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 先月、安倍総理が「『9条1項2項を残しつつ自衛隊を明文で書き込む』という考え方。これは国民的な議論に値するだろうと思います」と発言したことでにわかに盛り上がる憲法改正論議。自民党は6日、憲法改正推進本部の初会合を開き、保岡興治本部長が「自衛隊の明記」「教育の無償化」「緊急事態条項」「参議院選挙区の合区解消」の4点を改正案の検討対象に挙げた。

 そもそも「憲法」とは何か。憲法学が専門の木村草太・首都大学東京教授は「日本は国民主権の国なので、国会には立法権、内閣には行政権、裁判所には司法権といった具合に、国民が憲法を通じて国家機関に権限を負託している。また、権限の行使の際には人権を守るといった条件をつけることで、国家機関が権力を行使できる領域を示すと同時に拘束するもの」と説明する。

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 現行の日本国憲法について木村氏は「現行憲法が作られた第二次世界大戦直後の時期は、憲法にどういうことを書かなくてはいけないのかという"雛形"が分かってきた時期。だから、当時できたドイツ・イタリア・日本の憲法、そして少し遅れてできた韓国や台湾の憲法は内容・項目が良く似ている」とし、基本的に多くの問題は法律や行政のやり方によって解決ができると話す。

 また、改正の理由として挙げられることの多い、GHQによる"押し付け憲法"論についても、確かにGHQが原案を作ったという面はあるとしつつも「制定の手続きについてしか文句しか言わないというのは、逆に言えば内容には文句がないということではないか」と批判した。

 その上で、安倍総理の改憲案については「9条を改正して自衛隊を明記するなら、その任務についても明記しなければならない。その際、個別的自衛権までだと書いとしまうと、安保法制が違憲だということが明確になってしまう。一方、集団的自衛権を明記するとなると、今度は憲法改正の国民投票で安保法案の支持を問うことになってしまうが、世論調査を見ると、採決時の世論調査を見ると、否決されてしまう可能性も多いにある」として、「個別的自衛権、集団的自衛権どちらを明記しても政権的にはまずいということになる。安倍さんはどこまでちゃんと考えられているんだろう」と疑問を呈した。

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 政治学が専門の佐藤信・東京大学先端科学研究センター助教は「自民党の綱領には自主憲法制定が謳われているが、"あの文章が変だと思ったことはあった。しかし、これだけ長い間使われていて、定着している"と言った宮澤喜一元総理のような歴代の総理・総裁を輩出してきた宏池会と呼ばれるグループもある。作られた段階のことではなく我々に憲法の内容が定着しているかどうかも重要なポイントだ」と指摘した。(AbemaTV/AbemaPrimeより)

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