浮気と不倫は男女関係には付き物だが、今回は「好きでもない男から『都合が良い女』扱いされて、呼び出されたらズルズルと付き合ってしまう」という悩みを持つ28歳女性が、編集者・中川淳一郎氏にひたすら愚痴る展開に。
浮気しまくり、女たらしの男に悩むミカ（28歳・製薬会社勤務）さんに中川淳一郎氏がじっくりアドバイスする今回。果たして彼女の悩みは解決されるのか。
【過去記事】
■ミカ（28歳・製薬会社勤務）「大手広告代理店マンにつきまとわれている」
ーー製薬会社勤務のミカさん。28歳なんですね。
ミカ：6年間ずっと彼氏ができなくて。あと2年で30歳にもなるし、そろそろ結婚を前提にお付き合いできる彼氏が欲しいんです。
中川：まず男ってのは女を見ると「エロしたい」としか思わない生き物なんですよ。いつもどうやって女とエロをして、後腐れなくトンズラするしか考えていない。
ミカ：トンズラされるだけならまだいいんです。中にはしつこくつきまとってくる男もいて。今、ある男に1年半くらいずっとつきまとわれているんです。
中川：詳しく教えてください。
ミカ：ライターをしている友人のイベントに参加したとき、その男からナンパされたんです。彼は大手広告代理店の社員。その人自身はまったく魅力的に見えなかったけど、なにかのネタになると思って1度飲むことになったんですね。ところがそれ以来都合のいいときにだけ呼ばれるセフレのような関係になってしまいました。
中川：ミカさんの体目当ての男だけにモテている状況なわけね。
ミカ：でも彼氏がいるわけじゃないし、ちょっとさびしい気持ちもあるから、切りたくても切れないんです。
中川：まぁ嫌な相手でも、誰かから求められている状況は満更でもないからな。
ミカ：はい。しかも、そいつは私の心の隙を見抜くのがうまいんですよ。大手広告代理店で働くエリートだけあって。忙しくて荒んでいるときや、落ち込んでいるときに連絡してくることが多いんですよね。だから、3ヶ月に1回くらいは体を許してしまうこともあって……。
中川：すぐに関係を切りたいなら「うるせえ包茎！」とか「もうLINEしてくるな低年収！」って返せば1発だけどね。
ミカ：でも、包茎でも低年収でもありません。30代にして都内にマンションを持っているようですし。
■体目当ての男を撃退するセリフは「私の価値が下がるだけだ。バカ！」
ミカ：さらにメンタルも超タフなんですよね。1度だけ勇気を振り絞ってLINEをブロックしたんですけど、今度はFacebookのメッセンジャーを通じて「LINEに反応しろよ～」とか送ってきたりして。今も定期的に「オレ以外の誰かとSEXしたか？」って連絡が来るんですよ。
中川：でもさ、ミカさんは今28歳。幸せな結婚生活を送りたいとか、子どもが生みたいという何か理想の姿があるんだったら、あと数年が勝負だよね。
ミカ：タイミリミットは近づいていますよね。だから、今のままじゃいけないと思っていて。
中川：オレもミカさんにつきまとうその男ほどじゃないにしろ、30代前半までは結婚を避けてたんですよ。でもね、当時6年間付き合っていた元婚約者から「私は子供がほしいの。あなたのことは大好きだけど、（結婚してくれないなら）他の男に乗り換えるしかない」って言われて。その瞬間に覚悟を決めたんですよ。ミカさんも、女たらしの広告代理店マンよりも地に足ついた男と付き合うべきだと思うんですよね。
ミカ：その通りだと思います。
中川：で、これから体目当ての男がミカさんを口説いてくる度に、こう言ってください。「あんたみたいな男とヤッても、私の価値が下がるだけだ。バカ！」って。これはオレの友人の女性ライターから教えてもらったセリフです。「なァ、ヤらせてくれよぉ～」と言われ、「イヤダッ！」と断ったら男は「なァ、減るもんでもないだろ、いいじゃんかよぉ～」と言われ、「価値が下がる」発言が飛び出した。これを言えるようになってから、彼女はしょうもない男からの誘いはすべて断れるようになったそうですよ。
■ネタ枠として優秀すぎる広告代理店マン「ネタの総合商社」
ミカ：ただ、これは私の悪い癖なんですけど、その男とSEXした話をすると、友達みんなが喜んでくれるんですよね。先月も私の誕生日にかこつけて、彼の家に招待されて。男の人に誕生日を祝ってもらうことが嬉しくて、まんまと行っちゃったんですよ。そしたら、着いたそうそう彼が「今から誕生日プレゼントを送るね」って言って、いきなりピアノを弾き始めたんですよ。しかも、オリジナルの曲を（笑）。
中川：すごいね。
ミカ：ネタ枠としてなら、彼は私の友人からも大好評なんですよね。
中川：アッシー、メッシーならぬ、ネタを提供してくれる「ネッシー」だな。
ミカ：わざわざ家に行った甲斐もありました。ネタの総合商社です。
