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 AbemaTV(アベマTV)にて放送中の若手女性タレントに生き残り術を教える番組『TVじゃ教えてくれない業界裏教科書』が面白い。

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 たとえば、銀シャリの鰻和弘・橋本直が講師を務めた「グルメロケはこれで完璧!次も呼ばれるタレントになる講座」では、若手女性タレントについては「食べ物が出た時点で勝負はついているため、あとは『おいしーい』程度のコメントでいい」と説く。どちらにせよ若手女性タレントが、石塚英彦や彦摩呂の食レポに勝てるワケがないのだ。ならば、「感じの良い人」になればいいと銀シャリは説明するのだ。

 他にも、銀シャリはグルメロケでの衣装についてもアドバイス。ロケでは案内役の芸人はフリップからシールをはがしたりするが、そこで出たゴミはすべて芸人のポケットにしまわれる。そのため、若手女性タレントにもポケット付きの服をすすめ、「芸人が捨てる時に『私がいただきますよ』とやれば、『なんて素敵なモデルさんなんだ』となり、その良い噂が業界で広がる」といった裏技を伝授する。

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 講師役には大久保佳代子劇団ひとり品川祐、関根勤、ざわちんらも登場したが、大久保の一言はキツかった。「あなた方のような人はゴマンといる」「あなた達はかわいいが、芸能界では普通」。さらには、「ロケバスでは、若手タレントやモデルは“取り巻き”のような謎の人々がうじゃうじゃとおり、固まってて独自の空気を作り上げていてウザい」といった意見が長年生き残ってきた経験から述べられる。

 同番組を見ていて気づくのは、講師役のベテランによる含蓄と哀愁漂う処世術に感心するということだけではない。「生き残り術を教える」と言いつつも、実は同番組の生徒役として「何度も呼ばれる女性芸能人」の特徴がはっきりと分かってくるのだ。

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 何度も登場する人物には、ほのか、山地まり、菊地亜美、前田亜美などといった名前が上がる。菊地といえば、おもしろコメントを連発するバラエティの大御所といったイメージがすでにあり、番組制作側も安心のためにキャスティングしているのかもしれない。しかし、その他のメンバーについては、菊地と同じように「おもしろい発言を連発するから」という理由で呼ばれているわけではなさそうだ。

 基本的には「生徒として真摯に学ぶ気持ちがあるか」という姿勢が出ている人物が準レギュラーのような扱いになっているように見える。それに加え、「明るい」「他の4人の生徒役及び講師役&司会者(大熊英司・テレ朝アナ)を立てる」「笑顔がステキ」「楽しんでいる」という特徴がある。

 決して発言機会が多くない山地だが、ここまで重用されているのはこれらをすべて備えていると思われる。

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 しかし、この番組に限らず、魅力はあるのにバラエティに連続して呼ばれにくい若手女性タレントもいる。以下が特徴だ。

1.バラエティは私の本業じゃない……という姿勢が見える人

2.天然発言をしようと狙いすぎる人

3.グラドルに顕著だが、胸を強調したり、とにかくカメラ映りばかり考える人

4.楽しそうじゃない人

5.会話にかぶせてきたり、滑った発言をした際、周囲に同意を求める人

6.他のキャストよりもいかに目立つか、を考える人

 「生き残り術を伝授する」という番組ではあるが、実はこの番組は講師による「生き残り術(テクニック・現場での作法)の伝授」に加え、生徒役を見ることによる「生き残り術(人前でいかに振舞うか)」の実証実験にもなっているのである。これは一般人に置き換えても当てはまるものなので、「私って嫌われてるのかな……」などと思う人は視聴をしても良いかもしれない。

文/中川淳一郎(編集者)

(c)AbemaTV

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