これまでに見てきた数多の奴らとは明らかに違う、別次元のスペックを搭載したグループ、Fla$hBacksのフロントマンとして。そして今は亡きヒップホップ界のレジェンド、D.LことDEV LARGEに「10年に一度の1枚」と言わせた1stソロアルバム『THE SEASON』。  

この今もクラシックとして語り継がれる2枚のアルバムを生み出したことで、シーンの期待を一身に背負うこととなったFEBBだったが、『THE SEASON』リリース後の2015年に体調を崩してからは、Fla$hBacksの他の2人の活発な動きとは対照的にその活動は縮小していると言わざるを得なかった。

 しかし、2016年の中盤辺りからはDNC周りへのトラック提供やKANDYTOWNのYOUNG JUJUのソロ作品へのトラックとヴァース提供、ハードコア・ヒップホップの精鋭たちによって結成されたDoggis(ダギーズ)としての作品などで、徐々に完全復活への道を辿ってきていた。そして、遂にリリースされたのが2ndソロアルバム『SO SOPHISTICATED』だ。 

ようやく新世代の真打ちがゲームに戻ってきた。

【FEBBインタビュー】D.Lに「10年に一度の1枚」と言わせた1stから早2年…遂に完成させた2ndソロアルバム『SO SOPHISTICATED』(前編)
【FEBBインタビュー】D.Lに「10年に一度の1枚」と言わせた1stから早2年…遂に完成させた2ndソロアルバム『SO SOPHISTICATED』(前編)
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ーーラッパーじゃなかったって?

FEBB:Fla$hBacksでラップもやってたけど、あれはトラックメイカーの遊びの延長線上のラップだったんですよね。だからラッパーとしての自覚とかなかったんですけど、今回は完全にラップアルバムを作ろうとラッパーとしての自覚をもってやりましたね。だからスタジオだけじゃなくて移動時間とかにもリリック書いたりして、イメージが頭の中にできた状態でスタジオに入ったから、すんなりできて。『THE SEASON』の時もトラックメイカーだっていう意識が強かったから、スタジオはレコーディングをする場所、音遊びができるラボみたいな。そういう感覚だったんですよね。

ーーその意識が変わったのはいつから?

FEBB:今回の製作を始めたぐらいからですね。前回はマーシー君(WD Sounds)の手伝いがあったんですけど、今回は初めて一から全部自分でやったんで、すごいいろいろ経験できて。アメリカのディールのこととか全然よくわかんなかったけどちょっとわかったりしたし、そういう動きがドギーズの役に立てればなとも思ってて。

ーーラッパーとして自覚するようになって変わったことはある?

FEBB:前よりも自然にラップができるようになりましたね。昔はラップするぞっていう感じでやってたけど、今は生活の一部としてラップがあって。2週間に一回レコーディングやってる影響もあって。だから、すごいいい感じですね。

ーーダギーズも、出た時はどう判断していいのかわからない戸惑いみたいな空気があったけど、じょじょにハマっていってるというか、じわじわ広がり出してきてるよね。

FEBB:そうですね。ライブもすごい盛り上がるんで。ダギーズでストリートの動きをしつつ、ソロではそういうことを経て自分が経験したことを形にしたアルバムなり、EPなり、作品を出せたらいいなって思いますね。

ーー4、5、6曲目のドギーズのメンツというか、ハードコア・ヒップホップど真ん中のメンバーが続く流れは強烈だね。

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FEBB:その辺が好きな人にはたまらないんじゃないかな(笑)。

ーー単純に今一緒に動いているメンツだから、自然と入ったってことだよね。

FEBB:そうですね。ドギーズが始まってからトニー君とは遊ぶようになったんですけど、やっぱあの人は天才だと思うんで。

ーーそれはどういうところが?