中川：じゃあとりあえずネタ要員として、ほどほどに付き合えばいいよ。それで過去の頭の悪いLINEの会話をすべてスクショしておくこと。で、ちゃんとした彼氏ができたら「彼氏ができたんだ。今までありがとう。あと、今までの会話はすべてスクショで残しているからね。チャオ！」って、そいつとの関係をスッパリ切ればいい。
ミカ：それが理想的ですね。
中川：あとは彼氏をどう作るかだな。いくら友達がいても、この東京砂漠で独り身で居続けるのは精神的に滅入るでしょ。いつでもどんな話題でも相談できる相手が、人生には必要だと思うのよ。
ミカ：ですよね。今も彼氏の代わりに、抱きまくらに「剛（つよし）くん」って名前を付けて、愚痴っています。
中川：きっと剛くんにはヨダレも付きまくりでしょ。
ミカ：はい。今の剛くんは3代目ですが、たぶんトイレのフタよりも汚いと思います。
中川：早く本命を見つけて、ネッシーと剛くんから卒業すべきだよ。
ーー若くてスタイルのいいミカさんですが、なぜ彼氏ができないのでしょう？
ミカ：趣味がコアすぎるからだと自分で分析しています。私は現代文学がとにかく好きで、異性ともあまり話が合わないんですよね。男の人って、自分より知識や教養のある女性を避ける傾向にあるじゃないですか。モテるためには、我を通すよりも男のプライドをくすぐるちょっとバカな女を演じたほうがいいんだと思います。それはそれで辛いんですけどね。
中川：いやいや、彼氏を作るなんて簡単だよ。「ヤルヤル詐欺」を実践すればいい。気になる男とちょっと密着したり、膝に手を置いたり、目の前で足を組んだりしてさ、相手をその気にさせるわけ。でもそれだけに留めておいて、何もせずに帰ることを5回続けたら、コロって落ちるよ。
ミカ：でも私の場合、それを1回やったら、毎回LINEをブロックされて2回目以降に続かないんです……。
中川：エーーッ！ それはまいったな。
ミカ：みんなすぐにSEXできる女がいいんでしょうね。あと、あまり恋愛とか結婚に関係を発展させたくないような気がします。
中川：これは日本の若い男の忍耐力のなさを示す話だと思うよ。ミカさんみたいな素敵な女性に1回会ってヤれなかっただけで、ブロックするなんてとんでもない。
ミカ：みんないかに効率的にSEXできるかばかり考えている気がします。
中川：ミカさんの彼氏探しには、オレも友人を紹介したりして協力するよ。一方で、これから日本の男を焚き付けもしたい。ここ10年の間に蔓延した「草食系男子」って言葉にみんな踊らされすぎだよ。エロサイトの再生回数をみれば、男はみんな性欲ムンムンだってことが分かっているんだから。ちょっとうまくいかなかったり、避けられたりしたぐらいですぐに関係を断つなんて、どこか変だよ。最近「告白」なんて言葉、とんと聞かなくなったもんな。それでいて、雨後の筍のごとく登場する若い俳優が出てくる恋愛映画に「キュン死」するなんて言う。
ただ、男にも同情の余地があってさ。この前とある会社でエレベーターに乗ったら、若い女2人で喋っているんだよ。「この前合コンで会った人さぁ、すごいお金持ちなの！」「えぇ！ どれくらい？」「会社社長で32歳。クルーザーも持っていて、今度クルーザーでパーティしよう、なんて言ってるの！」「マジ、いいじゃん。付き合っちゃえば！」「そうよねぇ、いい物件よね」「で、イケメンなの？」「全然。でも、お金は持っていそうだから全然それでいい！」「いっちゃえいっちゃえ！」――こんな打算的なヤツ、本当にいるんだ、とオレは啞然としたね。
ミカ：私は別にお金はいりません。ただ、ちゃんとした結婚に繋がる恋愛をしたいだけです。
中川：あぁ、ちょっと安心したよ。オレ、クルーザー持ってないしさ。
▼ 中川淳一郎
ライター、編集者、PRプランナー。一橋大学商学部卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社後、フリーライターとなり、その後『テレビブロス』編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々な、ネットニュースサイトの編集者となる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『凡人のための仕事プレイ事始め』『バカざんまい』『電通と博報堂は何をやっているのか』など。
AbemaTVのREALITY SHOWチャンネルで放送の「チーターズ～浮気調査団～」では、毎回依頼人と共に浮気現場に問答無用で乗り込み、直接対決の様子を放送。
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