができるシステムがあるが、知らない人も多いという。

 さらに佐藤氏は日本に住んでいる日本人の安全確保について「政府内で色々なシミュレーションは行われているが、実働訓練が少ない」「内閣官房も冊子を出していて、ミサイルが落ちた時には堅固な建物に入りましょう、地下にもぐりこみましょうと色々やっている」と説明した。

 当事者である日本人も危機感を持って、自分自身の行動を決めることが求められている。

AbemaTV/みのもんたのよるバズ!より)

(C)AbemaTV

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