FEBB:パンチラインもそうだけど、まず性格がすごいオープンっていうか、いい意味で大雑把な人だからすごい絡みやすくて。あと普通にジョークとかも超言う明るい人なんで。そういうところからも俺にないものをいろいろ感じますね。あとリリックに関しては、どういうところからっていうよりか「聞けよこのリリック」って感じで。

ーー今回も「上とか下とかどうでもいいけど、生まれた時から俺が上」って、すさまじいパンチラインを残してるしね。

FEBB:ホント、アメリカ人がラップしてる感覚でできてるなって思うんすよ。韻とかフローとか難しい話は抜きにして、是非フリスタブームで沸いてる人たちにも聴いてほしいっすね。感じるものはあると思うんで。

ーーアルバムのクレジットやSNSに上げてるポストから、てっきりトラップ色が強い作品になるんじゃないかなって思ってたんだけど、確かに808のハイハットを入れてるトラックはあるけど、基本はサンプリングだし、何よりラップスタイルがトラップのフローにまったく寄せてないなって。

Febb:俺はああいうスタイルはあんまりカッコイイと思わないっていうか。90年代がすごい好きだったのもあって、ヒップホップって弾けて聴く音楽じゃないのかなって思ってて。トラップのトラックにシンガーとかの声が乗ってるミックステープは大好物なんですけど。

ーーCOKE BOYSとかまさにそうだよね。

FEBB:そうですね。渋い70年代とか好きな人もついてこれるようなサンプリングネタを使ってたり、90年代のインストを使ってたり、そういうセンスが散りばめられてるのが好きで。今回はそういうアルバムにしたいっていうのもあったし。あとは単純にああいうフローが今流行ってるけど、後世には残んないんじゃないかなって思ってるからそこにアプローチしようって気は一切なかったですね。 

ーー変わらないことへの強い意志みたいなものを感じたよ。

Febb:そう言ってもらえるのはうれしいっすね。

ーー前作『THE SEASON』から3年の間にFEBBもいろいろあったと思うけど、スタイルは一切ブレてないなって。

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FEBB:濃い時期ですからね、20歳から23歳なんで。でも濃さでいうと制作期間中が一番濃かったですね。姿勢とかルールとか、ホントいろいろ学ぶことだらけで。

ーーFEBBが書くリリックって1曲目のリリックでも言ってるけど色合わせだと思うんだよね。ファッションをコーディネートするみたいに言葉を組み合わせていくみたいな。ただ、今回は経験から得た痛みについても書いてるよね。そこが前作から最も変わったところなのかなって。

FEBB:それは俺も思ってて、去年の夏とかの一時期、親に感謝とか、自分がこれから音楽でどうやって食っていくとか、そういう誰しもが直面する現実的な問題とか、そういったリリックしか出てこない時があって。

ーー「OPERATION SURVIVE」で言ってる「理想と現実の狭間で生きる 生きるとは死んでく事と知る」なんて、まさにそういった部分が出たリリックだよね。

FEBB:人間って成長しながらもどんどん老いていくわけじゃないですか。要は死へ向かっていくというか。死への階段を登っていく最中にいろいろ見るからそれが成長っていう形になるっていうか。時間っていう代償を払う代わりに自分の経験を得るっていう、そういう意味ですね。

ーーそういうことなんだね。ネガティブな要素を含んでるのかとも思ってたんだけど。

FEBB:そうですね。ネガティブな発想はまったくないですね、俺は人生に関しては。

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これまでに見てきた数多の奴らとは明らかに違う、別次元のスペックを搭載したグループ、Fla$hBacksのフロントマンとして。そして今は亡きヒップホップ界のレジェンド、D.LことDEV LARGEに「1
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TEXT:YAMINONI

PHOTO:小原啓樹

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『So Sophisticated』 

 TRACK LIST : 

 1. ANGEL FT.AZ prod.FEBB 

 2. CAREFREE prod.FEBB 

 3. DON FT.B.D. prod.V DON 

 4. HUSSLE 4 HUSSLE FT.KNZZ prod.SCRATCH NICE&GRADIS NICE 

 5. THE GAME IZ STILL COLD FT.A-THUG prod.LUCA VIALLI 

 6. ON FIRE FT.敵刺 prod.NY BANGERS 

 7. AESTHETIC prod.FEBB 

 8. OPERATION SURVIVE prod.CHAD G 

 9. SHADOW -EYES- prod.FEBB 

 10. WELCUM 2 THE HEAVEN FT.BOOGZ BOOGETZ prod.FEBB 

 11. OUTRO prod.FEBB 

 12. CONQ CITY PT.2 prod.FEBB

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