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 アメリカのペンス副大統領がきのう、日米経済対話のため日本を訪れた。総理官邸に移動したペンス副大統領は、麻生副総理との会談を前に安倍総理との昼食会に出席した。およそ1時間半にわたって行われたこの会談では、北朝鮮問題について「安全保障分野で緊密に連携し、日米同盟の強化が不可欠との認識で一致」したという。

 安倍総理は「北朝鮮をめぐる情勢が大変厳しくなる中、まさに非常に適切なタイミングの日本訪問だと思います」、「外交的に平和的に解決をしていかなければいけないことは当然ではありますが、対話のための対話になっては意味がないわけで、北朝鮮が真剣に対話に応じるように圧力をかけていくことも必要であります」と話した。

 ペンス副大統領は「日本海の対岸からの挑発が多発する困難な状況を理解している。トランプ大統領なら、総理や日本国民にこう述べるだろう。"アメリカは100%日本と共にある"と」と述べるとともに、「大統領は日本や韓国など地域の同盟国や中国と緊密に連携し、朝鮮半島の非核化に向け平和的な解決を実現する決意だ。アメリカは日本と同じように国として常に平和を求めているが、アメリカは『平和の実現には力が必要』だと理解している」と、平和の実現には力が必要だと強調した。

 この後、ペンス副大統領は麻生副総理と日米経済対話の初会合を行なったが、ここでも北朝鮮について話し合われたのだという。ペンス副大統領は「北朝鮮が非核化と弾道ミサイル開発を放棄するまで、経済的に、そして外交的に圧力をかけていく。全ての選択肢はテーブルの上にある。戦略的忍耐の時代は終わった。安全保障こそが我々の繁栄の基礎であるが、繁栄を促進することが麻生副総理とお会いした主な理由だ」と述べた。

■「ものすごく緊張感のある中身だったはずだ」

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 今回のペンス副大統領の来日についてジャーナリストの山口敬之氏は「そもそも日米経済対話は、日米首脳同士の親密さアピールするために、TPPや貿易摩擦など、面倒な話はナンバー2の副総理・副大臣におろすことにしようと、日本側が2月に提案したもの。今回はその非常に重要なキックオフだった。ところがペンス副大統領は、麻生副総理とは1時間だったのに対して、安倍総理とは1時間半も会談も行った」と指摘。「菅長官は"すり合わせだ"と言ったが、かなり直近の、そしてその後の、非常に突っ込んだ話をしたんだと思う。アメリカ側の方針を喋る時間が長かったようで、アメリカがどういう条件の場にどういう行動をするのか、非常に具体的な話をしたと思う。ものすごく緊張感のある中身だったはずだ」と話した。

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 コリア国際研究所所長の朴斗鎮氏も、「大統領選を前にした、韓国の不安定な政治状況を配慮してのことだと思うが、マティス国防長官、ティラーソン国務長官、そしてペンス副大統領と、これほど頻繁に要人が訪れて会談するというのは異例のこと。もし何か起きた場合に備えて、軍事的にも政治的にも、様々なことを調整しておく必要がある。日米韓の役割分担のようなところまで具体的に話す、実質的には"事前協議"に近いものだったのではないか。北朝鮮にとっては非常な脅威になるだろう」と分析した。

■「朝鮮半島付近に3隻の米空母が接近するというのは、本気ではないか」

 次の"Xデー"、つまり北朝鮮が核実験やミサイルの発射を行う可能性があるのは、北朝鮮が朝鮮人民軍の創設日を迎える25日だとされている。

 山口氏は「4月13~15日に核実験があるかどうかについては、政府内でも非常に緊張が高まっていたが、米中首脳会談などの動きの中で可能性は低くなっていった。安倍総理も、ここまでの動きはある程度予想の範囲内だと思っているだろう」と話す。

 さらに山口氏は「米韓合同演習の時期とも重なるため、北上中のカール・ビンソン、また横須賀に停泊中のロナルド・レーガン、さらにもう1隻の空母も向かっていると指摘、4月25日からの1週間程度、かなりの数の米軍の艦艇が朝鮮半島付近に集結するという状態が続く」と指摘。「アメリカはあえて25日くらいにカール・ビンソンが到着するスケジュールで動かしていると思う。急いでいたならすでに着いている。ゆっくり北上させることで、中国に時間的猶予を与えているんだと思う。中国が北朝鮮にどういうプレッシャーをかけて、どういう成果が上がるのか。これは習近平に対する圧力でもある」(山口氏)

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 元韓国海軍少佐で、韓国国防部で北朝鮮の分析官を務めた経験も持つ高永喆氏も「これまで、朝鮮半島付近に空母が2隻以上の集まることはなかった。3隻の空母が接近するというのは、本気ではないか。北朝鮮へのプレッシャーが効かないと判断した場合、なんらかの攻撃を行う可能性もある」とコメントした。

 朴氏は「金正恩氏があくまでもアメリカに対抗するというつもりならば、25日までに核実験やミサイル発射等、なんらかの行動を起こすだろう。状況が切迫した以上、彼の祖父や父が成しえなかった”アメリカの屈服”を実現させ、自らが偉大な指導者であることを示そうと思うかもしれない。そのために自暴自棄になる可能性もある。もしミサイルが発射されたとしたら、アメリカは自衛権の行使だとして撃墜、これを大義名分にして攻撃をしかけるだろう」と話す。

 その場合懸念されるのは、北朝鮮による日本や韓国への報復攻撃だ。

 高氏は「日本が射程距離に収まるミサイルは約300発。発射された場合、日本に到達するまでに約10分間。物理的にはソウルや東京を火の海に追いやるのに十分な量が配備されている。ただ、専門家の目で見れば、北朝鮮のミサイルは9発中7発が失敗している状況で、技術力は未熟。また、最近のミサイル発射の失敗は、アメリカによるサイバー攻撃の成果だという説もある」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

北朝鮮問題の打開策 米中が「金正恩氏亡命」で折り合う可能性も?
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