政府与党の支持率が低下の一途をたどる中、民進党も混迷を深めている。都議選でも自民党に不満を持つ有権者たちの受け皿たりえず、蓮舫代表の二重国籍問題、そして野田幹事長の引責辞任と、党勢回復の兆しはなかなか見えてこない。
25日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、民進党の原口一博・衆議院議員との小西洋之・参議院議員に"これからの民進党"について話を聞いた。
■原口議員「本当のリベラルで、新保守主義や新自由主義と戦う勢力が結集できれば」
野田幹事長と共に、蓮舫代表も辞任すべきだとの立場を取る原口議員は「民進党の前身の民主党は元々、地域政党の連合体だった。それが、いつの間にか自民党にならって中央集権型のピラミッドになってしまった。だから、顔も変えて組織も変えて一気に現代型に変えるチャンスだと思っている」と話す。
難病を告白、昨年末から今年の春まで闘病生活を送っていた原口議員は、病床で見ていた国会中継が辛かったと話す。
「自分の仲間の中継が辛かった。こっちは死線をさまよって、あと一歩で"向こう側"に行きそうだったので、柔らかい、明るいメッセージが欲しいと思った。一緒に見ていた病気の高齢者の方々も"ちょっと辛いです"と。政治というのは絶望させちゃいけない。包み込むおおらかさが大事だ」(原口議員)。
原口議員は自身のTwitterでも「自由と平等だけでは社会が温かくなるとは限らない。私たちは博愛の理念のもとで民主党を立ち上げた。それは言葉を変えれば人権のリベラル新党だった。中央集権型政党に区切りがつけられる日が近づいている。僕は地域主権改革を旗印にした地域政党との連帯を大切にしたい」と地域政党を重要視したツイートしている。
「博愛と書いたけど、本当のリベラルで、新保守主義や新自由主義と戦う勢力が結集できれば大きなうねりになる」とし、「地方選挙を見てみると、23日の仙台市長選も含め、僕らの仲間は結構勝っている。そこで、自分たちのことは自分たちで決められるという政党の本部を地方に置く。中央政党は国連みたいなもので、そこに地方の代表が集まってきて色んなことを決める」と、党のあるべき姿を語った。
その上で、「正しいことを正しいと言える社会にしたい。それが大前提。民主党政権時には報道の自由度ランキングで一桁台だったのは、今は72位。何か喋ると『これ言っていいのかな』という社会になってしまった。あるいは準強姦されたという女性が顔と名前を出して告白した事件もそのままになっている。それはおかしいよねとちゃんと言える社会にしたい。戦争屋と金融ハイエナの30年が今終わろうとしている。今、地域を回っていると光り輝くような人たちがいる。僕らはそういう人たちをネットワークして、もう一回力にしていく」と力強く語り、「二度は負けん。次に生かせるだけのものを学んだ」と語った。
■小西議員「自民党に来ないかと誘いがきたが0.00001秒くらいで断った」
一方の小西議員は「自主再建」を強調。「我々が今踏ん張って、二大政党の一翼としてもう一回再生する。総括の内容は、行くところまで行っちゃってる。"党内議論を沸騰させる"と、そこまで書ききっている。がむしゃらにとにかくやるんだ。かっこつけるんじゃなくて、国民のための政党に生まれ変わるんだと言っているので、本気でやってない議員がいたら辞めろと言ってください。原口先生のように党を率いてきたリーダーと、私のような中堅・若手の連携に期待いただきたい。そこに皆さんの見知らぬ民進党がある」と話す。
「今日の民進党の総括では、改革について2つのことを話し合った。一つはガバナンス。バラバラだとか決められないとか、そういうことを克服しようと。もう一つ、民進党は何のためにあるのかということ。早速決めたのが、憲法問題、どういう社会保障のモデルを作るのかということ。あとは民進党としての脱原発の姿を描くこと。この3つは具体的に政策レベルにまで落とし込んだものを作って、国民に発信していく。安保法制によって集団的自衛権が可能になり、海外と戦争できる国になった。自分からは手を出さないが攻撃してくる国には日米同盟を元に跳ね返す、この専守防衛についての議論をもう一回、堂々と自民党とやる政治勢力がないと。それは我々がやらなければいけない」(小西議員)。
そして小西議員は「民進党じゃなきゃ果たせない役割があるんだっていう信念で歯を食いしばってやってきた。2012年に選挙で負けて政権を失った後、自民党に来ないかと誘いがきたが0.00001秒くらいで断った。それは民進党にしかできない共生社会を作るという目標があるから。これからも頑張らせていただく」と力を込めた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)