トランプ大統領によってFBI長官を解任されたコミー氏が生々しいやり取りを暴露した。
8日、アメリカ上院公聴会でコミー氏は「トランプ政権は私とFBIを中傷した。私の解任理由は明らかな嘘だ」「トランプ大統領の発言を捜査中止の指示だと受け止めた。大統領が2人きりの場で『私は望む』と言えば、指示だと受け止める」と証言、大統領との会話を全て記録に残していると話した。理由についてコミー氏は「トランプ大統領が嘘をつくかもしれないと心配したからだ。真実を追求するため、私とFBIを守るためだ」と訴えた。
一方のトランプ大統領は「調査を止めて欲しいとは言っていない。そんなことは言っていない」と述べ、コミー氏の発言を全面否定。米メディアは、「トランプ大統領の弁護士が会話の内容を漏らしたコミー氏を近く告訴する」と報じている。
FBIへの司法妨害が立証されれば、トランプ大統領の弾劾は現実味を帯びていくが、元アメリカ連邦議会補佐官(共和党担当)の中林美恵子氏は「共和党が上下両院で多数を握っているので、そう簡単に弾劾ということにはならない。共和党の大統領を弾劾するというのは、かなりハードルが高くなると思う。どれくらい信憑性のある証拠が出てくるかどうか」として、弾劾の可能性は低いとの見方を示した。
国際弁護士の湯浅卓氏は、「(トランプ大統領とコミー氏の)電話の内容が国民の前に公開されて、今までのトランプと違う裏の顔が出ていたりすると、一気にトランプ弾劾に走ることがある」と指摘した。
こうした動きを受け、反トランプ運動を展開してきた映画監督のマイケル・ムーア氏はトランプ大統領の告発サイトを立ち上げ、政権スタッフや企業関係者らに不正行為に関する情報提供を呼びかけている。サイト名はウィキリークスにちなんだ"トランピリークス"で、ムーア氏は「トランプ大統領は自分に法律が適用されないと思っている。8年間ホワイトハウスを離れるつもりがなく、その間どれほどの被害がもたらされるだろうか」とコメントしている。
弾劾・罷免となった場合、大統領に就任することになるとみられるマイク・ペンス副大統領とはどのような人物なのだろうか。
中林氏は「ペンスさんは下院議員もしていますし、インディアナ州の知事もしているので、政治的には非常に熟練した人。それなりに抑制の効いた、立派な人だと言われている。今回トランプ大統領のランニングメイト(副大統領候補)として選挙戦を戦ったが、非常に落ち着いていて、しかもあのトランプ大統領さえもきちんと支えて。選挙中、副大統領同士のテレビディベートがあったが、非常に上手にこなした。共和党の中でペンスさんは大統領よりも大統領らしいと評価された」として、国内での評価も高いと説明。
湯浅氏によると、ペンス氏はラジオのディスクジョッキーで弁舌が優れており、トランプもその点を非常に気に入ったのだという。ただ、「(女性に対する見方は)トランプ以下。白人の女性票がヒラリーではなくて、過半数がトランプに流れたので勝った一因となったが、ペンスでは白人女性の過半数はいかないと思う」と、ペンス氏の問題点を指摘した。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)