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 またもトランプ政権を揺るがす疑惑が浮上した。アメリカの複数メディアが、FBIがトランプ政権とロシアとの関係をめぐる疑惑の鍵を握る人物として、トランプ氏の長女・イヴァンカ氏の夫、クシュナー大統領上級顧問に関心を寄せていると報じたのだ。

 報道によると、政権発足前の昨年12月、ニューヨークのトランプタワーでクシュナー氏がフリン前大統領補佐官とともに駐米ロシア大使と会談したのだという。当選後の政権移行チームが外国政府と接触することは珍しいことではないが、クシュナー氏は機密情報を扱うための身元調査書で、この会合のことを報告していなかったことが問題視されているといい、クシュナー氏側は「単純ミスで修正する」とコメントしている。

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 アメリカでは、権限のない民間人が外国政府との協議を行うことを禁じており(1799年に制定された「ローガン法」)、フリン前大統領補佐官もこの疑惑がきっかけで辞任に追い込まれている。クシュナー氏もまた、オバマ政権が実施していたロシアへの経済制裁解除に関する交渉をしていたといわれているのだ。制裁解除の裏には、トランプ政権内部の利権の存在を指摘する意見もある。

 元NHKワシントン支局長で外交ジャーナリストの手嶋龍一氏は「身内は信用するが、官僚機構を信用しないトランプ氏にとって、大変な力量を持ち、イスラエルとも太いパイプを持つクシュナー氏は貴重な素材。トランプ大統領に接触するのに一番いいルートがクシュナー氏で、安倍総理が昨年11月、トランプ氏との会談を取り付けたのも、このルートを通してだと言われている」と話す。

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 手嶋氏によると、「事実上の首脳会談になってしまうので、"表敬訪問にすぎません"ということにしている。これが直ちににいけないということではないが、クシュナー氏も同席、さらにこの場でフリン氏を紹介するなど、実は今回の対ロシア疑惑に関わる人物が揃っていた。安倍総理は翌月に政権の命運を賭けた山口での日ロ首脳会談を控えており、そのためのサポートをトランプ氏にお願いしたのではないか」と指摘した。

 また、「疑惑の中心はロシアが米・大統領選挙そのものに介入したこと。それが選挙結果に大きく影響を与えた可能性があると言わざるを得ない。ロシア軍の情報機関が政党のサイトに侵入したと言われているし、共和党が自分たちに有利になるように、ロシアを呼び込んだのではないかという指摘も出ている。これまで長い間、公正に民意を反映してきたアメリカ大統領選挙にとって重大な問題」とし、「それが本当だとすれば、政権移行チームの実質的な中心となっていた最側近のクシュナー氏がすべてを知っているに違いないとFBIは考えているのではないか」と推測した。

 FBIと、新たに任命された特別検察官の2つのルートで解明が進められている今回の疑惑。手嶋氏によると「親ロ政策を快く思わない人たちがメディアに情報をリークしているのではないかとトランプ大統領が考えている可能性もある」という。クシュナー氏の今後の処遇については、「いちばん重要に立場にいるクシュナー氏を簡単には切れないれないと思うし、切っても意味がない。形式的に上級顧問の任を解くかどうかだ」と話した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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