去年封切られ、数々の映画賞を受賞、いまもロングラン公開中のアニメ映画「この世界の片隅に」。この映画の製作システムから、ヒットにつながった理由まで、今どきのネット社会が背景にあるといわれている。
今回このアニメ映画「この世界の片隅に」が試みたのはクラウドファンディング。ネット上で一般のアニメファン、原作のファンの人たちに門戸を開き、製作費の一部をこのクラウドファンディングで集まった資金でまかなった。
またこの映画のヒットについて、評論家の古谷経衡氏は“SNS”の力が大きいという。「影響力のある批評家やタレントアーティストが初期の公開段階で『絶対に観てほしい』とSNSに書き込み、異常にリツイートされた。映画の内容もさることながら、その成立過程・評価の過程、大ヒットする広がりの過程のどこを切り取っても今までのアニメでは見たことがないひとつの大成功例として刻まれた。」とヒットの理由を解説する。また、「堂々たるものです、(動員数)200万人というのは。後続が見習っていろんな作品が出てくること、それこそが文化の多様性だと思います」と映画におけるインターネット・SNS文化の発展について語った。
優れた作品であれば、クラウドファンディングで予算を集めて製作できる、また作品の高い評価がSNSで広まってヒットにつながっていく。お金をかけなければヒットする作品は作れない、あるいは単にお金をかければヒットする、という時代から変わってきているのかもしれない。
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