■本当に浸透しているのか?街の声は
2月にスタートし、26日に4度目を迎えたプレミアムフライデー。実際、どのくらい世の中に浸透しているのだろうか。
午後3時ごろ、東京・新橋駅前を行く人たちからは
「言ってるだけで誰もやっていない」(不動産・20代男性)
「結局その分どこかで帳尻合わせなきゃいけなくなる」(商社・30代男性)
「妻に『何で早く帰ってくるんだ。仕事しろ』と言われる」(建築系・20代男性)
といった声が聞かれた。
一方、新宿にある禅宗寺院・瑠璃光院では、瞑想体験や薬膳粥を食べられる企画を実施。仕事終わりの会社員など、12人が参加していた。
同寺の永楽達信副住職が「せっかくの機会なので、一回リフレッシュしながら自分を見つめて下さい」と話す。参加者たちも「すごく解放された感じにはなりますよね」「月末の金曜日ということで、気持ちをちょっと変えようかなという意味では有効だと思います」と充実した表情で話した。
プレミアムフライデーの現状について経済産業省に問い合わせてみると、早期退社に取り組む企業は次第に拡大しており、徐々に広がっている手応えがあるという。16時すぎに問い合わせたにも関わらず、経産省の担当者は丁寧に対応してくれたが、彼らも午後3時には帰るように促されているという。
経済産業省などがつくるプレミアムフライデー推進協議会によると参加企業数は2月が136社、3月が324社、4月が371社、そして5月は476社となっており、参加者の9割が『豊かな時間になった』とコメントしている」とのことだが、ホットペッパーグルメ外食総研によれば「午後3時退社は1%、早上がりを含めても15%にとどまっている」という。
■「リア充」のためのプレミアムフライデーに?
「どんな企業が取り組んでいるのか。もしかすると、経団連を中心としたお金持ち企業のイケてる社員がお金を使っているだけで、末端の人は働いて遊ぶお金もないということだったら非常に怖いし、都心で消費できる人たちだけものになっていないか。"プレ金格差"が出てくるのではないか」と憤るのは、働き方についての研究する千葉商科大学専任講師の常見陽平氏。
Twitterのトレンドワードでも、プレミアムフライデー当日は「プレミアムフライデー」が4カ月連続一位を記録しているが、
「プレミアムフライデーを満喫できるのはプレミアムな貴族様だけ」
「午後から出勤のハッピーマンデーの方が幸せになれる」
「クリスマスといえばフライドチキンみたいにプレミアムフライデーも定番メニューがあれば盛り上がるのでは?」
など、投稿は皮肉を込めたものが多い。常見氏は「プレミアムフライデーがネタとして消費されてしまっている」と指摘、「根本的に日本人が帰りづらい、休みづらいということがむしろ浮き彫りになった。このような政策に対しては、ちゃんと国民は怒るべきだ」とコメント。
プレミアムフライデーの浸透度、成果について常見氏は「まだ失敗とも成功とも断定できないが、何に時間を使ったのか、どこにお金が流れたのかについて真面目に調査すべきだと思う。我々の血税を使った政策なのだから、単に"盛り上がっている風"を演出するのはやめたほうがいい。働き方を変えるためなのか、消費の促進なのかということも巧妙にぼかされている。消費を目的としているのであればいくら使っているのかも重要だし、時間をやりくりするために他の日に残業している人もいると思う」と経済産業省を批判した。
また、「ゆう活」など他の施策と足並みも揃ってないとして縦割り行政の弊害も指摘、「そもそもなんのためなのかが問われなければならない。働き方改革も含めて、仕事の絶対量を減らすことをしなければいけない。ちゃんと労働時間を減らした会社の法人税を下げればお給料にも多少は反映させられるかもしれない」と訴えた。(AbemaTV/AbemaPrimeより)