GW半ばを迎え、行楽地に向かう人たちで鉄道・道路・空の便それぞれの下りで混雑のピークを迎えている。JR各社によると、3日、鉄道は東海道・東北・北陸など各新幹線で下りが混雑のピークを迎え、東京駅発の午前の指定席はほぼ満席となった。また空の便は、国内線下りの混雑がピークに。日本航空、全日空とも3日の国内線下りの便の予約率が90%を超えた。さらに首都圏周辺の高速道路も朝から激しい渋滞が続いた。
そもそも渋滞とは「時速40km以下の低速走行や停止、発進を繰り返す車列が1km以上、かつ15分以上継続した状態」を指す言葉。渋滞はなぜ起こるのか。
NEXCO中日本のドライブアドバイザー花房秀樹氏によると、事故や工事が影響するときもあるが、「原因の6割から7割が“自然渋滞”によって起こる」とのこと。高速道路には渋滞が起きやすい場所があり、上り坂や下り坂から上り坂に変わる「サグ部」と言われる場所に注意が必要だという。
上り坂やサグ部では無意識に速度が低下する車があり、車間距離が短くなった後ろの車がブレーキを踏む。さらに後続の車が次々とブレーキを踏むことで、渋滞がどんどん後ろに伸びていくというメカニズムになっている。
また花房氏は「高速の渋滞はすべての車が同じスピードで走ると起こらない」と話す。さらに「最近は車の性能が向上したため、かえって渋滞が発生しやすくなっている」とコメント。車間距離を確保しないと警告音が鳴ったり、アクセルを踏みすぎるとランプが点灯したりという装置があることにより、減速してしまいがちなのだという。
長時間運転を任されるお父さんたちからは「黙っているとイライラしてしまう」「眠くなってしまう」「くだらないことを言ってきたらうるさいみたいな。嫁さんには当たってしまいますね」といった声が聞かれた。高速道路で渋滞に巻き込まれたら、「息子に話しかけたりして気持ちを紛らせて」「コーヒーを飲んだりガムを噛んだり」「歌を歌う」など、対策を取っている人もいた。
東名高速道路の足柄サービスエリア(下り)には、運転による疲れを癒すためのスポットがあるという。「足湯カフェ」だ。10分100円から足湯のみの利用も可能で、ドクタートトという全長約10cmのコイ科の魚もおり、足の角質を食べてくれるという。利用者は「電気が走るような感覚」「はまってしまいそうで……。気が紛れるという感じ」と話している。
GWなど連休の高速道路では、普段ハンドルを握らない人も多く、降りるべき場所で降り損ねるドライバーも多いという。そんな人たちのためのサービスが、「特別転回」と呼ばれるものだ。目的のインターチェンジを通り過ぎてしまった場合、高速道路上でバックとUターンは厳禁。そのまま次のインターチェンジへ向かい、スタッフがいる一般の出口に向かい、出口を通り過ぎてしまったことを伝えると、1枚の紙をもらえる。通行手形のような役割を果たすその紙のおかげで、再び高速道路に乗りスタッフがいる入り口を通ると問題なく通ることができるという。
あとはそのまま正しいインターチェンジに向かえばよく、追加料金はかからないとのこと。NEXCO中日本によると、新東名高速道路開通後の1年間は進路を間違えたという申し出が、1日平均20件あったという。
高速道路の上りのピークは5日とされている。安全運転を心掛けることが何よりも大切だ。(AbemaTV/『原宿アベニュー』より)
(C)AbemaTV