毎週土曜日の朝に工場にできる行列。普段、一般の人が工場に行く機会は少ないが、行列までできるとはどういうことだろうか。

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 行列ができていたのは、千葉県・柏市にあるパン工場の「コスゲパン」。並んでいる人に話を聞くと、

「着いたのは6時ごろかな」

「家は15kmぐらい遠いんですけど、自転車で来るんです」

 と、朝早い時間・遠い場所からでも訪れているという。

 午前9時になって始まったのは、パンの即売会だ。すると、「全部買う。段ボールもね」と、段ボール箱や袋いっぱいのパンを購入していく客たち。しかし、会計は「1250円」「600円」と破格の値段だ。AbemaTVの番組スタッフも1時間並び、段ボール1箱と袋いっぱいのパンを2袋購入したが、会計は1150円だった。

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 ここまで安い値段で買える秘訣は“訳あり品”だからだ。訳あり品とは、形・焼き具合などが規格から外れているもので、通常は廃棄される。工場で大量に作るとどうしても一定数生まれてしまうため、県内の幼稚園・保育園・病院などに大量のパンを卸しているコスゲパンは、訳あり品が出やすいという。

 ただ、規格外とはいっても、形がいびつだったり焼け具合がちょっと強かったりするなど、おいしいパンであることに変わりはない。

 コスゲパンの担当者に話を聞くと、「最初は蒸しパンを大量に間違えて作ってしまって、それをどうしようかっていうことで、ガレージで売ってみたら売れた。そこから始まった訳あり販売なんです。口コミから広がった」と、訳あり品の即売会を始めた理由を明かしてくれた。今では恒例となり、多い日には1000人以上の客が訪れるという。訳あり販売専用の交通整理も行われるほどだ。

 多くの人が訪れるようになってからは、「訳あり販売専用として面白いものを」と考え、特大の「ジャンボメロンパン」(200円)や、「ジャンボフィレオ」(350円、数量限定)などを販売している。また、じゃんけん安売り大会、プレゼント抽選会、クーポン券を袋に忍ばせるなど、普通の工場ではなかなかできない企画も盛り上がっているようだ。

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 コスゲパンの行列は、失敗を成功に変えた“発想”の証なのかもしれない。

AbemaTV/原宿アベニューより)

(C)AbemaTV

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