防弾少年団が2017年6月14日発売の雑誌「anan 2057号」で表紙を飾った。しかもこの号には通常版に加えて、表紙と中面グラビアがすべて違う写真のスペシャル版も用意された。
彼らのブレイクを決定的にしたのは2016年10月に発表したアルバム「WINGS」のリード曲「Blood Sweat & Tears」だ。この曲はエキゾチックなメロディとキレのあるラップ、セクシーなダンスが一体となったナンバーで、発表と同時に大きな話題になった。この楽曲のモチーフになったのは、Major Lazerの特大ヒット曲「Lean On (feat. MØ & DJ Snake)」だろう。レゲエ、ヒップホップ、エレクトロを融合したこの曲をきっかけに、世界中でトロピカルハウスを取り入れたダンスミュージックが発表されるようになった。
韓国の音楽シーンは常に世界的な音楽トレンドに敏感なことでも知られているが、中でも防弾少年団は音楽的に強いこだわりをもったグループ。リーダーのRAP MONSTERはもともと韓国のヒップホップシーンで活動していた若手ラッパーで、さらにSUGAはAgust D名義のミックステープをアメリカの配信サイト「Datpiff」で発表しているほどだ。そんな彼らの楽曲はメンバーが中心になって事務所所属のビートメイカーと制作されている。
「Blood Sweat & Tears」の優れている部分は、ただ流行っているトロピカルハウスを取り入れたことではない。彼らが自分たちの個性を理解して、音楽的に適合した要素を取り入れたところだ。防弾少年団の個性とは、ルーツであるヒップホップをベースに、練習生時代に培われた本格的なヴォーカル力、ダンスパフォーマンスを持っているということ。
ちなみに「WINGS」の前作にあたる「花様年華 Young Forever」の収録曲「FIRE」では防弾少年団型EDMを提示している。こうした音楽的スタイルが評価されて、防弾少年団は2016年に韓国で権威ある音楽賞を総なめにした。韓国の3大音楽事務所、SM、YG、JYP以外のアーティストが受賞することは非常に稀なことだ。
防弾少年団は「Blood Sweat & Tears」の日本語版「血、汗、涙」を5月にリリースしたばかりだ。デビュー直後から一貫して芯の太さを持った彼らのスタイルをぜひとも楽しんでもらいたい。
(AbemaTV/K WORLDチャンネル)
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