参議院に舞台を移して行われた7月25日の予算委員会集中審議。野党側が追及の矛先を向けたのは、安倍総理の答弁の“信ぴょう性”についてだ。安倍総理は24日に「加計学園が獣医学部の新設に応募したことを知ったのは、1月20日」と発言したが、過去の国会で矛盾した答弁があったことを追及されると、「加計学園と今治市ということで混同があった」と過去の答弁が間違いであることを強調した。
一方で、安倍総理ではなく関係大臣に目を向けたのが共産党の小池晃書記局長だ。「加計幸太郎理事長に会ったときに、獣医学部の話を聞いたか?」という質問を、2016年8~9月に加計理事長と面会したという山本有二農水大臣、松野博一文部科学大臣、山本幸三規制改革担当大臣に対して行った。
加計氏はなぜ次々と大臣と会えるのか、なぜ関係大臣に伝えて総理には伝えなかったのか。安倍総理は「その地位を利用して、彼は何かを成し遂げようとしたことはなかったわけで、私が大臣に言ったことはない」と回答した。
26日放送の『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV・平日12時~)には、メディアアーティストとして活躍する落合陽一氏がコメンテーターとして登場。筑波大学の助教と学長補佐、大阪芸術大学客員教授なども勤め文科省にも研究予算などを申請する自身の経験から、この問題に言及した。
加計氏が3人の関係大臣と会ったことに関しては、「大学の理事長ポジションくらいであれば、お願いすれば大臣クラスに会える」と話す落合氏。さらに、「その面会について山本農水大臣としては説明責任がつけば問題ない。むしろ農水大臣なので、獣医学部を新設したいという意向がある人に会って意見を聞くのは立場上正しい。また山本規制改革担当大臣は、今治市の話について規制改革ということを地方の獣医学部新設による地方創生がやりたいということで面会していることもおかしくはない。松野文科大臣が加計氏に面会した上で獣医学部についての話を聞いていないというのは、決定権のある立場の人に直接お願いしにいくようなことは、公人として疑義を持たれてはいけないから当然なこと。少なくとも公募に出すことや内容についてお願いには行かない。株に例えればインサイダー取引と同じことを犯すはずがない」と、それぞれの面会についての説明に正当性があることを話した。
また、安倍総理が“腹心の友”加計氏から直接獣医学部新設の申請を聞いていなかったとすることに関しては「(そういう関係こそ)プロだなと思う。あえてお互いの仕事上のコンプライアンスに関わる話を一切しないから、例えば純粋にゴルフに行けるような友達関係を続けていられる。これは公人にとって当然のことだし、そういう疑義に対することは、本人たちは当然、相当気にしている。公の予算を無駄に使えないし、秘密は保持されるべき。『友達だから言ったんじゃないか?』って意見が出ること自体がおかしい」と、独自の見解を示した。
同国会では、民進党の桜井充参議院議員が「今治市が獣医学部新設を提案する前に、市職員と元総理秘書官の柳瀬唯夫氏が面会した」という一部週刊誌の報道を、柳瀬氏本人に問いただした。これに対して柳瀬氏は、「記憶する限り会っていない」などの答弁を6回繰り返し、明確に「会っていない」とは最後まで言わなかった。
この答弁に対して落合氏は、「話してないことをあるって言っちゃいけないし、あることをないって言っちゃいけないので、“記憶に”っていう接頭語が付く。あれはそういう専門用語。つまり、こういう答弁は日常会話ではない。柳瀬氏は専門語で話していて、桜井議員は普通の言葉でヤジを飛ばしているだけ。そうみれば、曖昧な答弁をしている訳ではなくて、今の自分の状況を説明するのにああやって言っている」と話した。
また、「(野党の)一連の追及が攻め切れているか?」という問いに対しては、「ああいう攻め方は時間の無駄だと思う。証拠を出してから喋ってくれと。証拠を出してないのに根拠のない話をしているのは意味がない、結論の無い議論をしている。推測の問題と感情の問題をやって煽っているので政策的にも進展がない。国会は討論番組ではない」との考えを述べた。
(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)
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